二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

「アフリカの弓兵」 (ストパン×Fate) 追記

2010-10-03 00:48:07 | 習作SS
アフリカの日差しは暑く、昼と夜の温度差は大きく、扶桑皇国とくらべ最悪な環境だ。
途中立ち寄ったジブラルタルで購入したスカーフにゴーグル、アラビア風のゆったりとした服。
それらがなければ今頃干からびていたか、夜の寒さに参っていたかもしれない。

けど、扶桑皇国からはるばるここトゥブルクに来たのは今や生ける伝説となったウィッチ、「アフリカの星」に会うためだ。

カールスラント空軍第27戦闘航空団第3中隊中隊長、コールサイン「黄の14」。
ここアフリカで30人程度しかいないウィッチの中で輝ける戦果を重ねているウィッチ。
そしてさらにもう一人、我が扶桑皇国出身者で「弓兵」の異名を頂く彼女。


衛宮志保


に会うこともわたしの目的である。



その1「トブルク」



「エミヤ大尉?ああ知っているとも、彼女のおかげで何度も助かったからね。
 スエズ陥落直後は兵力の余裕もなく、我がカールスラント軍の機動防御を以てしても危ない場面があって。
 一度はうちの親父さんがやられそうになったがエミヤ大尉の長距離射撃で助かったし、何度も世話になったよ。」

トブルク要塞近くで見つけた高級士官に、カールスラント軍に対する取材の許可をもらったついでに衛宮大尉について聞いてみた。
するとカールスラント第7機甲師団の参謀ウェルナーはその時の情景を手で再現しながら説明してくれた。

「通常、陸戦ウィッチが保有する武器の有効射程距離はだいたい1キロほど、
 対してエミヤ大尉は固有魔法・・・・なんだったかな、まあいい。対して有効射程距離は2キロ~3キロ。
 はっきり言ってこれは脅威的だ、加えてそれだけ離れてなお88(アハトアハト)並みの命中精度に威力。
 いや、もっとあったかも知れない、矢一本だけでも大型ネウロイを倒した事もあるし。」

たしかにすごい。
ウィッチはネウロイに対しては天敵という力関係だからこそ対抗できるとはいえ。
陸戦ウィッチが確実にネウロイを倒すには結局接近せざるを得ない。

「そういえば、前に飛行型ネウロイを落としたこともあった。
 あの時は我々だけでなくあの「アフリカの星」も驚いたよ。」

嘘でしょ。
時速数百キロで空中を3次元機動するネウロイを落としたですって?

「言っておくけど偶然じゃない、
 その後もたまに撃墜するから。 無駄弾なく、きっかり一発のみ。」

唖然とする。
そんな人が扶桑皇国にいたことが驚きだ。
そして記者として好奇心がどうやら押さえられず、一刻も早く会ってみたいと思った。



その2「扶桑皇国」



取材に応じてくれたことに礼を述べてカールスラント軍の基地を後にする。
ウィッチの基地の所在地は参謀のウェルナーに聞いたので、ヒッチハイクでもすればすぐに行けるだろう。
延々と地平線の先まで続く砂漠をぼんやりと見ていると、ふと以前本国で取材した島田豊子少佐の言葉が思い出させる。

「衛宮か、悪くない。
 冷静な判断力と勇猛果敢な攻撃精神、軍人として理想的な奴だと思うよ。」

島田少佐は懐かしそうに目を細め、かつての部下について詳細に語ってくれた。

「負傷者は絶対見捨てなかった、
 それはもう誰もが駄目だと判断するような所まであいつはつっ込んで行った。
 もし生まれた時代が時代ならあいつは聖人が偉人の類に列せられただろうな。」

ただ人を助けるためには命令違反上等なせいで結構処罰されたけどね、と加えた。

「衛宮の固有魔法は『物質具現化』
 衛宮が想像した物ならば大抵の物は現実に具現化できる。
 あいつはよく弓と矢・・いや剣だったな、を具現化させてネウロイに攻撃していたな。」

