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『永遠のゼロ』百田尚樹

2011-02-09 | 読書
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泣いた。

久しぶりに小説に泣かされたよなあ、と読書カテゴリーを調べてみたら、案外頻繁に泣かされてた(笑)涙腺の弱いのはしっかりオッサンだw

けれどそれは「目頭が熱くなる」とか「涙ぐむ」とかいうレベルであって、今回はもうボロッボロにゲロッゲロに泣いたということだ、途中の部分を家族と一緒の居間で読んでいて、涙が我慢できず急いでトイレに駆け込んで嗚咽を漏らしたくらい。

「0ゼロ」とは零式戦闘機=ゼロ戦のこと。太平洋戦争においてゼロ戦乗りとして最期は特攻に散った祖父のことを調べる話なのだけど、今までにも戦争を扱った話は読んでたしまさかここまでやられちゃうとは思わなかった、紛れなく傑作だ。

裏表紙のあらすじ

「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守る」そう言い続けた男は何故自ら零戦に乗り命を落としたのか。終戦から60年の夏、健太郎は祖父の生涯を調べていた。天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつもひとつの謎が浮かんでくる。



こういうのを読むと普段の自分の悩みがいかにもみすぼらしくちっぽけで滑稽であると思い知らされる。

途中でアルカイダの自爆テロと特攻についての違いが語られる、というか、新聞記者が同じでしょと言ってゼロ戦乗りの生き残りおじいさんを怒らせるシーンがある。明らかに違うことを散った仲間の名誉にかけて否定するのだけど、
実はぼく自身「あれ、根っこは同じだよね」と人と話した記憶があって、なんだか自分が怒られてるような気持ちになった。

あ、そうか。考えてみると太宰が作家として活躍したり自殺未遂で迷惑かけてた同じ時期にカミカゼアタックでたくさんの命が無駄にされたのだ。
太宰、生まれてすみませんじゃないだろ!甘ったれるのもいいかげんにしろ!と脈絡なく怒りが湧いてきた。

ちょっと厚めの本だけど、これは日本人なら絶対読むべきだと思う。“お薦め”ってレベルじゃない、“必須”だ。