おりおん日記

電車に揺られて、会社への往き帰りの読書日記 & ミーハー文楽鑑賞記

「銀座開化おもかげ草紙」 松井今朝子

2009年11月17日 | ま行の作家
「銀座開化おもかげ草紙」 松井今朝子著 新潮文庫 (09/11/16読了)

 明治維新直後の銀座の街で繰り広げられる人間ドラマ。今まで、信じていた秩序がすべて崩れて、急速に流入してくる西洋文化を吸収しながら生きていかなければならない時代というのは、恐らく、不確かで不安な空気が流れていたのだろうなと思います。
 
 そんな空気を反映しているのか、この物語まで、不確かでつかみどころがない印象。結局、最後まで主人公の宗八郎という人物に感情移入できず(かといって、反発もできず)に読み終わってしまいました。やはり、物語は、どこか「ひっかかる」ところがないと、面白味がないです。正直、松井今朝子の作品の中で、一番、つまらなかったです。