風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

芸能人は「商品」か「人間」か ②

2019-07-29 04:43:07 | 雑論

 

 

 

 

 

日本の現代の芸能を語る上で外せないのが、日本独自の「アイドル文化」です。この独自の文化は日本の芸能事務所のスタイルあってこそ生まれたものといっていい。

 

海のものとも山のものともわからない子供たち、少年少女たちをゼロからレッスンし、スターへと育てていく。前回の記事で紹介したようなすべての権能を一つの事務所が有しているからこそできたこと。日本的な芸能事務所の形態なしには、このような文化は生まれ得なかった。

日本的な芸能事務所のスタイルがなければ、ももクロは生まれ得なかったわけで、そういう意味では日本の事務所様様ではあるわけですが、

 

しかし一方では、所属タレントに対する支配力が巨大化し、ジャニーズ事務所や吉本興業のような問題を引き起こす元となっているのも事実。

 

 

いずれにしろ、今は変革の過渡期が来ていると思う。一つの参考として、ハリウッドスタイルを学んでみるのもいいかもしれませんね。

 

では、簡単に

 

 

 

【エージェント】

長期的な視点からタレントのキャリア設定を考慮しつつ、オーディションの情報を収集し、出演契約のギャラの交渉をタレントの代理人として行う。

 

【マネージャー】

プロデューサーやスタジオとの連絡係であり、タレントが仕事を続けていく上で必要なことを忠告するなど、タレントの個人的な支援者のような役割。ちなみにタレントの身の周りの世話などの雑用を行うのは、マネージャーではなくアシスタント。

 

【バブリシスト】

タレントの広報担当者。取材時のタレントの発言をコントロールし、タレントの注目度が高まるようメディアに求める仕事を行う。

 

アメリカでタレント活動をするにはまず、エージェントと契約しなければなりません。新人は小さい規模の仕事を扱うエージェントとまず契約し、仕事の幅が広がってくる、大きな仕事がくるようになるにつれて、大きな仕事を扱えるエージェントへと移っていきます。その過程で、気に入らないエージェント、思うような仕事を持ってこないエージェントとは息契約解除して、他のエージェントに移籍することは全くの自由です。

このエージェントは日本の芸能事務所とは全く異なっています。日本ではタレントは「所有物」ですが、アメリカのエージェントにとってタレントは、先述したように「お客様」。主体はあくまでタレントの側にある。

 

また、ハリウッドのあるカリフォルニアの州法には、タレントの権利を守るために特化した法律が存在します。

タレント・エージェンシー法と呼ばれるこの法律は、非倫理的なビジネスマンからタレントを擁護するために制定された法律で、例えばエージェントになるためのライセンス制度を設け、ライセンスを持たないものはエージェントの仕事ができない。しかもこのライセンスは毎年の更新が義務づけられている、かなり厳しいものになっています。

エージェントは「善い道徳人」であることが常に求められます。これはタレントとの間に不公正な契約を結ぶことを防ぐという目的があるようです。例えば新人タレントと契約する場合など、まだ若くて世間知らずで芸能界に憧れる若者など、誑かそうと思えば簡単に誑かせるわけです。そうして事務所に有利で不公正な契約を結ばせ、タレントをがんじがらめにする。日本の芸能事務所がよくやるパターンですね。

 

ハリウッドではこうしたことが起こらないように、法律という「第三者」の介入により、タレントの権利や活動が守られているんです。

 

日本とはエライ違いですね。

 

こうした法律がありますから、日本の吉本興業みたいに「ギャラの元手が明かされない」だとか「契約書がない」なんてことはあり得ないわけですね。

 

 

アメリカの場合、100年近くもかけて権利を勝ち取るための戦いを続けてきたという経緯があります。ここまで整備させるまでには実に長い年月がかかっています。だから日本に於いても、一朝一夕に変えるなんてことは不可能。時間はかかるでしょう。

 

それでも、時代は変革の時を迎えています。芸能界も変わらなければ、未来はないと思うべき。

 

個人事業主としての自覚をしっかりと持ち、自分たちは「モノ」じゃない、「人間」だ!と声をあげること。

 

 

まずはユニオン、組合を、それも芸能界全体をカヴァーできるような、大きな組合を立ち上げること、ですが、

 

さあて、出来ます事やら……。

 

 

 

 

参考文献

『芸能人はなぜ干されるのか 芸能界独占禁止法違反』

星野陽平著 鹿砦社


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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (チャメゴン)
2019-07-29 23:43:38
アメリカと日本とのあまりにも大きな違いに愕然としますが、変わっていく兆しはありますね。
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Unknown (玲玲)
2019-07-30 08:24:52
権利や倫理を守ることはアメリカは先に行ってますね。ただ訴訟社会の弊害もあるかもですが。

