二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

幕間-Ⅰ (ヴァルハラの乙女たち)

2011-05-05 18:54:59 | 習作SS

視点:バルクホルン 1939年 東プロイセン カイザーベルク

本日曇りなれども風弱し。
我が故郷、東プロイセンはバルト海に面してカールスラントでも最北端の街である。
古くはゲルマニア騎士団(チュートン騎士団)が本拠地を置いた場所であり皇帝家のホーエンツォレルン家ゆかりの地でもある。
それはこの街の名前から分るようにカイザーベルク、漢字と平仮名で直すと『皇帝の城』と一発で判明する。

前世は日本人であったが、今の私のアイデンティティーはカールスラント人。
ここで過ごした日々は故郷として親しみを感じている。だからこの街を守りたい気持ちに嘘偽りはない。

さて、話は変わるが。将校たるもの部下に対し常に厳格な態度で臨まなければならぬ。
そう士官学校でライフポイントが零になるまで叩きこまれたは今や昔。
卒業した直後同期の連中と「もう二度と久留米!」とはしゃいだのも懐かしい。

「にしても、」

こうやってその懐かしい場所に足を踏み入れるとは、
ウィッチ用の滑走路に機材、施設がそろっているという理由で基地として使うなんてね。
戦場に送りだすための魔女の学び舎が、戦場そのものに鎮座するなんて末期戦もいいところだ。
50年後あたりに学研で読むならともく実際に体験するのは正直嫌だな。

「失礼します。」

グルグル脳みそで思考を回転させていた所でドアがノックされ、人が部屋に入室する。

エディ―タ・ロスマン軍曹。

灰色の髪、背はとても小さくまさか自分より一歳年上だとは思えないほどで。
さらには、知らない人は多くのエースたちの『先生』だとは誰も想像できないだろう。
私もエーリカも、この人に随分お世話になったのも懐かしい。

「本日の訓練成果について報告書です、どうぞ。」
「ん・・・。」

手渡された書類に眼を通す。
指揮官とはただ戦場で武をかざすよりも、こうした事務仕事が多い。
所詮軍隊も官僚組織と分っていても面倒なのには変わらない。

何々、射撃訓練は場所が場所だから弾が腐るほどあるからよし。
次に基礎体力訓練、さらなる改善に努める、か。まあ、すぐにできるものでないから、しょうがない。
で、問題はやっぱりこれか。

「飛行時間か」
「はい、こればっかりはどうも。」

パイロットは一定の錬度を保つためには年100時間程の飛行が要求される。
しかもただ100時間ピッタリ飛んだだけではまだまだ足りない。数年継続して訓練してようやく戦力としてカウント可能に。

同じことは航空歩兵である我々にも言えて。
現在部隊の大半を占める私と同じ地元の新人隊員の飛行時間は合計平均80時間ほど。年90時間の旧東側諸国以下と来た。
通常、経験が深い隊員が一定数部隊内にいれば部隊全体の戦力はカバーされるが、現在ミーナと共に再編成か、別の部隊の中核として引き抜かれた。
10人中3人、私、ロスマン、オブレザーしか使いものにならない現状でもしネウロイが襲来したら。

「ベテラン組以外は出さない方針はどうか?」
「・・・それは、状況が許さないでしょう。」

まあ、だよな。
通常兵器では無理で、ネウロイに対抗できるのは唯一空飛ぶ魔女の我々のみ。
無断撤退は論外、妹が否、まだ大勢の避難民がこの街にいるのに逃げることはできない。
選択肢は来たら戦うのみ、それだけだ。

「司令部の予想とわたしたちの努力をを信じるしかありませんね。」
「そうだな。」

結局、駒である自分たちがあーだーこーだと考えてもどうにもならないわけだ。
努力しても根本的解決にはつながらない。再編成された部隊の到着まで来襲しないのを祈るしかない。

・・・ああ、いかんいかん。思考がマイナスへ傾いていた。
ロスマンの方も気持ち深刻そうな、いや実際深刻だから空気が微妙に重い。
ここは一つ、軽く何か言おう。

「何事も、起こらなければいいのだが。何とかなるだろう。」
「そうですか・・・?」

疑問を口にするロスマン。

「私がいれば大丈夫だ。愛しの妹達(新人隊員)はこのエース様に任せろ。」

言った途端、我ながら大した自信だと恥ずかしくなった。
重たい空気を払うため、つい調子に乗ったのは分っていたから、それが顔に出さないよう必死でこらえる。
何が私がいれば大丈夫だキリッだ。しかも新人を妹たちと比喩するなんてシスコン自重しろだ。
くそう、そういうキャラじゃないから余計に恥ずい。

「なるほど、それは頼もしいですね。」

口ぶりこそ普通だが、
このロリ軍曹、実にイタイ人を見るような眼で見てやがる。
ええ、分ってますよ。分ってますとも、そーいうのはエセ伯爵の領域ですから。
キャラが合わないのは分ってますよーだ。

「ぷくく・・・期待していますよ、中尉・・・。」

今度は生温かく見守る目線に変化してるし。
・・・ちくしょう、いいぜもっと笑え。笑いたければ笑いやがれ―――!!

「しかし、妹たちですか、
 みんなに中尉がいかに大切に思っているか教えてあげませんと。」

「え、ちょ、おま。」

えええ!?
あれか、私を羞恥心で悶え死ねと言うんかい。

「では、要件は済んだので失礼します。」
「まてやコラ―――!!」

私の叫びも虚しく、ロスマンは一撃離脱戦法を極めた者に相応しく素早く離脱。
この後、「姉ちゃん」やら「お姉さん」「お姉ちゃん」とか散々からかわれる羽目に陥る。
けど、こうして馬鹿ができる日々が如何に尊いものか。まだよくわかっていなかった。

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おススメSS 僕が一番セクシー(魔法少女まどか☆マギカ)

2011-05-05 14:15:07 | おススメSS

僕が一番セクシー(魔法少女まどか☆マギカ)

原作超改変ものです。魔法少女には誰一人たりともなっておりません。
100パーセントギャグと変態でこのSSはできております。

・ナルシストなキュウべえ
ガハラさん的変態ほむらちゃん
あたしってほんと馬鹿な安定のさやか
ぼっちなマミさん
ホームレス中学生あんこ
唯一の常識人にして女神のまどか

が織りなすオリジナルストーリー。
ノリ的に銀魂に近いかも、読むべし。


評価:ABCD

A

この作者のSSはギャクがうまい!
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