二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

続いたネタ32 GAET~夢幻会、彼の地にて戦いけり

2016-07-04 23:14:02 | 連載中SS

その日、銀座は喧騒に包まれていた。
元々銀座は日本でも有数の繁華街な上に、
突如出現した『門』を見物しようと(ドームに覆われているとはいえ)する観光客で賑わっており、
人通りは多い場所であったが、この日はさらに大勢の人で銀座が埋め尽くされていた。

その原因は・・・。

「やっぱみんなロウリィとテュカ狙いみたいだな」

鎮魂の儀式を終えた後。
野次馬たちの大歓声の中でもひと際注目されているロウリィとレレイに伊丹が嘆息する。
国会で妖怪首置いてゆかれた状態になっても問題なかったリアル不死者のゴスロリ少女。
それに生の金髪エルフは今や知らぬ者はいない超有名人に誰もが熱狂していた。

「まあ、2人とも美少女なのは女の私が見ても分かりますし、
 隊長みたいなキモオタからすれば土下座して踏み抜かれたい、
 なんて考えてしまいそうなのは理解していますから、あ、私なら銃床でなら何時でも踏んであげますよ」

「それって、普通に死ねるよなっ・・・!!?」

「あるいは、長靴の方がよかったですか?」

「我々の業界でも拷問だ!」

部下の変わらぬ毒舌に伊丹は昨晩の心配してくれた栗林は死んだと内心涙をこぼす。

「隊長、前方から人が近づきます」

富田の事実だけを伝える言葉に伊丹と栗林は一瞬で「切り替えた」
先ほどまであった緩んだ空気は消え失せ、冷気が漂っているような緊張感を纏わせる。
隠し持っている銃の安全装置を解除し、いつでも発砲できるように引き金に指をひっかける。

賓客を浚うための工作員がついに行動を起こした。
そう警戒するが・・・。

「お、お姉ちゃん!?」

「あれ?菜々美じゃん、どうしてここに?」

「どうしたもこうしたも、仕事だよ!
 特地の人間が銀座に来ているって話だからその取材に来ているだけだよ!
 それよりもどうしてお姉ちゃんがここにいるの?そっちの方が問題だと思うよ!」

「いや、だって私の方も仕事だから、3人の護衛」

栗林(自衛隊)が相手が妹であることに気づくと気安く声をかけた。
それでも油断せず、周囲を警戒しているのだが、

「・・・護衛ってお姉ちゃん、
 その手に持っているのって、銃だよね、本物の」

「え、あ、・・・うげ、しまった」

だが、右手に持つMP7と呼ばれる銃が栗林(妹)に見つけられてしまう。
そして栗林(妹)と共にテレビカメラがおり、銀座のど真ん中で銃を携帯している。
という事実が暴露された瞬間であり、伊丹と富田が思わず天を仰ぐ。

「あーでも、仕方がないだよねーこれが。
 だって、昨日から狙われているから特に金髪のと赤髪の人が」

「え?」

「お困りの特定アジア二か国とハンバーガーにウォッカの国かな、
 おかげさまで電車は止まるし、箱根の宿は襲われるし、休む暇もないという。
 今だって早く特地に戻らないと色々まずいことになるし・・・」

勘が鋭い人間なら何が起こったのか察せられる程度に情報が暴露される。
流石に口が滑ったと栗林(自衛隊)が言った後から焦るが、遅く。

(うわ、ツイッターと2chの考察スレがすごいことになっているな)

ゴスコリ、エルフ、銀髪少女。
赤毛姫様、金髪お嬢様、チビ巨乳自衛官、アスリート系自衛官、
ルバングの男と個性的な集団の中で1人埋没している伊丹が内心で呟いたようにネットでは大反響を呼びつつあった。
特に考察スレでは箱根襲撃の件を始め真実に近い事が書かれており、伊丹は思わず感嘆する。

(ネットの反応もそうだが、
 銀座で予想以上に人が集まっているし、
 栗林の暴露と合わせて、もう相手は手出しできないはずだ)

そして、伊丹の予想を上回る注目度の高さに賓客の安全が高まったと確信する。
ここでもしも騒ぎを起こした国は国際社会での総スカンまったなしで、
そこまでして手出しすることはないのでは、と楽観視し始めた。

(駒門さんも仕事をしているみたいだしな)

普段なら臆病な伊丹がここまで楽観視することはないが、
視界の端で怪しい動きをする外国人が密かに連れ去られていくのを目にし、
公安の人間と名乗った駒門が自分たちを援護しており、障害が排除されつつあるのを確信した。

(後先考えなさそうな連中がいるけど・・・既に「門」は目の前だ、今回は大丈夫、いけそうだ)

見上げれば正面には「門」を覆うドーム。
あと10メートルも歩けば目的は達成するだろう。

「ロウリィ!ロウリィ!ロウリィ!」

「テューカ!テューカ!テューカ!」

「レレイ!レレイ!レレイ!」

銀座を後にする特地の3人娘に対し、
銀座に集った野次馬たちが別れを惜しむように名前を叫ぶ。

「す、すごい熱狂ね・・・」

呼ばれた側の娘であるテュカが色々な意味で気圧されるつつも、歓声に答えうように手を振る。

「うふふふ、でも好きよぉ、こういう熱狂は」

こうした熱狂が嫌いではないロウリィが満面の笑みと共に言う。

「・・・理解できない、なぜここまで集まるのか」

対してレレイはなぜここまで人々が熱狂するのか理解できず、
困惑と共に思った事を口にする。

「でも、まあ疲れたし。
 帰りましょう、アルヌスへ」

ロウリィその言葉に残る2人が頷き、門へと向かう。
かくして特地と日本を巡る騒動が終了した。










































 


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