ご存じの方も多いと存じますが、ぬえは修行の傍らに師家の近代の事績や動向などについて研究のようなことを続けております。これはもう書生時代から続けていることで、戦災で灰燼に帰した師家のお舞台を、関係者からの聞き取り調査や現地踏査を基にして平面図に復元するなどの事を、細々と、ではありましたが進めておりました。
そうしたところ、最近はもう10年以上前のパソコン通信時代からの友人の名古屋の能楽研究者の 鮒さん(あ、いやいや 本名は飯塚恵理人さん、というのですが、どうもハンドルの方が呼びやすくて…)の発案に ぬえが協力する形で、師家に残されている映像・音源資料のデジタル化という作業に取り組んでおります。
すでに終了した作業は、師家所蔵のSP盤のデジタル化。これは当時一般に販売されたものですから音源資料として新発見のものはありませんでしたが、ぬえとしては初めて耳にする録音もあって興味は尽きませんでした…しかしそれよりも特筆すべきは、SP盤という、知っているようでいながら実体はほとんど未知であるモノそのものについて、その材質や録音方法、また制作意図や流通過程など、明治期から第二次大戦頃までの、それこそ初めて「音」を記録して再生することができる、という革命的な技術の実体を知ることができて、これまた大変貴重な機会でした。
→師家蔵・古いSP盤のデジタル化作戦(まとめ)
この仕事は、なんと2007年に行ったのですね~。もうずいぶん昔になるなあ。これらの音源の一部は鮒さんのサイトでDLできますので、ご興味がおありの方はぜひ鮒さんのサイトをご覧ください。
→鮒さんのサイト 恵理人の小屋
その後 この業績が影響したのでしょう、今度は師家の方から ぬえと鮒さんにご依頼があり、師家所蔵の16mmフィルムをデジタル化する作業を始めました。こちらはようやく2巻のフィルムをDVD化したところで、目下作業は進行中です。
がしかし、これまでデジタル化した16mmフィルム2巻は、能『羽衣』をこよなく憧憬しながら、能そのものも、また三保松原も見ぬまま病没した若きフランス人バレリーナのエレーヌ・ジュグラリス夫人の魂に、先代の師匠が『羽衣』を舞って手向けた、という とても興味深い内容のものでした。こちらは作業がまだ中途であることや、フィルムに収録された上演の時代が近いこともあり、著作権を配慮して公開の方法や時期については検討中の段階ですが…
→師家所蔵 16mmフィルムのデジタル化大作戦!
※ちょっと飛び飛びですが、この最初の記事から「次の記事へ」を辿って頂けると全貌が見えると思います。
映像資料のデジタル化は費用がかかるため、今後長い年月を掛けて作業を進めていくことになろうかと思います。一方、それらの師家所蔵資料を探していた ぬえは、もっと他にも面白い資料を見つけたのでした。それが今回ご紹介させて頂くオープンリールと、それからガラス板に写し込まれた初期の写真(写真乾板)です。
写真乾板については将来的にデジタル化していこう、という計画を立て始めたばかりですが、オープンリールテープの音源はほぼ作業が完了しました。それがまた…驚くような発見があったのです。
そうしたところ、最近はもう10年以上前のパソコン通信時代からの友人の名古屋の能楽研究者の 鮒さん(あ、いやいや 本名は飯塚恵理人さん、というのですが、どうもハンドルの方が呼びやすくて…)の発案に ぬえが協力する形で、師家に残されている映像・音源資料のデジタル化という作業に取り組んでおります。
すでに終了した作業は、師家所蔵のSP盤のデジタル化。これは当時一般に販売されたものですから音源資料として新発見のものはありませんでしたが、ぬえとしては初めて耳にする録音もあって興味は尽きませんでした…しかしそれよりも特筆すべきは、SP盤という、知っているようでいながら実体はほとんど未知であるモノそのものについて、その材質や録音方法、また制作意図や流通過程など、明治期から第二次大戦頃までの、それこそ初めて「音」を記録して再生することができる、という革命的な技術の実体を知ることができて、これまた大変貴重な機会でした。
→師家蔵・古いSP盤のデジタル化作戦(まとめ)
この仕事は、なんと2007年に行ったのですね~。もうずいぶん昔になるなあ。これらの音源の一部は鮒さんのサイトでDLできますので、ご興味がおありの方はぜひ鮒さんのサイトをご覧ください。
→鮒さんのサイト 恵理人の小屋
その後 この業績が影響したのでしょう、今度は師家の方から ぬえと鮒さんにご依頼があり、師家所蔵の16mmフィルムをデジタル化する作業を始めました。こちらはようやく2巻のフィルムをDVD化したところで、目下作業は進行中です。
がしかし、これまでデジタル化した16mmフィルム2巻は、能『羽衣』をこよなく憧憬しながら、能そのものも、また三保松原も見ぬまま病没した若きフランス人バレリーナのエレーヌ・ジュグラリス夫人の魂に、先代の師匠が『羽衣』を舞って手向けた、という とても興味深い内容のものでした。こちらは作業がまだ中途であることや、フィルムに収録された上演の時代が近いこともあり、著作権を配慮して公開の方法や時期については検討中の段階ですが…
→師家所蔵 16mmフィルムのデジタル化大作戦!
※ちょっと飛び飛びですが、この最初の記事から「次の記事へ」を辿って頂けると全貌が見えると思います。
映像資料のデジタル化は費用がかかるため、今後長い年月を掛けて作業を進めていくことになろうかと思います。一方、それらの師家所蔵資料を探していた ぬえは、もっと他にも面白い資料を見つけたのでした。それが今回ご紹介させて頂くオープンリールと、それからガラス板に写し込まれた初期の写真(写真乾板)です。
写真乾板については将来的にデジタル化していこう、という計画を立て始めたばかりですが、オープンリールテープの音源はほぼ作業が完了しました。それがまた…驚くような発見があったのです。