風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

百田夏菜子生誕祭2017

2017-07-12 00:00:00 | ももクロ










本日7月12日は、ももクロ不動のリーダー、百田夏菜子さんの23回目の誕生日です!



おっめでと~!!!!



去年から今年にかけて、NHK朝ドラ『べっぴんさん』への出演によって、ももクロを知らない比較的高い年齢層の方々にも認知されるようになった夏菜子ちゃん。女優としても注目され始めており、確実にファン層を広げていますね。


今年の11月公開のアニメ映画『かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ』のヒロイン役で、声優デビューも決定しています。

先日、声優界の超大御所、あの鬼太郎の、あの風大左エ門の、あの星野鉄郎の、あの孫悟空の野沢雅子さん(御年80歳!!)と対談する機会があり、野沢先生より、声優としても大丈夫、やっていけると太鼓判を押された夏菜子ちゃん。さあ、どんな声優ぶりを聴かせてくれるのでしょうか。


楽しみだ~♪




野沢雅子先生と。





『かいけつゾロリ ZZのひみつ』予告編




最近は随分と大人びてきて、一人物思いにふけっているかのように見える瞬間が、増えてきたように思うのは私だけだろうか。でもその強くて明るい太陽のような笑顔は変わらない。これからもその太陽のように輝く笑顔で、モノノフを、日本を、世界を照らしてね。



23歳、おめでと~っ!!!!

SKID ROW [Youth Gone Wild] 1989

2017-07-10 07:37:57 | 今日のメタル










名曲というのは色褪せないものですね。もう28年前の曲だというのに、まったく古くなっていない。ホント、良い曲だと思いますねえ。


バンドはボン・ジョヴィと同じニュージャージー州出身。メンバーの一人がジョン・ボン・ジョヴィと幼馴染だったのかな?そんなこんなで、初期の頃はボン・ジョヴィに随分お世話になったらしい。



メンバー全員なかなかのイケメンで、特にヴォーカルのセバスチャン・バックは、端正な顔立ちに193センチの長身。そのちょっとハスキーな声質で、声域の幅も広く、表現力豊かに歌いあげる。


そりゃ人気も出ますわな(笑)



デビュー当時、日本のヘヴィ・メタル専門誌BURRN!の編集長だった酒井康氏が、セバスチャン・バックのことを、「バカだけど良い奴」と評しておりました。

まさに言い得て妙。


熱い情熱を持ち、男気溢れる真っすぐな性格故に度々トラブルに巻き込まれやすく、98年にスキッド・ロウを脱退した後は、ミュージカルに出演(!)したり、テレビドラマや映画に出演したりしながら、自らのバンドを率いて、地道にかつ精力的に活動しているようです。




一方スキッド・ロウは現在、何代目かのヴォーカリストを迎えて活動を続行中。色々ありましたが、皆さん頑張ってます。



みんな頑張れ。

映画『大殺陣』 昭和39年(1964)

2017-07-08 03:29:54 | 時代劇










世は徳川三代将軍家光の治世。大老・酒井忠清(大友柳太朗)は、家光の三男で「甲府宰相」と謳われる徳川綱重(可知靖之)を時期将軍に擁立し、天下を想いのままにしようと企てます。これを阻止するため、軍学者・山鹿素行(安部徹)は密かに人を集め、酒井暗殺を計画するのです……。


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昭和38年公開の映画『十三人の刺客』において、いわゆる「集団抗争時代劇」という新たなジャンルを確立させた、脚本・池上金男、監督・工藤栄一のコンビによる第二段作品。前作『十三人の刺客』においては、御大・片岡千恵蔵の下、刺客たちは一致団結して事に当たり、敵方とのスリリングな攻防が見せ場となっていましたが、同じことを二度やっても意味はない。


本作においては、刺客たちは表向き「天下万民のため」という大義名分を掲げてはいますが、その思惑はバラバラで、とても一致団結そしているなどとは言えない状態です。

主人公・神保平四郎(里見浩太朗)は、妻を殺され、平穏な生活を奪われた私怨から企てに参加するのであって、天下万民のためなどというのは二の次なんですね。他のメンバーも、日頃の恵まれない生活からくろ不平不満と、抑えきれぬ破壊衝動、暴力衝動とそれにともなう「怯え」と、そうしたものを「天下万民のため」とスローガンに無理矢理包みこんで事を行おうとしているわけです。


メンバーのまとめ役である星野友乃丞(大坂志郎)はおだやかな御家人でしたが、生活は困窮しており、妻子を満足に食べさせることも出来ない。これも御政道に過ちがあるからだと、天下万民の安寧と、御政道を糺すため企てに加担したわけですが、暗殺決行の前夜、その妻子を手にかけ、一人暗殺現場へと向かいます。

星野はこのあと、斃れるまでずっと、妻子を手にかけたことを気にし続けるんです。自分がしたことは果たして正しかったのか悩み続け、切れた草履の鼻緒を結べぬほどに手が震えているんです。


この男、本当はただ単に、生活苦から逃れたかっただけなんじゃないだろうか?死を選ぶきっかけが欲しかっただけなんじゃないだろうか?