ちょっと待って。
私の耳が確かならば、剣を具現化させてそれを矢の代わりに撃っているように聞こえるけど。

「言葉のままさ。
 剣を具現化させて矢として射撃していた。
 衛宮の腕はすごいぞ、どんな距離でも百発百中、那須与一といい勝負ができるかもしれん。」
 
そこまで言うと喉が渇いたのか机の上に置いてあった麦茶を少佐はグイッと飲む。
 
「聞きたいのは衛宮に関するエピソードだったな、
 扶桑海事変の後半で私と衛宮が所属していた
 第一機械化装甲歩兵連隊はネウロイの攻勢で全滅しそうになった。」

覚えている、私も当事者だったから。
あの時はたしかそちらさんは弾切れ起こしたから空の私たちが救援したハズだったよね。

「うんあの時はどうも、
 それで一度空の救援が来る前に陸戦型ネウロイに囲まれかけて誰かを殿役をやらなきゃならない羽目になった。
 志願を募ったけど誰も出ない、なぜなら魔法力が消耗してたから確実に戦死するからだ。
 指揮官である自分を犠牲にすることを考えた時に衛宮が前に出て、奴は言ったのさ。」


「時間を稼ぐのは構わないが別に倒してしまっても構わないだろ、って。」


・・・少佐、そんな状況下でそんなことを言うなんて、やけくそになったか壮大な馬鹿なのかしら。

「強いて言うならば壮大な馬鹿だろう。
 とことんお人よしで、とことん人のために尽くす大馬鹿野郎さ。」

楽しそうに語る島田少佐の顔が今にも印象に残っている。
けど私は、実は衛宮志保の精神構造にどこかいびつな部分があるのではないかと考えた。



その3「ライ―サ少尉」



「・・・だからね、誰かが変わってなんて言われても、絶対にお断りよ。」

なるほど、ライ―サ少尉にとってマルセイユ中尉とは苦労よりも楽しことが多いのか。
大変な列機の作業も楽しくなる、そんなマルセイユ中尉に早く会ってみたくなった。

ところで衛宮大尉の名前は知っているかしら?

「エミヤさん?知っていますよ。
 普段はブリタニア王国陸軍のウィッチとよく行動してますけどたまにウチの基地に来ます。
 もしかしたら今この時間帯ならいるかもしれませんね。」

衛宮大尉はたしか機械化歩兵のはずだけど?
なぜ航空歩兵の基地に来るのかしら。

「実はエミヤさん
 うちの基地にわざわざ料理をふるまうためだけに来てくれるのですよ。」

ほうほう、これは意外だ。
島田少佐の話からてっきり戦闘狂、あるいは武人のイメージがあったけど
衛宮大尉は料理が大好きな女の子という面があったか。

「家事全般もエミヤさんはすごいですよ、
 本人は決して好きではない、と否定してますけど絶対嘘だとみんな確信しています。」


その後少しばかり話してからライ―サ少尉と別れを告げた。
彼女のさらに詳しい案内によってウィッチ隊の基地が見えてきた。

ウッィチ隊の基地はトブルク付近の丘にあり、ここからでもうっすら見えた。
道路にいくつかある標識の一つに懐かしい扶桑の文字を発見して足を止める。

「冬木1万キロ・・・・。」

おそらく衛宮大尉の手によるものだな。
ここから故郷まで直線距離で約1万キロ、彼女は一体何を思い。
何を感じながらこの標識を作ったのだろう。

アフリカに注ぐ太陽を浴びつつ私はその標識をじっと見つめた。





スランプ状態の第三帝国です。
なんとか続きが書けました。最低でも「アフリカの魔女」の分まで書こうとおもいます。
できれば「スフィンクスの魔女」のエピソードまで書けるといいんですけど、書けるかは不明。

では
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4 コメント

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感想 ()
2010-10-01 13:32:22
これも続きは未定ですか、
うう、おあずけが続くのはつらいですね。
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Unknown (第三帝国)
2010-10-07 15:58:06
こめんと乙です。
続きは・・・暇をみてできるだけ書きます。
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感想2 (レイレ)
2011-02-18 00:48:38
ストパンの世界に錬鉄が!・・・
chapter2も読みましたがマルセイユとのかねあいもいいですねw
そしてシホ,お姉さまと呼ばれているのかw
その様子を見てみたいものだが.
というか,ストパンの世界にアーチャー1人いたら戦場を支配できるんじゃ・・・
ストパンのアフリカシリーズでのシホの活躍を期待したいです.
ぜひ続きを書いていただけたらと思っております.
返信する
どうも~ (第三帝国)
2011-02-20 06:49:02
感想乙です、レイレさん。

続きはまあ、気が向いたら、たぶん(スマン)
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