ソードドリフターズ・クロニクル
ドリフターズとソードアート・オンラインのクロスオーバーSSです。
ドリフターズを扱ったSS自体少ない上にソードアート・オンラインとのクロス。
という予想外の混ぜ合わせで一発ネタで終わらず現在37話まで継続しています。
またドリフターズの展開をただなぞるだけでなく逸脱しない程度に改変するなど工夫をしています。
一読の価値あり、ぜひどうぞ。
北方の王国カルネアデス。通称北方カルネアデス国境要塞。
遥か北へと追いやられた化物達の南下を数百年に渡って阻止し続けていた強固な城壁を持つ大国である。
しかし満月が輝く今夜、正に化物達の軍が攻めて来ようとしており、カルネアデスの軍隊は城壁に次々と配置に付いていた。
あの無限に続く通路より飛ばされた“結城明日菜”はこのカルネアデスの周辺に落とされて直ぐに魔術師結社に助けられた。
彼女を助けた魔術師機関…その名を十月機関と言いこの世界では“オクト”と呼ばれ、
明日菜以外に別の世界から飛ばされて来た異世界人である漂流者…“ドリフターズ”を保護し、迫り来る悪しき化物達の軍団と対峙せんとしていた。
明日菜はSAOの時に所属していた結盟騎士団の衣装にSAOで出会った親友が作ってくれた細身の剣を装備しており
北方である事もあり寒いので上からフード付きの厚いマントを被って城壁から少し離れた城下の町を見回っていた。
城下は夜と云う事もあり人気はないが、どの石煉瓦の家も明るい灯が灯り夕食の料理の良い匂いが立ち込め、
家によっては赤ん坊の元気な泣き声も聴こえていた。
明日菜は微笑んで城下町を一通り回ったのでカルネデスの兵舎へと戻る事としたが、
その途中で荷馬車の傍に立つテンガロンハットに外套姿にダンディーな口髭をした男性に声を掛けられた。
「Heyアスナ、見回りの帰りかい?」
「はい“キッド”さん、これから兵舎に向かう所です。」
「“オクト”の奴等に言っといてくれ、待ち草臥れたってな。」
明日菜がキッドと呼んだ口髭の男性は好感的な笑みを見せ、
明日菜も笑顔で返して通り過ぎようとするとまた別の男性に声を掛けられた。
「おい無視すんなよ、キッドに色目使って俺は無しかよ?」
軽薄な口調を平然と投げかけ、明日菜はその相手をジロリと睨んだ。
「何か用ですか…、“ブッチ”さん?」
明日菜はキッドとは反対に声色を低くしてブッチと呼んだフード被りを被ったガンマン風の青年を睨んだまま警戒した。
「あぁ、大有りだ。アスナ、暇だから“SEX”しよう“ぜっ”!?」
ブッチがセクハラ紛いな言動を言い終えた瞬間、
明日菜の細身の剣が弓矢の如くブッチの喉笛を狙い彼が髪一重で躱して剣の切っ先が荷馬車にダンッと突き刺さった。
明日菜はすわった目付きでブッチを睨めつけ…小さく“チッ”と舌打ちをした。勿論本気で刺すつもりはなかったが…。
しかしブッチの喉笛から微かに血が垂れ、何よりその剣を抜いた目にも止まらない手動がまたブッチとキッドを恐怖させた。
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