ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

あけましておめでとうございます

2011-01-01 03:15:47 | 能楽
あけましておめでとうございます
新年を寿ぎ、皆様のご多幸を祈念申し上げます。

この正月でこのブログも5周年を迎えさせて頂くこととなりました。最近は時間に追われてあまり更新も ままなりませんで心苦しい限りですが、折々に能の作品研究もしていきたいと思っております。
今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます~m(__)m

今年の ぬえは、5月に師家の月例公演で能『大会』を勤めさせて頂くのが当面の目標で、いまその演出について、師匠と相談させて頂いたり、作品の読み込みを行っているところです。

そのほかにも楽しみにしている舞台は多いのですが、折々に触れてゆきたいと思います。

伊豆で行っている「子ども創作能」…指導も もう今年で12年目を数えるのですが、昨年より ぬえが自主的に企画に携わるようになり、新しいTシャツを作ったり、会場を神社の神楽殿という、市民により近い場所で上演するようになったり…収穫の多い1年でした。ぬえが本当にやりたかった事がようやく出来るようになった実感を、幸せに思っております。
今年はすでに2月に「子ども創作能」の再演が決まりまして、子どもたちとの楽しい稽古も始まります!

それから ぬえが教えている謡曲仕舞教室の生徒さんの発表会を6月に計画していまして、生徒さんたちも去年のうちから稽古に邁進しております。晴れ舞台ですからね~ みなさん頑張ってくださいまし~!

あとは千葉県・野田市で行っている能楽講座「和のおけいこ講座」。毎月1回、とっても趣のある日本建築の邸宅をお借りして開いているこの催しも、この正月で30回目を数えるに至りました。毎回ビデオを見ながら能の解説を行うのですが、とっても評判が良くて、参加者からは 見どころがわかりやすいので、能の公演の開演前にやったらいいんじゃないか? とまで言って頂いておりますが、まあ…開演前ではネタばれになっちゃいますし、時間的にも難しい問題はありますが、能に興味を持って頂けるのでしたら考えていかなければいけない事ですね。

ちなみに ぬえ、能の1曲1曲について、面白い話題はたくさん持っていて、毎回の「和のおけいこ講座」や、普段の生徒さんのお稽古でも話題に困ることはありませんね~。…たとえば『竹生島』『経正』という、観世流で謡の稽古の順番がなんとなく決まっていますが、この曲の稽古のときには ぬえは、経正が竹生島に参詣した時に起きた「奇跡」のお話をします。この2つの曲はたまたま稽古順が隣り合っただけなんですが、この話題は稽古をしている生徒さんに喜んで頂けるようですね。また『羽衣』では、謡本に出てくる「白の天女と黒の天女」というお話をします。…こういう、日本人の想像力のスゴさ…そうしてそれを日本人がずっと「常識」として考えてきたのに、現代人にはまったく受け継がれていないお話は、ぬえ自信も初めてそれを知った時には本当に驚いたものですし、きちんと解説していかなければならないと考えています。

あ、『羽衣』で思い出しました…
もう今さら、かもですが、元朝の今朝、ぬえの師匠が舞う『羽衣』がNHK教育テレビで放映されます。

早朝6:35より。ぬえも地謡の前列で参加しておりますが、おワキ・お囃子方、そうして地謡のリーダーとも名人が揃う豪華な上演。収録は12月に行われたのですが、いや~緊張した『羽衣』でした~

そんなこんなで、また慌ただしく年が明けました。
改めまして今後ともよろしくお願い申し上げます~ m(__)m