そんなことを思わせますね。



また、メンバーの一人である日下仙之助(山本麟一)は、恐怖心から逃れるために宗教に走り、ついには摩利支天のお告げがあったと口走りはじめ、頭がおかしくなってしまう。そうして山鹿素行の姪であるみやを犯し、抵抗されるとこのみやの首を絞め、縊り殺してしまう。


他のメンバーも似たり寄ったりで、全体的に寒々とした空気が漂っている感じがします。




暗殺に参加するメンバーは上記の者達を含めて僅か六名。これでは警固の厚い酒井を討つのは難しい。そこで山鹿の立てた計画は、酒井を襲うと見せかけて、実は綱重を討つ、というものでした。


酒井が推戴する綱重を亡きものとすることで、酒井の権力基盤を奪い、失脚させようという計画でした。





この映画が製作された時期というのはちょうど安保闘争華やかなりしころでした。私はこの作品における「刺客」たちの姿に、安保反対を叫び、過激な方向に走っていった学生たちの姿がタブって見えるんです。

実際、本物の安保反対デモの音声を入れ込んでいるシーンもあって、当時の世相を相当意識していたことは確かなようです。


刺客たちの中から、弱気になって仲間を売ろうとする者がでてくると、彼らはその男を「粛清」しようとするんですね。しかし人を斬ったことがない者たちばかりだから、なかなか致命傷を与えることが出来ずに逃げられてしまう。


裏切り者には死を。有りがちな事ではありますが、これを見ておりますと、なんだか連合赤軍による集団リンチ殺人事件や、あさま山荘事件へと暴走していく彼らの姿を予見しているかのように、私には思えてならない。





さて、暴れ馬を使って綱重の行列を新吉原へと追い込み、刺客たちは一挙に斬りこんでいきます。ここには『十三人の刺客』のような練りに練った仕掛けもなにもなく、ただただ闇雲に、ほとんど自暴自棄といってもいいような突撃で、いかに不意を突いたといっても所詮は多勢に無勢、刺客たちは次々と斃されて行きます。

川の中、泥の中で展開される血みどろの闘争劇。ハンディカメラによるブレまくりの映像が、この闘争シーンの凄まじさを明確に物語っています。

主人公・神保平四郎もついに敵の刃にかかります。文字通りメッタ斬りにされ、血塗れになって死んでいく神保。


里見浩太朗先生があんな悲惨な姿に!テレビ時代劇の華麗な里見先生のイメージしかない方々には、衝撃的なシーンではないでしょうか。なかなか見られませんよ(笑)





計画失敗!九死に一生を得た綱重のもとへ、酒井大老とその腹心、北条氏長(大木実)が見舞いに訪れます。神保らの遺体を横目に、嗤いながら去って行こうとする綱重一行。


と、そこへさらなるどんでん返しが!




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『十三人の刺客』が、闘争のカタルシスを描いた傑作なら、こちらは闘争の虚しさを描いた傑作だと云っていいでしょう。



一筋縄ではいかない映画です。でも



面白い。









『大殺陣』
脚本 池上金男
音楽 鈴木静一
監督 工藤栄一

出演

里見浩太朗

大坂志郎
河原崎長一郎

三島ゆり子
赤木春恵
宗方奈美

山本麟一
成瀬昌彦
砂塚秀夫

稲葉義男

可知靖之
大木実

安部徹

大友柳太朗


平幹二朗

昭和39年 東映映画

七夕

2017-07-07 07:36:49 | 日記




私が子供の頃は、今よりもずっと星の数が多かったし、天の川のハッキリと見えたものです。


それが今では、見える星の数はぐっと減ってしまって、天の川などほとんど観る事ができませんね。




私が子供の頃に比べて、夜はすっかり「明るく」なってしまったし、大気もだいぶ汚れているのでしょう。単に私が年を取って、目が悪くなったから、というわけではありますまい(笑)



