風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

ドラマ『荒神』 2018

2020-06-30 12:20:47 | 時代劇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

荒神とは竈の神、火の神などとされ、スサノオとの関連指摘される神ですが、このドラマの荒神はそれらとは一切関係がない。

 

何故『荒神』というタイトルなのか、説明がないままドラマは進んでいく。全編そんな調子で物語は進み、結局よくわからないまま終わる。

 

作中では「つちみかどさま」あるいは単に「怪物」と呼ばれる存在は、どうやら土着信仰と融合した陰陽道を司る、零落した陰陽師一族の呪いによって生み出されたものらしい。物語はこの怪物を軸として、人間の業や血の因縁などが複雑に絡みあった重厚で奥深いドラマ、だったはず

なのだが

残念ながらそうなりえていない。

宮部みゆきの原作はめっちゃ長い。この長い物語を100分程度にまとめるなど土台無理がある。結果ドラマは原作の上っ面をなぞっただけの、ダイジェスト的な感じになってしまった。

 

これでは内容がわかるわけがない。

 

いっそのこと『精霊の守り人』みたいに連続ドラマにすればよかったのだ。それくらいしなければ、

このドラマは伝わらないよ。

 

時代劇と怪獣モノの融合ということで、どんなものかずっと気になっていたドラマでしたが、結局消化不良で終わってしまった。

 

残念。

 

怪獣の描写の仕方は必ずしも悪くはない。巨大なガマガエルと目目連が合体したような姿は、怖いようでいてどこかユーモラス。古き良き日本の怪獣を彷彿とさせ、なかなか良い。その怪獣が砦を破壊するシーン。

 

どしんどしんという音と共に砦全体が揺れ、窓の外に巨大な影が迫る。窓を開けると、そこには怪物の目が!

 

怪物の全体像は見せず、砦が破壊されていくところだけ見せていく手法は、このての作品の王道。ゴジラでもジョーズでもジュラシックパークでも採られていた手法。

王道は好きなので、ここは好感のもてるシーンでしたね。

 

怪物が村を襲うシーン。ドローンを使ったりと動きのある画で悪くはなかったですが、惜しむらくはなぎ倒された作物の描写がなかったこと。建物は破壊されているのに、踏みつぶしたはずの作物が、何事もなかったように青々と実ったままなのはおかしい。こういう点が中途半端なんですよねえ。

 

ラストシーンはスペクタクル性に欠け、抒情性としてもやはり中途半端感は拭えない。どこまで行っても消化不良、もうちょっとなんとかならなかったものか。

 

返す返すも残念。

 

 

 

 


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