これを観て、のんちゃんのファンにならない人はどうかしてます(笑)
それほどに、のんちゃんの魅力が溢れまくってる。
大九明子監督の演出は、人間の中にある、とてもドロドロしたネガティブな部分を真っ正面から描きながらも、その視点は優しい。ユーモラスで、そのネガティブさも寧ろ「愛おしく」感じられる演出であり、のんちゃんはその大九演出に乗っかって、実に生き生きと飛び回っている印象。
一言で言って、可愛いのです(笑)
この可愛いらしさは、女性にも共感できるんじゃないかと思う。
温泉場で見かけた「セクハラ」行為に、激しい怒りを爆発させるシーン。それは単にセクハラというだけではなく、自分が好きなもの、大事にしていたものを「穢された」という激しい嫌悪感を伴っているんですね。
この「穢された」という嫌悪感。これは男の私にもよく分かる。私もこういう時は激しく爆発してしまう。
でもその怒りは、最終的には自分自身に向けられていく。自分がかつて行った「穢い」行為、「穢い」思考を思い出し、自分自身を攻撃し、傷つける方向に向かってしまう。
大九監督はそんな人間のどうしようもないネガティブな側面を、とても「愛おしく」見せてくれる。そうした面も全部ひっくるめて、
それでいいじゃないか。
それが「人間」じゃないか、と。
「親友」橋本愛との微妙な距離感が縮まっていくほっこり感もいいし、「おひとりさま」といっていますが、親友もいるし、良い先輩もいて、人間関係にはそれなりに恵まれている。支えてくれている人たちは確実にいる。そういう意味では、
本当に「孤独」な人間など、実はいないのかもね。
相手役の林遣都もいいですね。こちらもまたひと言で言って
可愛い(笑)
このお二方をキャスティング出来た時点で、この映画は半分以上成功してます。
「おひとりさま」を続けるもよし、「おひとりさま」でなくなるもよし。どんな生き方であれ、
堂々と生きて行けばいい。
ポジティブ、ネガティブ。綺麗な面、穢い面。その全てをひっくるめて一人の人間。
それでいいのだ。
人間というものを「愛おしく」感じさせてくれる
そんな映画です。
なるべくネタバレなしで書いたつもりですが、いかがでしょう?(笑)
『私をくいとめて』
原作 綿矢りさ
挿入歌「君は天然色」大滝詠一
脚本・監督 大九明子
出演
のん
林遣都
臼田あさ美
若林拓也
前野朋哉
山田真歩
後藤ユウミ
岡野陽一
吉住
片桐はいり
橋本愛
中村倫也
令和2年 日活配給
のんちゃんと、林遣都くんが出ているだけで大成功ですよね〜、わかる〜!!
脳内相談役Aって、、、もしかして、かお、、、!?