教頭先生は全国どこでも日々煩雑な業務に追われているのですね。
(教育委員会にいる指導主事も輪をかけて大変なようです)
校長になればある程度は激務から解放されるのでしょうが、校長は校長で自分が通ってきた道。
「それは教頭の仕事でしょ」
どうしても最後は教頭に仕事が回ってきます。
ババを率先して引きたい人はいません。
激務が原因で敬遠され、このままなり手がいなくなれば、学校経営は成り立ちません。
今のこの学校管理体制は、すでに制度疲労を起こし、もはや破綻寸前のような気すらします。
業務を軽減したり、任用期限を設定したり、厚遇を用意するなど、早急な対策が必要です。
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教頭先生はつらいよ 激務で昇任敬遠、自ら望んで降格も
出典:朝日新聞
教頭・副校長から教諭への希望降任数(公立学校)
学校の先生で最も多忙とされる副校長や教頭が不人気だ。昇任試験の志願者が少なく、各地の教育委員会が対策に乗り出している。大阪市教委は、各校長に部下の中から教頭候補者を推薦させ、受験させる異例の策にでた。
「いまが教員人生で一番しんどい時期。ふんばりどきだと思っています」。神奈川県内の市立中学校の副校長は話す。
毎朝5時すぎに家を出て、6時20分には学校の門を開ける。担任が入院すれば、かわりの常勤講師をさがし、窓ガラスが割れれば業者に電話する。教育委員会からの通知を読み、教員の勤務評価、報告書作成。帰宅は午前0時すぎ。休みは新学期になって1日だけ。
「あんた、ババ抜きのババ、ひいたようなもんや」
大阪市立小学校の教頭は昇任した数年前、同僚の教諭からそう言って笑われたことを覚えている。
本来は事務職員の仕事だが、給食費の徴収も担う。未納の保護者の自宅を訪ね歩き、親戚にも電話をかけて「あんた、サラ金の取り立てか」と責められた。苦情をいう保護者に校長が「すいません。教頭によく言って聞かせます」と応対するのを聞き、「心が折れた」。PTA役員から「おい、教頭」と言われ、会費の引き落としを頼まれ、銀行に走ったこともある。呼び出される時に都合を聞かれたことはない。「まるで奴隷です」
大阪市では橋下徹市長の意向で民間人校長が増えて昇進の機会が減り「夢を持ちづらくなった」。教員仲間が集まると「もう辞めたい」と愚痴を言い合う。
文部科学省が2006年度に全国約5万人の公立小中学校の教員らを対象にした「勤務実態調査」によると、教頭・副校長の平均残業時間は月約63時間で、教諭より21時間多かった。また、12年度の別の調査では、副校長・教頭の4割近くが午前7時までに出勤、午後9時以降に退勤するなど、一般教諭より長時間勤務が常態化していた。
最近は降格を望む副校長や教頭もじわじわ増えている。高校などを含む公立校の副校長や教頭から教員への希望降任は13年度、全国で107人と初めて100人を超えた。最多は大阪の21人、次いで東京の15人だった。都教委の担当者は「副校長に集中する業務自体を改善しないと、なり手は確保できない」と話す。
大量採用世代の教員が退職時期を迎え、激務で敬遠される副校長や教頭のなり手を増やそうと、各地で取り組みが進む。
市立小、中学校の昨年度の教頭昇任試験の受験者が、01年度の10分の1に減った大阪市。市教委は今年度から、これまでの本人の出願制を改め、各校長に部下の中から候補者を推薦させ、受験させる。東京都は12年度から、副校長の業務をサポートする事務職員らでつくる「経営支援部」の設置を進めるなどして負担軽減策を打ち出し、受験者の確保に取り組んでいる。
◇〈教頭と副校長〉 教頭は校長の補佐に加えて、必要に応じて児童・生徒の教育もする。これに対し、副校長は人事管理など運営面でより校長を助け、校務の一部を自身の権限で処理できる立場だ。副校長は2007年の学校教育法の改正でできた職で、指示系統をはっきりさせ、学校運営を効率化させる狙いで置かれた。14年4月時点で、全国の公立小、中学校、高校などの教頭は3万3846人、副校長は3646人。
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