大前研一のニュースのポイント

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政府はオウム真理教の事件をもっと深刻に受け止めて、原因追求すべし

2011年12月06日 | ニュースの視点
地下鉄サリン事件で殺人罪などに問われて1、2審で死刑とされ、オウム真理教事件の刑事裁判で最後の被告となった元幹部遠藤誠一被告の上告審判決で、最高裁第1小法廷は21日、被告側の上告を棄却した。これにより、松本智津夫死刑囚らに続く13人目の死刑が確定し、95年3月の教団への強制捜査から16年8カ月を経て、一連の裁判が事実上全て終結する。

日本では一連のオウム真理教関連の事件について、「この件の殺人、あの件の殺人」というように個々の事件を扱っているが、私は「オウム真理教=国家転覆を企んだテロリスト集団」という捉え方をするべきだと思っている。

実際、米国ではそのような認識のもと、未だにオウム真理教に関して研究が続いている。
オウム真理教とは宗教の名を借りたテロリスト集団だったのだ。彼らが引き起こした事件は、死傷者数も多い凶悪な事件であり、明らかに国家転覆を狙った世界的に見ても例がない事件だと言えると思っている。

あの地下鉄サリン事件が発生した95年、私は東京都知事選挙に立候補していた。その際、「都知事候補もオウム真理教の標的に入っているから注意してください」とその筋から警告を受けていた。実際、私はガードマンを雇って1年間防弾チョッキを着て過ごした。そのくらいオウム真理教については「リアル」な体験をした。

今回の判決で、殆どの主犯格の人物の死刑が確定した。しかし、これで一件落着ではない。残党が同じようなことを起こさない様に、そして二度と同じようなことが起きないように政府には徹底的に原因究明をしてもらいたいと思っている。

政府はもっと深刻に「なぜオウム真理教のような集団が生まれてしまったのか?」という原因を分析し、「結果として彼らの事件を許容してしまった日本の警察にぬかりはなかったのか?」という点を突き詰める必要があると思っている。国家・社会に対する脅威の芽を摘むためには、もっともっと掘り下げて欲しいと私は感じている。

3 コメント

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Unknown (Unknown)
2011-12-13 11:51:36
話は違うが、死刑制度は今後もぜひ存続してもらいたい。

亀井静香議員の主張は聞くに値するが、反対派意見の大多数は寝言戯言だ。
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Unknown (Unknown)
2011-12-22 10:18:54
>政府はもっと深刻に「なぜオウム真理教のような集団が生まれてしまったのか?」という原因を分析し、「結果として彼らの事件を許容してしまった日本の警察にぬかりはなかったのか?」という点を突き詰める必要があると思っている。

北朝鮮+統一教会+公安
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Unknown (Unknown)
2012-01-04 13:30:50
オウムの役割を、幸福が継いでいるのでしょうか。
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