おりおん日記

電車に揺られて、会社への往き帰りの読書日記 & ミーハー文楽鑑賞記

「巡査の休日」  佐々木譲

2009年11月14日 | さ行の作家
「巡査の休日」 佐々木譲著 角川春樹事務所  (09/11/12読了)

私的警察小説の最高峰・佐々木譲の「笑う警官」(角川春樹事務所)が映画化されて、14日から公開。「巡査の休日」は、「笑う警官」シリーズの最新作。

映画の公開に合わせて続編を出してくるなんて… テレビではガンガン映画の宣伝してるし、お陰で、小島百合巡査の登場場面をいちいち松雪泰子風に読んでしまうという罠にハマり、若干、辟易。

その上、笑ってしまうような設定…。過去に深刻なストーカー被害にあった女性が、再びつきまといを警告されているというのに、それでも「ヨサコイソーラン祭り」に出て踊りたいという。その神経もよくわからないが、そんな我がままを警察があっさり認めるのも不自然。その上、被害者警備の名目で美人巡査・小島が一緒にヨサコイソーラン祭りで踊り狂う-まるで、安っぽい2時間ドラマの中だるみ対策の演出みたい!!!

そして、結末でトドメを刺されました。ちょっと脱力するぐらい陳腐。

さすが、佐々木譲です。途中の展開には、それなりに楽しめました。津久井も佐伯もカッコよく描かれているし。でも、映画の宣伝のためにもう一冊って、やっぱり、動機不純だし、無理があります。そのせいで、至高の警察小説である「笑う警官」までもが、安っぽくなるのは残念!