入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’19年「春」 (71)

2019年05月21日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

           「5月の朝」               Photo by Ume氏(タイトルも)
 
 昼ごろには回復するという天気予報を信じて来た。こういう天気で一番気になるのが土砂崩れと倒木だが、山室川の第2堰堤を少し過ぎた所で1本の落葉松が道を塞いでいたくらいで大事無かった。幸い根が浅く、伐らずに処理できた。心配していた崩落個所も通過に支障はなかった。ただそれでも、側溝に崩れ落ちた岩は放置できない状況にまでなっている。
 この雨で散ってしまうと案じた山桜、まだ健気にも耐えていた。また、キャンプ場の愛想のないコナシの木にも緑の色が加わり始めたから、やがて蕾が膨らみ、撮影会のころには白い花を咲かせるだろう。上って来る時、第1堰堤のヤマナシはすでに白い花に覆われて周囲の森の中で目立っていた。こっちの方が牧場でもコナシよりか先になる。この雨で草地も、鮮やかな緑の原へと変わっていくようだ。
 
 こんな天気で、きょうのUme氏の写真を使わせてもらうのはいささか躊躇した。それでも季節はどんどんと進む。この1枚を置いてきぼりにさせるわけにはいかない。それに、天気は良くなるだろうという期待もある。
 これは入笠山々頂付近からさらに100メートルほど上空より撮影されたものだそうだ。遠くに残雪を被った中央アルプス、そして伊那の谷が見え、中央は第1牧区の一部と鹿嶺高原まで続く尾根、雲にはブロッケンが写っている。よく見ると、管理棟の前にある小屋も見える。
 ブロッケンか、懐かしい。記憶にあるのは冬の西穂で、風が強く、気温も低く、カメラは機能しなかった。単独だったが、ということは、あのころにはもうNもHも山から遠ざかっていたのだろうか。恐らくそうだろう、西穂高は、一人で上高地へ遊びに行ったそのついでだったはずから。

 6月初旬に予定している撮影会の詳細については5月16日、No.66のブログをご覧ください。写生、探鳥も大歓迎です。
 営業案内 「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」およびその(2)です。下線部をクリックしてご覧の上、どうぞご利用ください。





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     ’19年「春」 (70)

2019年05月20日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

           「満月沈む」                Photo by Ume氏(タイトルも)

 寒い。桜の花が震えている。気温は10度しかない。朝のうちはよく晴れていたが、今は青空も見えず、権兵衛山は見えているのに電波塔は霧の中、こんな風景は初めて目にする。



 きょうの「毎日新聞「」1面には、令和になって初の満月が槍ヶ岳の背後に沈もうとする写真を掲載し、「真珠のランデブー」という題名を付している。何でも、「富士山山頂に満月がかかる場面を『パール富士』と呼ぶのにならい、『パール槍ヶ岳』とも言われている」だと。ふーん、初耳だ。
 別段、令和最初の満月がどうだというのだろう。こんな調子で、「令和初」が今後も続くのだろうか。止めてくれだ。「真珠のランデブー」も野生化した牛守の趣味と感覚には全く合わない。「真珠の首飾り」という絵なら知っているが、そもそも「ランデブー」はAとBが出会うという意味で、満月と槍ヶ岳が出会ったと言いたいのなら、この題名も気に入らない。安易におかしなカタカナ語を使う気持ちが理解できない。



 いやいや天下の三大紙の一つに物申してしまったが、きょうのUme氏の西駒が岳、その前岳と中岳の間に乗っかった満月をご覧じろ。氏が昨日の朝3時起きをしてモノした貴重な1枚だ。もちろんUme氏の作品の方が良いと断言してしまう。子供でも知っている富士山や槍ヶ岳などに力を借りずとも、こういう写真が撮れるのだから。明日のUme氏のPHにもご期待を。これも凄い。

 昨夜KM子夫妻が来てくれたが、すでに酩酊の域にあり、何のおかまいもできず失礼しました。オカザキ殿、了解しました。

 6月初旬に予定している撮影会の詳細については5月16日、No.66のブログをご覧ください。写生、探鳥も大歓迎です。
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     ’19年「春」 (69)

2019年05月19日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 もう一押し、と言った感じか。日毎に木々の緑の色が濃くなっていくのを眺めながらの感想だが、鳥の声もよく聞こえてくるし、春の山の舞台は今は山桜が主役を張っている。そのうち落葉松、白樺、そして真っ白いコナシの花と続き、クリンソウ、レンゲツツジも見逃せない。
 きょうの写真、左手は山桜だが、慎み深いこの花は可憐な姿を写真には見せてくれなかった。その分、遠くの新緑の淡い色合いがそれなりに分かるかも知れない。いやいや、そんなことまで意図して撮ったわけではないが。





