金髪の少女が十字架を前に跪き、祈る。
願う内容は己の救いを求めず、ただただ人のため。
ひいては人類のため、少女は願い、信じる神へ祈り続け、宣言する。
「主よ。今一度、この旗を救国の―――いえ、救世の為に振るいます」
少女、否。
救世主、オルレアンの乙女。
奇跡を体現し、祖国を滅亡から救い出した少女が今一度信ずる神へ誓いを立てた。
そして、ゆっくりと立ち上がり、
背後に立つ人物、マスターに対して述べる。
「サーヴァント・ルーラー、召喚に応じ参上した。
……ですがマスター。調停者(ルーラー)のクラスですら、もはや一介の英霊にすぎないのです」
調停者(ルーラー)は本来聖杯戦争の運営役として、
戦いに秩序を保つことが期待された存在であり、マスターの存在を必要とせず、
如何なる陣営にも関わらず中立を維持していたが、今の彼女はその他の英霊と同じだ。
「秩序は燃え尽きた。多くの意味が消失した。
わたしたちの未来は、たった一秒で奪われた」
回想し、悔やむように言葉を綴る。
目を伏せ後悔、悲しみといった感情を彼女は表現する。
だが、彼女。
調停者(ルーラー)は涙を流さなかった。
かつて姦計でその身を業火に焼かれてもなお、自身の選択肢を嘆かなかったように。
顔を上げ、自身の象徴である軍旗を床に立て、言った。
「聞け、この領域に集いし一騎当千、万夫不倒の英霊たちよ!
本来相容れぬ敵同士、本来交わらぬ時代の者であっても、今は互いに背中を預けよ!」
声を張り上げ、周囲にいるであろう数多の英霊達に語る。
姿は見えないかあちこちから突然の申し込みに動揺する雰囲気が流れる。
「我が真名はジャンヌ・ダルク。主の御名のもとに、貴公らの盾となろう!」
宝具たる旗を高々と掲げ、
高らかに、誇らしげに、奇跡の少女は宣誓した。
◆
『霊長の世が定まり、栄えて数千年』
『神代は終わり、西暦を経て人類は地上でもっとも栄えた種となった』
『我らは星の行く末を定め、星に碑文を刻むもの』
『そのために多くの知識を育て、多くの資源を作り、多くの生命を流転させた』
『人類をより長く、より確かに、より強く繁栄させる為の理―――人類の航海図』
『これを、魔術世界では人理(じんり)と呼ぶ』
◆
『第一の聖杯 救国の聖処女
AD.1431 ■■百年戦争 オルレアン』
「貴方の戦いは、人類史を遡る長い旅路」
/
『第二の聖杯 薔薇の皇帝
AD.0060 永続■■帝国 セプテム』
「ですか悲観する事はありません。貴方には無数の出会いが待っている」
/
『第三の聖杯 嵐の航海者
AD.1573 封鎖終局四海 オケアノス』
「この惑星(ほし)のすべてが、聖杯戦争という戦場になっていても」
/
『第四の聖杯 ロンディニウムの騎士
AD.1888 ■■■■■■ ■■■■』
「この地上のすべてが、とうに失われた廃墟になっていても」
/
『第五の聖杯 ■■の白衣
AD.1783 ■■■■■■ イ・プルーリバス・ウナム』
「その行く末に、無数の強敵が立ちはだかっても」
/
『第六の聖杯 輝けるアガートラム
AD.1273 ■■■■■■ ■■■■■』
「結末はまだ、誰の手にも渡っていない」
/
『第七の聖杯 天の鎖
BC.■■■■ 絶対魔獣戦線 ■■■■■』
「さあ―――戦いを始めましょう、マスター」
◆
「過去最大の規模で行われる聖杯戦争、
開幕。――――それは 未来を取り戻す物語」
「Fate/Grand order」2014年冬、開戦予定!
さあ、皆も艦これに続いて課金して遊ぼう!
※ ※ ※
「と、いうわけで生憎ですが自分はFate/Grand order、
に参戦が確定しているので、ゼロ同様今年は主人公枠となりました」
「くそっ!敵!
やっぱりセイバーは敵よ!
ええい!これが、ゴールドヒロインかつ、型月のドル箱の余裕か……」
「うう、セイバーさんはずるいです!反則です!」
澄ました表情で今年の出演を表明したセイバーに遠坂姉妹が悔しがった。