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長野県いじめ対策チーム

2007-05-23 | 教育
というのがあるそうだ。先月NHKスペシャルで見た。名前だけ聞くと「どうせ行政のすることじゃおざなりな事業だろう」と想像したが、さにあらず。子供たちのいじめ問題を真摯に受け止め情熱的に対処している、事実かなりの効果を挙げている。
田中前知事から要請された特殊プロジェクトで、学校が子供をフォロウできていない現状を捉えての発案。対策チームには自殺によって子供を無くしたかたもいて、情熱的になるのもわかる。

県内中から毎日電話がかかってくる、番組の中では「いじめを受けているが学校に訴えても何もしてくれない」という相談が多いようだ。時には担任、時には校長が事実を隠蔽し、あるいは真剣に取り組まず、結果いじめを受けている子が不登校になったりしている。

以前も書いたが、ぼくはいじめというのは構造的に根絶は不可能だと考える。そしていじめられてると訴える側が100%正しい側であると限らないとも思っている。

誤解されると困るけど、どこからが「いじめ」でどこまではそうじゃないかの境界を明確にできないのも現実で、もしかしたら対策チームが乗り込むことで逆いじめ状態が生まれる恐れもある。まあ、そんなにないだろうし、対策チームが先入観に凝り固まらずことの事実を正確に把握できるのならばそんな心配は要らないが。

そんなことを思いながら番組を見ていたら、後でガツンとやられた。
対策チームでは、いじめられた経験のある大人を県内の中学校に派遣し講演を開く。ちょっと過激なくらい強い口調で当人の経験をあからさまにぶつけ、いじめに関わりのない、いや関わりたくない無関心を決め込む子にも舌鋒するどく切り込む。

これがテレビを通して聴いても心を打つものがあった。体育館で聞いている子供たちにも泣いている子が見える。先生たちもおおかた下を向いたり涙を抑えたりしている。講演の最後に「もしぼくに何か伝えたいことがあったら次の休み時間校長室にいるから来て欲しい」と締めくくる。

今の中学生は行かねえんだろうな、と思ってたら、、、続々と集まってくるではないか!
こんないじめを今受けているという話から、これはいじめになるのか?といういじめっ子側、そしていじめが行われているのを見て見ぬ振りしてきたという懺悔まで。講師の秦さんは講演時とは打って変わって、ひとりひとりに優しく応対する。いまどきの中学生がそろって小さな子のように己をさらけ出し泣きながら話している。

久しぶりにNHKスペシャルで感動を受けてしまった。南中でこの講演をやったらどんな反応を示すのだろう?というか、とにかく呼んでみたい、聞かせてみたい。


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