入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’18年「秋」 (4)

2018年08月28日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 雨が降っている。いかにも秋の雨らしくもの静かな降り方で、週を跨いだ喧騒の後だけに気持ちが休まる、落ち着く。ここから見えている牛のいる風景も、きょうのような天気の方がより趣を感じる。草が少なくなったのか4頭は広い場所に展開し、一所にあまり長く留まろうとしなくなった。
 いつの間にか権兵衛山は雲に隠れてしまい、その手前の落葉松の林が見えているだけだが、葉の色に薄く茶系の色が混ざり始めた。木々は水の吸い上げを止めたのだろうか。巨匠の筆に見立てた霧が、すぐそこまでゆっくりと降りてきた。
 
 昼近くになって、雨具を持たずに外に出たら、雨脚が強くなった。それでも第1牧区の牛たちはさほど慌てるふうでもなく、塩でも持ってきたかと近付いてこようとした。期待を裏切るのは可哀想だったから、すぐに引き返した。あの牛たちがここで、自由に過ごせるのもあと1ヶ月と少しになってしまった。

 日、月曜日とやってきてくれた元教員だったというM田さんご夫婦からは「キャンプ場がいつまでも変わらないことを願っています」とメールを頂戴した。昨日も呟いたが、同じように思ってくれる人がいる。有難い。しかし残念ながら牧場の将来も、ここの自然も今に変わっていくだろう。観光、経済効果、行政主導・・・。それに、恥ずかしながら野生化ばかりが進んだ管理人も、老い先はあまりない。思うこと、考えてることは多々あるが、妄言、暴言になると良くないから、きょうは取り敢えず止めておきたい。

 M田夫妻のような仕事から解放された人々こそ、是非、しみじみ秋を味わいにここへおいでください。本当に秋という季節は、いくら続いてもいいと思うほどです。

「今はもう秋」です。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。

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