東日本大震災が発生いた日の夜。夜空の星がやけに綺麗だった、という話をよく聞きます。星の光を遮っていた地上の光が、一掃されてしまったからなのでしょうね。



なんとも、皮肉な話ではあります。






天の川の正体は星の集合です。多くの星が集まって、それが遠くから眺めると一つの河の流れのように見える。一つの流れに見えても、実は一つひとつ別々の星が集まって、それぞれに輝いている。



一つ一つ、別々の星々が、それぞれ別々に輝いていても、遠くから眺めれば、まるで一つの河のよう。これはそのまま、この世界の真理そのもの。

【一にして多、多にして一】



人間もまた同じ、一人一人は別々の人間でも、遠くから眺めれば一つの塊。



人間は一人。だけど


一人じゃない。







この度の豪雨被害に遭われた方々へ、心からのお見舞いを申し上げ、亡くなられた方々に心よりのご冥福を祈ります。


嶋田久作

2017-07-06 04:31:12 | 名バイプレーヤー










そういえばまだ、この方を紹介していませんでしたね~。



1988年公開の映画『帝都物語』(監督、実相寺昭雄)において、帝都東京を破壊せんとする魔人・加藤保憲役で映画デビュー。その特異な風貌に、「何者だこの人は!?」と異様な衝撃を受けたのを覚えています。



俳優になる前は数々の職業を転々とし、その間、佐野史郎さんのバンドでキーボードを弾いていたこともあるそうな。俳優になる直前には庭師をしておりましたが、知り合いが立ち上げた劇団「東京グランギニョール」旗揚げに誘われ、そのままなんとなく役者になってしまった。


流れに乗っかっていたらそのまま俳優になってしまったという、なんとも不思議な方ではあります。




普段はとても茫洋とした方のようで、その大きな身体に似合わず、小さな声でボソボソとしゃべる。きっと普段はとても「良い人」なのだろうなあと思わせる方ではあります。なんとも不思議な魅力のある方ですから、デビュー以来実に様々な役を演じておられ、出演作もかなり多い。なにかこう、ちょっとしたシーンに使いたくなる。このシーンにこの方がいたら面白いんじゃないかと思わせる。そんな魅力の持ち主。

まさに、名バイプレーヤーです。


最近では『シン・ゴジラ』に外務省の官僚役で出演しておられましたね。来週放送の大河ドラマ『おんな城主直虎』にも殿様役で出演するようです。なにげに売れてるんですよね~♪



この方の場合、求められているのはその「存在感」なんですよね。だからどんな役を与えられようとも、求められるのは「嶋田久作」その人そのものなんです。この特異な存在感、これこそがこの方の持ち味。

そういう意味では、役は何でもいい、ともいえる。

これは貶しているのではありません、寧ろ凄いことだと思う。なかなかいないんじゃないかな、こういう方。



稀有なる存在感俳優、嶋田久作。




まさしく、名バイプレーヤー。






映画デビュー作『帝都物語』より、帝都東京を破壊せんとする魔人・加藤保憲(嶋田久作)。

忙中

2017-07-04 12:28:52 | 日記





今月は野暮用山積で、ブログを書く暇がない……かもしれない。


まあ、忙しいのは良いことです。焦らずに、一つ一つを的確にこなしていきましょ。




忙中閑あり、ではありませんが、雨に濡れた紫陽花の花に、ふと心が和む、そんな夏の日々。


なーんつって。





【紫陽花の雨に濡れたる山路かな】

お粗末。









8月2日発売、ももいろクローバーZ最新シングル「BLAST!」のジャケット写真が解禁されました。こちらは通常版のジャケットで、初回限定版【A】及び初回限定盤【B】もそれぞれ違うデザインになってます。


なかなかカッコよさげで、良い画になってますね。発売まで一か月を切りました。さあて、どんな仕上がりになっていることやら。



ワクワクしますね♪~。



そんなわけで、今月は休みがちになるかもしれませんので、希少なる読者の皆様、その点一つ、


ご了承のほど。

URIAH HEEP [July Morning] 1971

2017-07-03 04:58:10 | 今日のメタル











おはようございます。7月の朝ということで、この曲を選んでみました。



メロディアスで静かな曲ですが、でも大音量で聴くのがもっとも相応しい曲でもありますねえ。そこがハード・ロックたる所以か。



ユーライア・ヒープはレッド・ツェッペリンやディープ・パープル、ブラック・サバスなどと並ぶ、ハード・ロックの代表的なバンドでしたが、他の三バンドに比べてなぜか今一つ知名度が低い。メンバーなど他のバンドに比べて地味だし、良いミュージシャンの集まりではありますが、ジミー・ペイジやリッチー・ブラックモア、オジー・オズボーンのようなスターがいないなど、音楽以外にこれといって話題性の無いバンドだったということは、言えるかも知れませんねえ。



