エイラ「輝くもの」
ピクシブのストパンSSです。
主役はエイラとサーニャで戦争後の2人の関係を描いています。
願いどおりサーニャの両親に会わせることができたエイラ。
大戦終結後はしばらく疎遠になった2人だが、久々に合うことになる。
エイラはサーニャに対する思いは捨て切れなかったが、サーニャの幸せのためにある決断を下した……。
エイラーニャの話です。
アニメの展開を少しばかり無視していますが、
これまでのエイラ×サーニャSSで一番良い話です。
ぜひ見てください。
「サーニャ、綺麗ダナ…」
写真の中のサーニャは本当に天使みたいで、誰よりも美しかった。
サーニャは眩しかった。私には眩しすぎて、痛かった。
私も男気がなかったわけではなかった。
仕事の関係で出会った男、紹介された男、言い寄ってくる男は少なからずいた。
でも私はそもそも男に全く興味がないらしく、
また女に関してもニパやエルマがいたけどサーニャみたいには思わなかった。
つまり私は正真正銘、サーニャ以外愛せない体質だった。
それ以来出会いもへったくれもなく今に至るという感じだ。
あれから、サーニャは幸せになったんだろうか。
幸せになってもらわなきゃ困る。
だって、サーニャが幸せだと思うことで、私も今前に進んでいけるから。
サーニャの幸せは私の幸せだから。
取材を終えてホテルに戻ろうと大通りを歩いている時、また私は雑踏に流されて前を見失ってしまった。
「あぁもう、邪魔ダヨ…」
そういって人ごみをかき分けようとしたその時、私の目の前には見慣れた人影が写っていた。
華奢な体に病的なまでに白い肌、綺麗な銀髪に翡翠色の瞳。
彼女は白い肌によく映える黒色のワンピースにグレーの秋物コート、首に巻いた薄目のマフラー。
サーニャだ――――――――
また駈け出してしまいそうになる。
横にはいつか見かけたサーニャの婚約者。そして
サーニャの胸に抱かれた、小さな命。
それを見て私はなあんだと安堵し、
こぼれそうになった涙を上を向いてぐっと呑み込んだ。
幸せになったんだな、サーニャ。
サーニャは優しそうな表情を浮かべて、私の横を過ぎ去っていった。
――――サーニャ、行くといいさ。幸せの呼ぶ方に。
きっと、もう手をつなぐことも、
抱きしめることも、キスをすることも、名を呼ぶことすらないだろうけれど。
「…眩しいナ」
確かに今、輝くものを見ている。
―――――――――END
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます