入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’18年「秋」 (2)

2018年08月25日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 少し気が早いと思ったが、来る途中焼き合わせのカラマツ林で、ツタウルシの色付いた葉を何枚か撮ってきた。まだまだ走りのようなものだが、これからも秋を象徴する草花の一つとして、長い秋の中で幾度かこの呟きに登場してもらう。





 きょうは8月最終の土曜日。毎年8月最後の土日は、JALNECという団体が、もう30年近くも来てくれている。総勢およそ30名、車が縁の集まりだと聞いている。今ではすっかり見知った顔が多い。幕営地のCが彼らのお気に入りで、そこで四方山話に花を咲かせ、どこかへ出掛けていくということはしない。勝手知ったる馴染の場所だから、酒を飲んだり、露天風呂に入ったりと、思い思い好きなように過ごしている。呟きはすでに「秋」「としてしまったが、この団体が去ってからにした方がよかったかも知れない。
 他にも4組くらいの予約が入っているが、このくらいはまだA、B、D、の幕営地があるから、充分に対応できる。天気も回復に向かいつつあるようだから、この調子なら明日、明後日のCM撮影も無事にできそうだ。

 カタカナ語はできるだけ使わないようにしているが、「幕営地」はいくら何でも古すぎたかも知れない。「キャンプサイト」の意と分かってもらえたら有難い。ついでに言えば「できたらよいかな、と思います」のような最近の曖昧な表現、なぜ「よいと思います」と断定しないのだろう。どこかのゴムが緩んでいるようではないか。

「今はもう秋」です。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。








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    ’18年「秋」 (1)

2018年08月24日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 雨は大したことなかった。上ってくる途中の山室川に流れ込む無数の枝沢には、落下する水の白いしぶきは見えず、本流に当たる山室川の流れも拍子抜けするほどいつもと変わらなかった。大雨になれば未舗装の山道はさながら川と化し、奔放気ままな雨水が土を浚い、礫をも運ぶ。そんな悪路を通れば「車が壊れる」と本気で怒る人もいたほどだ。きょうも、明後日から予定のCM撮影のため簡易便所を運ぶ際にこの山道を来たらしいが、さすがに帰りは千代田子経由にすると言ってその人は苦笑いした。今朝の道路状況はそれほどとも思わなかったが、その方が無難だろうと同意しておいた。
 もう、台風は東北の日本海を北上しているはずだが、小雨交じりの風は一向に衰えそうになく、このまま「台風一過」の好天は今度も期待できそうにない。どうもこういう天気、なんと言ったらよいのだろう、意地の悪い、粘着質な老人のようではないか。先ほど、名古屋からこれから発つと言って、こちらの天気の様子を問い合わせてきた人がいたが、先方が喜ぶような返事をすることはできなかった。
 気になる牛たちは「雷電様」に通づる作業道の上と、「御所平」とに分かれていた。そのうちの雷電様組は「昨夜はやられた」というようにすっかりへたり込んだ様子で、中には顎を地面に置いたまま感情のない横目でこっちを見る牛もいた。その点、囲い罠の中の牛たちはいつ見ても変わらず、何もなかったかのように黙々と草を食べている姿が、今こうして見ていてもおかしくさえある。
 
 きょうも同じ表現を使うが、これでまた季節は進む。もう、夏の名残などどこにもないここに、独り言の題名「晩夏」は相応しくない。落葉松の森の葉の色は渋みを増し、「焼き合わせ」のツタウルシには色付き始めた葉も目にするようになってきた。山ばかりか里もコスモスの花は咲き、稲田の色が日毎に黄金色に変わりつつあるのが分かる。森でも谷でも、そして里でも、季節の交代は終わったようだ。

「今はもう秋」です。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。

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     ’18年「晩夏」 (5)

2018年08月23日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 
 風が木々の葉を揺らす音が聞こえる。台風の影響だろう。昼頃までは西の空には青空も見えていたが、今はもう権兵衛山も姿を雲の中に隠してしまった。そんな中、牛だけは何事もないかのように草を食んでいる。遠目からはのんびりとして、いかにも牧歌的で、見る者の気を和ませてくれるいつもの光景だ。

 昨日、11日間の地衣類の採集を終えたM君が山を下りる前に、第1牧区へ誘った。その際も、牛たちは車を見ると馬のように走ってきた。調教に時間をかけた分、今は呼びさえすればどこからともなくやってくる。
 きょうは雨の降り出す前にと、中二日(ふつか)置いた給塩に上がっていった。草原に5頭の牛が1群をなし、呼び声に反応してすぐに走ってきた。さらに遅れて、姿を見せなかった他の牛たちも、恐らく雷電様の辺りにいたのだろう、車の警笛の音を聞き付け、これまた一心不乱に走ってきた。もはや家畜と言うより、飼い犬のような人懐っこさである。気を付けないとあの石頭にぶつけられる。
 囲い罠にいる和牛3頭とホルス1頭にも塩を持って行った。このうちの和牛1頭は中間検査の後に下牧した2頭と同じ蓄主の牛で、他の3頭は途中入牧である。問題はこの最初からいる和牛で、調教など全く受け付けなかった。中間検査の際も逃げ回り、多くの人の手を借りた。それがこの頃は、他の牛と同じように呼べば来る。それでも普段は1頭だけでモソモソしながら草を食んでいることが多い。何を思っていることか。