 第4牧区にある電気牧柵の立ち上げのため、また小入笠まで登った。前回の続きだが、冬季急斜面にある支柱は雪によってへし折られてしまうので晩秋、降雪の前に抜いておく。そしてこの季節になって、また1本1本打ち込んでいくわけだが、気休めになるのがここからの眺め。前回は早過ぎたが、今回は山桜の古木が花を咲かせ、迎えてくれた。
 3枚目の写真、背景は中央アルプスだが、ご覧のようにまだ残雪がかなりあり、そのせいで真っ青な空とあいまって、明るいこの季節らしい山の雰囲気が伝わってくる。ここ何日か好天が続くわりに、きょうも空は澄みわたっている。牧草はやはり少し遅れ気味の気がする。

 6月初旬に予定している撮影会の詳細については5月16日、No.66のブログをご覧ください。写生、探鳥も大歓迎です。

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     ’19年「春」 (68)

2019年05月18日 | 入笠牧場からの星空

「アンタレス周辺」        Photo by かんと氏(タイトルも)

「アンタレス周辺、できれば縦構図でお願いします。
 中央左下のオレンジ色の星がさそり座のα星『アンタレス』です。
 アンタレスの右の球状星団はM4です。」と、かんとさん自らの解説。

 昨夜は畜産課の歓送迎会があり出席した。隣の席に座った他の課から移ってきた女子職員に、昨日のこの呟きに載せた天の川銀河を見せたら、大変に感動していた。別の会合に出席していた常務がちょっと顔を覗かせたので、少し差し入れをしろなどと発言し、今度は彼女はその暴言に呆れていた。どちらも、無理のない話だろう。酒の力は恐ろしい。
 それはともかく、若い女性は大いに感動すればいいし、そうすべきだと思う。この万緑に染まり始めた目の覚めるような景色、「無窮の遠(おち)」に煌く数え切れない星ぼし・・・、そうした天然の与えてくれる感動を存分に味わって、心の奥にまで吸収し、いい若い時を過ごして欲しいと思う。
 木星と土星の違いが分からなくてもいいし、星座の名前など知らなくても一向に構わない。草原に横になり、遠い昔の羊飼いの若者のように、この広大な星の海に想像力を積んで漕ぎだしてくれれば、それで充分だ。因みに、このアンタレスは地球の周回軌道を超えるような赤色巨星であるのにちっぽけな火星と赤さを競う星と見られ、アンタレスとはギリシャ語で火星と対抗するというような意味だとか。
 月齢も関係するが、望めば風呂を立てるから、湯船から頭上に横たわる天の川銀河を眺めることもできる。2台ある望遠鏡を出し、月のクレーターや土星の環、木星の衛星を見せて上げてもいい。下手糞なハーモニカはもう吹かないけど。

 赤羽さん、久しぶりです。撮影会に参加して頂けるようで有難いことです。長いことほったらかしていた絵具は固まってしまいましたが、もちろん写生を目的に参加される方も大歓迎です。

 撮影会の詳細については5月16日、No.66のブログをご覧ください。

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   ’19年「春」 (67)

2019年05月17日 | 入笠牧場からの星空

            「入笠の南天」           Photo by かんと氏(タイトルも)

 この角度から写した天の川銀河の写真では、今回のこのPHが最も壮大で、かつ迫力があると思う。「いつもの天の川銀河、一番明るい星が『木星』です。木星右側の明るい星がアンタレスです」と、撮影者かんとさんは言葉を添えている。キャンプ地A)の落葉松も大切な舞台装置になっていると思うが、如何に。
 肉眼ではもちろん、彼の使う望遠鏡でもここまでは見えない。ガリレオの時代は別だが、天体観測はカメラと写真感光板の登場によって大きく変わり、発展した。「火の玉宇宙論」を唱え、アンドロメダ銀河がわれわれの銀河とは別の銀河であることを発見したハッブルも、きっとこの撮影方法を活用した成果だと思う。現在、彼の名を冠した望遠鏡が宇宙空間で活躍しているが、100億光年も彼方の天体までが観測の対象になってきた。
 天文台の大掛かりな観測機器からだけでなく、進歩した高性能カメラとコンピューターの組み合わせにより、ますます精緻な映像を映し出すことが可能となり、一般のわれわれにも宇宙はより身近になったと言われる。ただそれでも、この1枚の天体写真を撮影するための努力、熱意は昔も今もあまり変わらないのではないか、というのがかんとさんやTBIさん、その他の星の狩人たちを横目にいつも酔っ払い、炬燵の虜囚になっている者の感想である。

 昨日仕掛けた大型の囲い罠、今朝来てみたら16頭が入っていた。いつもと同じく鹿たちは、なぜ出られなくなったか理解できずに必死で出口を探している。面白いことに、どういう理由でか、1頭だけが別行動をしている。囲いの点検を充分にしてなかったので、逃げられはしないかと気掛かりだが、これで、これから咲くクリンソウ、鹿による被害が少しは減ると良いのだが。

 撮影会の詳細については5月16日、NO66の呟きをご覧ください。F破氏からは早速応募いただきました。多謝。

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