ランサー、ディルムット・オディナ。
聖杯戦争では運がない歴代のランサーの中でも特に不運にまみれた英霊だ。
だが、傷を癒すことができない呪いを与える槍、必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)を保有しており、
セイバーのエクスカリバーのような派手さはないが相対する相手にとって厄介極まりない宝具に違いない。
まあ、その第四次聖杯戦争では外道上等の敵がいたのもあるが、
身内の不穏調和がランサーにとって最も厄介で最大の敗因であったが。
だが、今は違う。
現在ボク達が相対しているランサーはマスターの縛りが一切ない状態の英霊。
腹ペコのように魔力不足もなければ、手加減する気は一切ないと―――来た!!
「■■■■■――――!!」
獣のような咆哮と同時に一瞬で距離を詰めて来てからの一突きをギリギリ避ける。
負傷しているシエル先輩も傷があるとは思えぬ素早さでランサーの攻撃から逃れる。
しかし、飛び込んで来たランサーがこれだけで攻撃を終えるはずもなく、
主にボクを狙って二双の槍を自由自在に操り追い詰める。
「ぐぅ!?」
それにこっちは反撃どころか避けるのに精一杯だ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます