長篠落武者日記

長篠の落武者となった城オタクによるブログです。

城を巡るといふこと① ~天守萌え~

2012年01月16日 | 山城を巡るといふこと
 城を巡る、という中にもさまざまなタイプがいます。
 そんなタイプを私なりに分類してみました。
 まずは最もポピュラーなタイプ『天守萌え』です。



 このタイプは城好きの基本型。典型的な城好きといえます。
 一般に「城=天守」と広く認知されていることもあり、城を愛する人々は、まずここから入っていくことでしょう。しかしながら、天守にはさまざまな意匠・工夫が凝らされており、嵌ってしまうとなかなかに奥が深く、まるで城を攻めている兵士のように困惑することでしょう。そして抜け出せない永遠の迷宮となっていることに気が付き、その時、我々は呆然とするのです。
 
 石垣、石落とし、狭間、瓦、壁面、破風、望楼型、層塔型・・・。

 このように、単に天守を見ることが好きという初期型の天守萌えから、いにしえ人の考え方を理解し、共感するという重症型天守萌えに進行することもある、実は奥が深い類型なのです。

 なお、先に述べた一般に広く流布されている「城=天守」という概念が「城好き=天守萌え」しかいない、と城に理解の無い人から誤解される弊害も産んでいます。実は城の何に萌えるかは様々な類型があるため、上記のような固定観念が、多様に存在している城好きを理解する上で大きな障害となっている面も否定できません。この誤解を解く為には、「城は天守だけではない」という事を一般に認識して貰う啓発が、今後ますます重要になることでしょう。

 人々を畏怖させ、また、憧憬の対象となった権力の象徴「天守」。

 天守は多くの城好きにとって、永遠の恋人として存在し続けることでしょう。そういう意味では、どんな城好きでも多かれ少なかれ「天守萌え」なのです。

 なお、亜種として「天守燃え萌え」があり、落城するシーンを思い描いて興奮するという、背徳の喜びに打ち震える人もいますが、文化財保護のためくれぐれも思い描くだけにしてください。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。