内容(「BOOK」データベースより)
キューバの老漁夫サンチャゴは、長い不漁にもめげず、小舟に乗り、たった一人で出漁する。残りわずかな餌に想像を絶する巨大なカジキマグロがかかった。4日にわたる死闘ののち老人は勝ったが、帰途サメに襲われ、舟にくくりつけた獲物はみるみる食いちぎられてゆく…。徹底した外面描写を用い、大魚を相手に雄々しく闘う老人の姿を通して自然の厳粛さと人間の勇気を謳う名作。
30年ぶりに読んでみた!当時深く感動した名作、時を経ても古びないのは名作たる所以。
しかしなんてシンプルな設え、それなのにこの深み!
ストーリーも内容紹介で全て明かされてるくらいに単純w登場人物はほぼ老人と少年の2人のみ、少年は最初と最後だけだし。
メタファー(隠喩)としての物語を意識したのはこれが最初だったなあ。
この老人とカジキマグロとのやりとりが何を訴えるのか。何を伝えたいのか?
そんなふうに若者のぼくは考えたっけ。
今読んでも同じように考えこむ、人生とはつまるところこんな描写に集約されるのか。
孤独ななか大魚に立ち向かう老人は、何かに執着する人の営みを幾分ドラマティックに現しているのかな。
自分の船よりも大きなカジキを相手に全身ボロボロになりながらも闘志を無くさない老人の生き様は、じわじわと伝わってくるものがある。かっこいいし美しい。
短い話だけど手放せない大事な1冊です。