二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

おススメSS 人間強度が下がらなかった話

2016-05-29 23:54:00 | おススメSS

人間強度が下がらなかった話

化物語のSSです。
主人公の阿良々木暦が「友達がいると人間強度が下がる」と痛い発想に至らなかったら?、

という趣旨のSSで高校の当初から老倉育との付き合いがあり、
さらには同じ作者の作品である刀語の要素を混ぜたらどうなるか?
どのように思考や発想が変わるのかを描写すべく試みている実験的SSと言えます。

阿良々木兄弟のシスコン、
ブラコンもしっかり描写されていますし、
基地○な……突拍子もない主人区の発想とそれを表現する文体もしっかりしており、
まだ読んでいる途中ですがなかなか面白いです、ぜひ見てください。




さてさて、暦が迎えに来た相手は”老倉育おいくら・そだち”。
銀髪の長いツインテールの女の子だ。
顔のつくりは違うが、髪の色や感じは「劇ナデ」の頃のルリルリの髪型と言ったらイメージし易いだろうか?

さてこの暦と育、実は中学卒業までは同棲……いやいや同居していた仲だった。
より正確に言うと、育は”ある事情”があり阿良々木家に保護されていたのだ。
だが、高校入学の際に育は、

『いつまでも居候じゃ、私自身が駄目になる!』

と一念発起。
入試で優秀な成績を示し見事に私立直江津高校の特別奨学生の座をゲットし、
更には阿良々木夫妻よりアドバイスを受け、様々な社会福祉制度を活用し高校入学を機に自活を始めたのだった。
それがもう、

「もう2年か……」

「何が?」

「いんや。育が独り立ちしてから」

遅咲きの桜の花びら舞い散る通学路、阿良々木暦と老倉育は高校最後の春を迎えていた。
いや、もちろん留年しなければだが。



「はぁ~」

と可愛い顔台無しになるくらいに溜息を突く育に暦は不思議そうな顔をして、

「溜息を突くと幸せが逃げるという都市伝説があってだな」

「別に今は十分すぎるほど幸せだから少しぐらい逃げても文句はないけどさ……この二年間、よくも飽きもせずに毎日私を迎えにくるわね?」

「別に毎日じゃないだろ? 土日祝日、春夏冬の登校日を除く長期休暇のときは普通に育を放置してるしさ」

「それって逆に言えば、学校がある日は、雨の日も風の日も雪の日も毎度毎度私を迎えに来てるってことでしょーが」

「雨ニモマケズ風ニモマケズ雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ、以下略。そんな人に僕はなりたい」

グッと拳を握り締める暦に、

「日本最高の吟遊詩人を馬鹿にするなっ!」

”ぽこっ”

「OUCH !」

暦の頭から妙に軽い……じゃなかった。小気味のいい音がする。

「そーだーちー! 僕こそいつも言ってるだろ!? 木刀で人の頭をドツくなって! 僕の頭は夏の浜辺に置かれたスイカじゃないんだ!」

今更だが、育は現代日本を生きる女子校生が持つには少々不似合いなものを携行していた。
別に隠す必要もないので簡単に言えば、”刀袋”だ。
正絹銀糸芯入の中々に本格的な代物で、名前に因んでではないだろうが袋の絹地は酢橘すだち色で、彼女の髪色を連想させる銀糸の刺繍が入っていた。

暦の言葉を信じるならば、中身は真剣ではなくどうやら木刀らしい。
ただし、育は剣道部には在籍していない筈だが……

「木刀言うなっ! この刀には立派な【王刀おうとう”鋸”】という立派な銘がある……確かに見た目はただの木刀だけど」













コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« おススメSS 歴女(ハウスシ... | トップ | 【予告】ヴァルハラの乙女 ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

おススメSS」カテゴリの最新記事