原題は[Return Of The Jedi]つまり「ジェダイの帰還」なんです。ですから現在巷に出回っているDVD等はすべて「ジェダイの帰還」で統一されています。
確かに、ジェダイに「復讐」は似合わないというのはよくわかる。よくわかるけれども、私としてはやはり、馴染みの深い「ジェダイの復讐」でここは通したい。
ということで、よろしく。
前作「帝国の逆襲」で、思いっきり緊迫感を漂わせておきながら、本作では一転してひたすら大団円に向かって突っ走る。
前作でほのめかされた謎も、実にあっさり明かされる。
「ヴェイダーは父ですか?」
「そうじゃ」
「レイアは妹ですか?」
「よく見抜いたな」
……って、おいおい。
あんまりあっさりし過ぎて、びっくりポンです(笑)
そのせいか、ドラマ部分は平板で今一つ面白みに欠ける。まあでも、アクションや特撮はよくできており、SF特撮アクション映画としては、まあ、及第点でしょう。
印象的だったのは、冒頭のハン・ソロ(ハリソン・フォード)救出譚。悪党ジャバ・ザ・ハット相手に、ルーク(マーク・ハミル)は平和的な交渉から始めつつも、要所に人員を配置して、いつでも攻撃に転じられるよう、備えは万全にしてある。これぞ正義の王道!
これぞジェダイ!
やはり正義のヒーローはまず、平和的にいかなきゃね。いきなり攻撃しちゃだめよ。
外交も国防も、これが基本だよねえ…おっと政治的発言はNGね(笑)
ジャバ・ザ・ハットと囚われのレイア(キャリー・フィッシャー)
帝国皇帝パルパティーン(イアン・マクダーミド)はルークをダーク・サイドに引き入れようと画策、自らを囮として反乱軍を森の月エンドア周辺におびき寄せます。
このエンドアの住人達、イォーク族。なんというか、二足歩行のコアラみたいな一族で、いかにも幼児受けを狙った感じが、最初の頃は鼻についてイヤでしたね。今は慣れましたけど。
このエンドアで、地上と宇宙空間とデス・スター内部で繰り広げられる三つ巴の戦い。ここからの怒涛の展開は見事です。特に宇宙戦のシーンは、CG全盛の現在にあっても未だに超えられていないと確信します。
やっぱりね、アイデアなんですよ、技術云々ではなくて。どういう画を見せたいかというアイデアの部分で、未だこれを超えているものはないと断言しておきます。
皇帝は反乱軍を罠に嵌め、ルークを動揺させて怒りと憎しみの感情を呼び起こさせて、ダーク・サイドに引き入れようと画策します。
ルークは父親であるダース・ヴェイダーをダーク・サイドから救い出そうと、自ら投降、皇帝と対峙します。そこでヴェイダーに、レイアが妹であることを気づかれてしまう。
ルークがいなくてもレイアがいる。このヴェイダーの発言に思わず激怒してしまったルークは、ヴェイダーをライト・セイバーで打ち倒し、あわや殺害寸前まで追い詰めます。
喜ぶ皇帝、さあヴェイダーを殺せ!そうして私の僕となれ、と誘う皇帝。
我に帰ったルークはライト・セイバーを捨て、これを拒否。これをみた皇帝は、ならば死ね!と、自らの指先からルークに向けて電撃を発射します。
苦しむルーク。「父さん、助けて!」
このルークの苦しみを見て、ダース・ヴェイダーは皇帝を抱え上げると、プラットフォームから皇帝を遥か下へと突き落とします。
自らの電撃に打たれ、断末魔の声を上げながら落ちていく皇帝。
思えば、アナキンがダーク・サイドへと堕ちたのは、妻の命を救いたい、生まれ来る子供を守りたいという思いが最後のひと押しでした。
アナキンの「家族」というものへの執着は相当に強かったわけだし、だからこそヴェイダーは「帝国の逆襲」において、ルークに父であることを告白し、共に進もうと誘ったわけだし、ルークを殺しきれなかったわけです。
その家族というものへの強い「想い」が、アナキンをダーク・サイドへと堕としめ、そしてまた
救い出した。
人間ってのは、「想い」次第ですなあ。
皇帝死すの報に沸き返る銀河。
ここに帝国は滅び、銀河に再び平和が訪れたのです。
大団円。