このハモンド・オルガンにモーグ・シンセサイザーの音。70年代という感じがして、好きですねえ。




朝です。月曜日です。シャキッと切り替えて行きましょう。


それでは皆さん、


いってらっしゃい。

「人は誰でも光になれる。君もなれただろ?」

2017-07-02 03:48:37 | 名ゼリフ










この世の物事というのは不思議なもので、良い時と悪い時とが必ず交互にやってくるものです。ずっと良いことがいつまでも続く、なんてことはあり得ないといっていい。


良いことは悪いことの前兆であり、悪いことは良いことの前兆、であるともいえます。夏のあとには必ず秋がきて、冬に必ず至ります。しかし冬が過ぎれば春が来て、また夏がやってくる。大自然の摂理ですな。


しかし、夏は良いことばかりかというと、そんなことはないし、冬は悪いことばかりかというと、必ずしもそうとは云えない。要は気持ちの持ちようですわな。



どんな逆境にあっても、あきらめずにいれば逆転の目は必ずやってくる。最後の一厘まで、あきらめちゃいけない。


特に大人はあきらめちゃいけないんです。大人があきらめたら、次世代を託すべき子供たちが輝けない。


********************


ウルトラマンティガ第52話、『輝けるものたちへ』


暗黒の破壊神ガタノゾーアが復活し、ウルトラマンティガは敗北、石と化して海の底に沈んでしまいます。ティガ=ダイゴ隊員(長野博)の仲間たちGUTSのメンバーは、ダイゴ隊員=ティガを助けるためにあらゆる手を尽くしますが、悉く失敗、もはやこれまでかと思われた、その時、

この状況をテレビで見ていた世界中の子供たちが、ティガを助けたいという想いでひとつになったとき、子供たちが光の束となってティガのもとに参集し、この光のパワーでついにティガは復活、ガタノゾーアを倒します。


このティガの最終回、今まで何度観たことか。観るたびに子供たちが光になるシーンで泣いてしまいます(笑)素晴らしいシーンですよ、これ。


このシーンについて、大人たちが散々頑張ってダメだったのに、突然子供たちが光になってしまったのでは、大人たちの頑張りが無駄になってしまうではないか、と否定的な意見もあるようですが、それは逆です。子供たちは大人の頑張りを見ていたからこそ、自分たちも何とかしなくちゃいけないと思ったんです。自分たちが大好きなティガをなんとか助けなきゃいけない、そう思った。

大人たちの頑張りが、世界中の子供たちの想いを一つにし、そして子供たちは光となった。


私はそう思う。






ガタノゾーアを倒したあと、ティガはダイゴ隊員に戻り、恋人のレナ隊員(吉本多香美)と再会します。ダイゴの手の中で、変身用具のスパークレンスが砂になって消えて行きます。

レナ「もう、ウルトラマンにはなれないね」

ダイゴ「人は誰でも光になれる。君もなれただろ?」





人の本質は光。光はどんな闇も切り裂く。だからどんな逆境にあっても、最後の一厘まであきらめちゃいけない。


あきらめたら、次世代の光、子供たちを輝かせることができません。

子供たちのためにも、我々大人はあきらめちゃいけないんです。


たとえ一度は大敗し逆境に追い込まれたとしても、次の目は必ずある。


最後の一厘まで、あきらめるな!



人は誰でも光、光を信じて進み続けろ!


エンタメ、特に特撮モノには予言書的な側面があると、私は思っています。この世界は死地のギリギリまで追い込まれても、子供たち、というか若い人たちによって逆転できるかもしれない。

ウルトラマンティガ放送より今年で21年。ティガを見ていた子供たちの世代はちょうど、次世代を担うべき若者に成長しています。面白いですね(笑)


さあて、これからどうなるか、まだまだ先は分からない。


あきらめちゃあ、ダメですよ。





ウルトラマンティガ主題歌 V6「TAKE ME HIGHER」

映画『ゲソラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』 昭和45年(1970)

2017-07-01 13:50:00 | 特撮映画











冒頭のロケット発射シーンから、力の籠った特撮シーンが展開されて、ミニチュア特撮好きとしては、なかなか好感の持てる滑り出しです。

このシーンはアポロの打ち上げシーンをかなり研究しているようですね。カメラアングルとか、本物のロケット打ち上げ映像を相当意識してます。





さて、この作品が公開された1970年、特撮の「神様」と謳われた巨星、円谷英二氏が逝去されました。これを機に東宝特殊技術課も廃止されることが決定します。ですからこの作品は、東宝のみのスタッフで制作された最後の特撮映画ということになります。



