職人

１５年前から愛用している腕時計。
電池が切れててしばらく動いていなかった。
というのも、いつも電池交換をお願いしている時計屋さんがずっと閉まっていたから。
少々特殊な時計なのでどこの時計屋さんでも電池交換ができるわけではない。
メーカーに送って電池交換をしてもらうのが通常ルートだが、その時計屋さんならば安心。
技術は折り紙つきなのだ。
先日店の前を通りかかると開いていたので、さっそく時計をもっていった。
病気で入院されていたのだという。
もうすっかり良くなったそうでよかった。

「どれどれ、おー、いい時計だね」
前に来たときもそう言われたはず。
たぶん毎回言われてるな。
自作と思われる時計の裏蓋を開けるためだけの専用道具を取り出し、
「これがないと、このGSは開かないのよ」
そういって、右目にルーペを当てて繊細な作業を寡黙に続ける姿は、まさに職人そのものだ。
約５分間の作業工程をカウンター越しにほれぼれとしながらみる。
みてて全然飽きない。
無事作業完了。
料金もメーカーに送る場合の1/3で済んだ。
あー感謝。
３年後にまたお世話になります。