大卒だろうが、高卒だろうが、中卒だろうが、形式に囚われる必要はない。
実力主義の将棋に身を置いて、その世界で生きていこうとする大きな決断にエールを送りたい。
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将棋の藤井聡太二冠(18)=王位、棋聖=が3年に在学していた名古屋大教育学部付属高(名古屋市)を今年1月末で自主退学したことについて、師匠の杉本昌隆八段(52)は16日、発表後の取材に「もったいない気持ちもしましたけど、卒業という形にとらわれないのが藤井二冠らしい」と語り「将棋に専念して、さらに飛躍してほしいです」と弟子にエールを送った。
昨秋の時点で藤井二冠から「辞めることになりそうです」と報告を受けていたという杉本八段は「タイトルを獲得(7〜8月)して立場も変わったので、より将棋に専念したいという気持ちを持つのは自然なことだと思います」と語る。同時期に東京五輪の聖火ランナーを辞退した理由とも重なるという。
学業と棋士としての活動を両立するのはスケジュール的に困難を伴う。2018年の高校入学時から既に棋士として活動しており、対局は東京や大阪への遠征を伴うこともあり、欠席がちにならざるを得ない環境にあった。今期は棋聖戦、王位戦でのタイトル挑戦・獲得もあって多忙を極め、将棋界を代表するタイトルホルダーという立場にも変わった。
杉本八段は「彼は中学生の時から活躍していましたから、ずっと大変だったはずです。卒業しようとすると、かなり無理をして学校に通わないといけない状況にあったようですから、より将棋に集中できるように、と考えて決めたのでしょう。タイトルホルダーとしての自覚という部分も大きいと思います」と弟子の思いを代弁した。
藤井二冠は、連盟を通じ「タイトルを獲得できた事で将棋に専念したい気持ちが強くなりました。秋に意思を固め、数回学校と話し合いをした上、1月末日付で退学届けを提出いたしました。一層精進していく所存ですので、今後ともよろしくお願い申し上げます」とコメントしている。