大前研一のニュースのポイント

世界的な経営コンサルティング 大前研一氏が日本と世界のニュースを解説します。

東京で標準時間を2時間早めるのは、物理的に難しい

2013年05月31日 | ニュースの視点
東京都の猪瀬直樹知事は「日本の標準時間を2時間早める」という構想を発表した。22日の産業競争力会議で、無駄にしていた日照時間を有効活用でき、消費電力が抑制できること、明るい時間に仕事が終わり、アフターファイブ需要が生じるなどと利点を強調したとのことだ。 都知事として産業競争力会議で何かしらの提言をしようと試みた、という点では評価できるが、現実的には難しいと言わざるを得ない。 私は以前、北海道に . . . 本文を読む

シャープの再建に必要なこと/ソニーは事業分離提案を受け入れない

2013年05月24日 | ニュースの視点
シャープは13日、高橋興三代表取締役副社長執行役員が6月下旬に社長に昇格する人事を固めた。同社は2013年3月期まで2期連続の巨額の最終赤字を計上した。主力取引銀行から追加支援を受けることも決まっており、経営体制の刷新で再建を急ぐ考えだ。 率直に言って、お家騒動で揉めている現状を考えると、副社長が昇格する人事では再建することは難しいと思う。日産をV字回復させたカルロス・ゴーン氏のように、お家騒動 . . . 本文を読む

維新の会の賞味期限は必然、民主党の空中分解

2013年05月17日 | ニュースの視点
日本維新の会の石原共同代表は、7日「党の旬が過ぎ、賞味期限が近づきつつある」として共同代表を務める大阪橋下市長の参院選への出馬論を唱えた。橋下氏は(国会議員と自治体首長を)兼職できるなら挑戦もあり得るが、市長を辞職することはできない」と出馬に慎重な姿勢を示している。 私は石原氏の発言は非常に無責任だと思う。橋下氏は出馬するべきではない。もし参院選に出馬すれば、せっかく進めている大阪都構想が無駄に . . . 本文を読む

第9条の改正には、日本の冷静な判断能力が問われる

2013年05月10日 | ニュースの視点
日本経済新聞社とテレビ東京は共同で世論調査を実施し、夏の参院選の争点に浮上している憲法改正への有権者の意識を探った。現行憲法を「改正すべきだ」との回答は56%に上り、「現在のままでよい」の28%を上回った。現状維持が3割を下回ったのは2005年の調査以来8年ぶりとのことだ。 マスコミは否定的だったが、以前から私は憲法改正が参議院選挙の争点になると述べていた。現在の世論では、「第96条だけ変えるの . . . 本文を読む

日産はゴーン氏と袂を分かつか逆買収せよ/ヤクルトはTOBの危険性が大

2013年05月03日 | ニュースの視点
日産・ルノー連合のカルロス・ゴーンCEOは、先月13日、「夏までにルノーの工場で日産車を生産する計画を発表できるだろう」との見通しを示した。現在、両社の業績格差は広がっているが、フランス政府も日産がルノーを手助けするのは当然とコメントするなど圧力を強めており、負担を強いられる日産社内からはルノーへの出資比率を引き下げる議論も出始めたということだ。  これは非常におかしな話だと思う。ルノ . . . 本文を読む