 台風接近の報でも、牛にしてやれることはあまりない。ただし、作業道などの排水作業はやっておかないと、いくら四駆の車でも上がれないことがある。Y山君は、馬のビンゴの様子を見にきたようだが、ここには立ち寄らなかった。さっき様子を見にいくと、この馬も盛んに塩を舐めていた。



 大阪のM原さん、通信ありがとうございました。どちらも素晴らしいブログで、大変刺激を受けました。閲覧する人たちには、この呟きなどとても及ばぬ入笠の良質なPR(宣伝の意ではなく)になったと思います。ご家族様にもよろしくお伝えください。

 「今はもう秋」です。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
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    ’18年「晩夏」 (4)

2018年08月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨日の夕焼け。実際はもっと感動的だったと言ったところで仕方ないが、それでも、ここの夕焼けの素晴らしさは映画にも使われたくらいだから、知っている人は知っている。売り言葉は「モザンビーク海峡のグリーンフラッシュにも比肩する」だが、それがどれほどの効果があるかまではかは分からない。

 入笠の3軒ある山小屋を転々としながら、幾日も避暑生活をしている80歳を超えた老婦人がいて、変なことで知り合いになった。その人が、夕暮れの登山口にあるお花畑で悄然としていたのを見付け声をかけたら、どこへ行くのだと聞いてきた。M君のご苦労会をするため、富士見まで酒と食料を買いにいくところだったので「下まで行く」と言うと、気分転換をしたいから連れていけという。
 ここにいると、いろいろな人との出会いがある。多くは少し変わった人だ。そんなことをその老婦人に話すと、否定もせずに笑っていた。「アンタが一番変わっているのよ」と、心の中では思っていたのかも知れない。

 山奥氏が"坊主"で海から帰ってきた。マグロを釣りに行ったはずなのに釣果なしで、代わりにシューマイを持って朝早くに立ち寄ってくれた。昨夜はここに泊まると電話で話しておいたから、そうしてくれたらしい。信州の山の中に暮らしていて、趣味は海釣り、川の魚には全く手を出さないというから、この人も変わっている。「入笠奇人の会」の有力会員だが、肝心の会は殆ど分裂状態で、それも奇人の会らしい。

 例の馬は、彼も奇人かも知れないが、昔ながらの馬を使って農林業を行っているY山君から預かった。そういうのを「馬耕」というらしいが、今回だけは特別に、放牧料を貰わないことにした。何故なら、仮に10日置いても、その料金は3千円にも満たない。それで他の牛のように諸々の責任を負うことはできないからだ。そこで、観光目的という扱いにした。
 親愛なる読者各位に告げたい。これが公共牧場の背負う実態なのだと。305ヘクタールという広大な牧場に、収容能力いっぱいの200頭の牛を入れたとしても、その事業規模はせいぜい1千万円程度でしかない。このような実情を知れば、仮に牛乳が10円ばかり値上がりしたからといっても、大騒ぎすることはないと思うがどうだろう。牧畜の広報活動の不足は否めない。

小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
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     ’18年「晩夏」 (3)

2018年08月21日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など



 もうすぐ、こんな写真も時季外れになってしまう。昼の気温は20度とそれほど低くないが、陽が射さず、権兵衛山から流れてくる霧の動きなど見ていると、日本画の巨匠のように慎重な筆使いで唐松の色を変えている正体は、その白い靄なのだと分かる。
 都会はまだ残暑がしばらく続くだろうからと、「夏」の次のタイトルに「秋」の文字を使うのを控えたのだが、しかし、そんな気遣いなどお構いなしに季節は進む。夏の日に焼かれた木々の緑の色も、すっかり疲れて生気を失ったようだ。



 M君が10日以上に及ぶ採集調査の最後をテイ沢にすると言うので、一緒に出会いまで行ってきた。以前には、気になっている倒木の処理をするからその時は途中まで同行すると言っておきながら、CM撮影に関する連絡が入ることになってすぐに引き返した。沢の中に入れば、電波の届かない恐れがあったし、届いてもチェーンソーを使っていればとても着信には気付かない。



 珍客登場。しばらく第2検査場のパドックに、この珍客を預かることにした。詳細やこの馬の素性については後日に。

 珍客と言えばもうひとり、「御所平峠」を訪ねて入笠山の登山口に行ってみたが、どうも違うようだと感じてこっちへやってきた峠の愛好家。こういう人を待っていた。この峠の人に言わせれば「本家・御所平峠」の方が余程峠らしいということだった。北原のお師匠が知れば喜ぶだろう。

 活動家の赤羽さん、遠くへ行っていたのですね。またいい秋が来ます。心身を安めに出掛けてください。
 
 小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。




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