杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・性教育研究会~北沢杏子さんの講演

2010-11-17 01:47:57 | 教育
昨年から、おもに子どもの施設内での性逸脱行動について、職員たちが正面から取り組もうと立ち上げた性教育研究会の研修会を、14日(日)にオリンピックセンターで行いました。

映像は、研究会の第一部、性教育の草分け的な存在である北沢杏子さんの講演です。
北沢さんは、かつて、ウルトラQ(私など懐かしくてたまらない世代ですが)の脚本を手がけたりされていた方ですが、ある時性の問題の重要性に気づき、ずっとその指導をおこなってこられています。

私は恥ずかしいことに、初めてその講義をお聞きしたのですが、お話しが具体的で、科学的でした。恥ずかしいとか、嫌らしいとか、いったものは一切感じない、説得力のあるもので、とくに、性的な情報に興味のある中高生が聞くことができたら、どれほどためになるか、と思いました。

本当に聞いていて、心地いい、もっと知りたいと思うような内容でした。

例えば、最も強い優秀な精子が一番に卵子に辿り着く、というような話を聞きますが
実は、そうではない。精子が助け合って進んでいき、最後に隅々ある精子が辿り着くのだと。
また、妊娠中絶とはどのようなことをすることかを、図で分かりやすく説明をしてくださり、女性の体をどのような危険にさらすことになるのかも分かりました。

また、同性だけでなく、異性間での交渉の場合、それが異性の場合とどう違うかを、体の構造を説明しながら話していただき、そもそも膣と肛門の構造の違いなどから、何に注意すべきなのかを説明していただきました。

図もたくさん示していただき、(当然ではありますが)科学としてしっかり捉えることができました。

このような教育はきちんと子どものころからなされるべきだと強く感じました。
知らないうちに学べるようなものでは、とうていないと思いました。



第2部は、北海道大学の仲真紀子教授による、子どもからの聞き取りの方法、特に法的な証拠とするための聞き取り(フォレンジックインタビュー:司法面接)について、お話しをしてもらいました。

子どもと意思疎通を図り、子どものことを理解したように聞き取ったつもりが、案外大人の判断、思いこみを子どもに「うん」といわせているだけのような場合も多いことが、
インタビューモデルのビデオを見て気づかされたりもしました。


あたりまえだとおもっていたこと(性の問題には触れないでいいということ、親しく聞き取れば本当のことが聞けるのではないか)が、本当に正しいのかを、一つ一つ確かめることのできた研究会でした。

この研究会は、来年3月6日に大きな研究会を開きますが、隔月で定例の研究会を行っています。子どもの性の問題で困っている施設の職員さんなど、参加は自由ですので、よろしかったらご連絡下さい。




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1 コメント

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全く同感です。 (林 俊成)
2010-11-21 14:32:40
正しい性知識は、人への思いやりを育むと思います。加えて、氾濫する間違った性情報への免疫になるのだと思います。早いのではとか言って、性教育に消極的な人も少なくありません。しかし、子どもは大人が考える以上に冷静だと思いますし、正確な情報によって更に冷静になり得るかも知れません。
子どもに対する聞き取りの方法は、きっと難しいと思います。これを併せて講演会に組んでいると言うのも、実践的で素晴らしいと思います。
私の所属する地域政党(市民ネット千葉県)の仲間にもこのお話しをしようと思っています。
いつも素晴らしい情報、有り難う御座います。
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