日本は相撲界を始め、やっぱり体質が古かったり、申し訳ないが男性的な保守、前例を重視してしまうことが多過ぎると感じています。

スタダに関してですが、スタプラを立ち上げたことにより、アイドル部門のみで売り上げを上げなくてはならなくなったそうです。今までは研究生的な位置の子はアイドルか女優かなど、選ばずにいた、もちろんその部門もあるみたいですが、スタプラに入ったらアイドルを目指す、そうです。
ももクロの情報が追えないぐらい、しまむらとかのコラボが増えたことは、妹分たち含めてももクロがアイドル部門の子を食わして行く?しかない、嫌な言い方ですが、それで働き過ぎ?と言うようなスケジュールみたい。
それでちょうどよく、去年3bも解体、最後ってことで集金が出来たかもしれない、そんな風に感じているオタ達は多数います。

ただ、スタダは地下アイドルその他にある体を使って云々のことは守られているし、その中でも、商品としてでもなく、私達お客全てに最良のパフォーマンスすることをするアイドルに涙してしまう。

アイドル以外でも、活動の権利がもっと守られたり、表現する自由があるといいな、って思います。

そういやだいぶ昔にアメリカの高校生のバスケットボールの試合でもチケット売って観戦させる話聞いたけど(本当か分からない)商品って訳じゃなくて全ての表現にお金という敬意を払うって意味だろうな。
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Unknown (薫風亭奥大道)
2019-07-30 11:29:11
チャメさん、一つの参考にはなると思う。
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Unknown (薫風亭奥大道)
2019-07-30 11:40:09
玲さん、スタプラが出来てから、ももクロのころのような自由さというか、そういうのが保たれていないんじゃないかと、なんとなく危惧はしていたんです。なんかね、ももクロの妹たちでも、エビ中やしゃち、たこ虹ちゃんあたりまでと、それ以降の子たちとではなんとなくノリが違う感じがしてた。
まあでも、スタダは日本の芸能事務所としてはまだましなんだろうね。それはももクロをみていればなんとなくわかる。
そうか、3b解体したのか。栗は辞めたんだっけ?愛来はどこかのグループに入ってたよね。はちロケがなくなって、ボルトだっけ?小学生のメンバーが入って、しかもその小学生が生まれた時にはすでにももクロが結成されていたという(笑)時代は巡るね。
みんなみんな、がんばって欲しいです。
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Unknown (玲玲)
2019-07-31 23:23:08
3bが無くなる時にアイドル志望の子、5人で出来たグループがアメフラっシ、愛来がいます。
栗は大学進学を選びました。3b辞めたけど、twitterやインスタやってる子の中の写真にたまに元気でいる姿が見れたり。
はちロケはまだそのまま活動していて、ロッカジャポニカがなくなり、ボルト。

なんて言うんだろう、アイドル戦国時代、集客する層をドルオタ、もしくはモノノフから、と元々スタダのアイドルの情報を流しやすいところに絞ってしまったんです。
妹分達、もしくは他のアイドルグループも。

一時期、埋めよう1,000人とか、ライブハウス指定して、そこにそれだけの人数集めるぞ、ってことをどのグループもしていました。
ファンであるオタクに、友達連れてきたらこんな特典がありますよ、とオタクにお客を連れてこさせるようにやり方だったんです。
それじゃ、数少ないオタク層で、お客を奪い合ってるだけだし、元々推しのグループにお金をかけてる人たちなので、そんなに気に入らなきゃ行かないだろうし、その為にチケ代タダでいいから、来てみたいになっては全く有り難みがないと言うか。
↓下は分かりやすいのでこんな感じのブログありました。

https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/lb-shizuoka/entry-12277481227.html

ももクロは、誰かお客さんを指定して全国行脚をした訳じゃない、自分達を見てくれるか分からないけど、それでも笑顔でパフォーマンスしよう、その懸命さが元々アイドルオタクでも無い人たちまで取り込んで大きくなった。

アイドルが好きなんじゃない、ももクロが好きなんだ!って言葉に表されるように。

それは自然な流れでしたが、妹分のグループ増やして、それにアイドル戦国時代加わって、目先の集客だけで結果を出そうとしている?もしくは集金活動(チェキや特典会とか?)音楽や活動そのものから離れちゃったんですよね。

だから、逆にももクロにはなんとかこのモヤモヤを打ち破ってほしいんですが、もうCDセールスとかじゃなくて心の時代だから。
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