特殊技術を担当したのは、円谷英二氏の愛弟子・有川貞昌氏。栄光ある東宝特撮の落日を前に、「これが東宝特撮だ!」という想いを込めた、実に力の籠った映像に仕上がっていると思います。

本編の監督は本多猪四郎。さすがの腕前でこの難のあるストーリーを上手くまとめ上げています。出演は久保明。土屋嘉男に佐原健二といった、東宝特撮の常連の皆さん。




ストーリーとしては正直、疑問点が多いです。冒頭のロケットに宇宙空間で霧状の生物が憑りつき、地球へ戻ってくるのですが、なぜか誰にも気づかれず、南海の孤島の側に落下するわけです。この霧状の生物というのが、実は地球征服をたくらむ宇宙人。でもなぜか島民が20人しかいない南洋の孤島で、イカに憑りついてゲソラになったり、カニに憑りついてガニメになったり、亀に憑りついてカメーバになったりして、島民と偶々調査にきていた日本人一行を驚かせるわけですが、


なにやってんだろうね?この宇宙人?


こんな島の島民を驚かせていないで、もっと人のいるところにいって、とっとと征服計画進めろよ!なにチマチマやってんだよ!……って感じです。



で、島にいた日本人科学者(土屋嘉男)に弱点は超音波だと見破られ、コウモリの群れが放つ超音波に怪獣たちが狂ってコントロールが効かなくなり、怪獣同士が大乱闘!ついには火山の噴火口に落ちて消滅。最後に人間(佐原健二)に憑りついたものの、佐原さんの意志に負けてしまい、佐原さんは自ら火口に身を投げ、ここに敢え無く宇宙人の計画は失敗に終わるのです。ジャンジャン!



う~ん、なんだろうこれ?あまりにこじんまりとし過ぎていますね。まあ時期が時期ですから、あんまり製作費がかけられないということで、設定を南洋の島にして、登場人物を少なくして、特撮もビルとか色々細かいものが必要ない分安く上がる、ということだったのでしょうね。う~ん、なんとも……。




ただ特撮ショットは何度も言いますが力がこもってます。怪獣の着ぐるみも工夫を凝らしていて、ゲソラなどはイカなのに地上に上がってきて暴れまわるのですが、十本の足で人間の足が入っている部分を上手く隠してる。ただ動き方が明らかに二足歩行なので、その辺はやはり、限界といえば限界ではあります。



それでもやはり、着ぐるみ&ミニチュアによる特撮は楽しいものだと思いますねえ。こういう職人芸、特に映画における職人芸というのは、技術の発達とともに廃れていくものが多い。そうやって消えていった芸も沢山あります。特撮に関わる職人芸だけでも、マット画を描く専門の職人さんとか、フィルム合成のいわゆる「生処理」を行う職人さんとか、もう消えてしまいましたからねえ。


こんな風にして、着ぐるみ&ミニチュア特撮も廃れていくのだろうか?なんてことを考えると寂しいですが、なんでもかんでもCGですませるというのは、なんとも


つまらん!!




しかしCG一遍当になるというということは、当分あるまいよ。着ぐるみにしても特殊メイクなどとの絡みでまだまだ需要はあるわけで、その発展形としての着ぐるみ怪獣というのも、まだまだ必要だ。


なんでもかんでもデジタルがいいのか?いや、人間というのはどこかで、生のぬくもり、アナログなぬくもりを求めているものだ。

近年では、CDの発展とともに消えて行こうとしていたアナログのレコード盤の需要が増えていると聞きます。かつてCDが出始めた頃に、「これでレコード盤は消えるね」などと嘯いた連中はごまんといたことでしょうが、ところがあにはからんやで、特に若い人たちの間で、アナログのレコード盤が持つ生の音の温かみに魅力を覚える方々が多いらしい。

なんでもかんでもコンピュータ、なんでもかんでもデジタル。それでいいんかい!?いいや、そうはいかないよ!!


確かにCGの需要はこれから益々伸びていくでしょう。しかし着ぐるみ&ミニチュア特撮が、完全に無くなってしまうということはないんじゃなかろうか。

いや、ないと信じる!




人が人の手で作り上げたものを、


舐めちゃアいけねえ。


そんな風に思わせてくれた映画でした。









『ゲソラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』
制作 田中友幸
   田中文雄
脚本 小川英
音楽 伊福部昭
特殊技術 有川貞昌
監督 本多猪四郎

出演

久保明

高橋厚子
小林夕岐子

藤木悠
中村哲
堺佐千夫

佐原健二

土屋嘉男

昭和45年 東宝映画