銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

越後屋、おぬしならどうする

2014年07月20日 | のほほん同志Aの日常
旅の企画や手配を任せてもらうようになったころ、
初めて知った言葉に、「掛売り」があります。

ホテルやバス会社などに支払いをする際、
初めての取引先は別として、長くお世話になっているところならたいてい

「20日締め翌月20日支払でお願いします」 となるわけで、

へ~、それを「掛売り」というのかと。

先週、松阪牛のすき焼きをいただきに出かけた三重県の松阪で、
そんなことを思い出しました。

というのは、こんな看板を見つけたから。

「現金掛け値なし 越後屋」

そのとなりには、

「越後屋(のちの「三越」) 三井家跡」

そう、時代劇でときどき目にする

「越後屋、おぬしも悪よのう…」
「お代官様こそ」
「うわっはっは」

のあの越後屋です。


看板のかかったお店で頂戴したパンフレットによると、
江戸時代、高級品であった松阪木綿で財をなした越後屋。

その創始者である三井高利という人はアイデアと商才に富み、
当時の商売のあり方を次々と刷新していった人物だったようです。

江戸期の呉服屋のやり方は、あらかじめ得意先をまわって注文をとり、
あとから品物を届ける「見世物商」という方法が一般的。

支払いも、盆と暮れの2回だけで
手間がかかるうえに金利もかさみ、踏みたおされることもままあるなかで
価格も高く設定せざるをえなかったといいます。

その「掛売り」に対し、三井高利は「現金掛値なし」の看板をかかげ、
店前売り(たなさきうり)と呼ばれる
今日おこなわれているような店頭販売を始め、
大きく江戸へも出店していったのだとか。

ほかにも一反が売単位であった呉服の切り売りに応じたり
店先に雨傘を備えておいて、夕立のときには貸し傘のサービスを始めたりだとか、
とにかくアイデアマン!

現在にも通じるサービスや小売業の形を生み出した人だったのですね。


でも、その越後屋にはじまる「店頭販売」がいま、揺らぎはじめています。

本や服や電化製品や音楽や、最近ではなんと車まで(!)、
ネットで買い物という時代になだれこんでいるようです。

このような時代、越後屋さんならどうしたでしょうか。

時代の先端へと、我先に店舗減らしに乗り出したでしょうか。
それとも…?

実際に目でみて触って「よっしゃ、気に入った!」と思ってからでないと、
財布を出せない超アナログ人間の私は、「店頭で買い物派」です。

夏休みを前に、ダダ混みしている「JRみどりの窓口」の長蛇の列を見ても、
(券売機でもある程度、買えるのに)
やっぱりみんな、あれこれ聞いて選んだり希望を伝えたりしながら
買い物したい部分もあるんじゃないでしょうか。


というわけで、今からあれこれ選びに夏のバーゲンへ。

むかし越後屋、いま三越…ならぬ、
地元のそごうに出かけてきます!


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お元気でいらっしゃいますか?

2014年07月09日 | T字路をまっすぐ行ってみたら
芸文のチケットを誤って4枚取ってしまったからと、
2枚を送って下さったお客様へ
(その節は、ありがとうございました。)

お元気でいらっしゃいますか?
梅雨にはいり、じめじめした日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?
私は、変わりなく元気に添乗に、営業に、日々駆け回っております。

さて、先月、私は、自身4度目となる福井県おおい町にある若州一滴文庫へ
竹人形文楽公演の旅行に行って参りました。
昨年、ご一緒させていただいたあの竹人形文楽公演です。

今回も、舞台・物語・語りの方・そして、竹人形…
どれをとっても申し分のない、心に残る公演でした。
そんな公演を観ながら、私は、一年前のことを思い出していました。

バスの席は、添乗員の私の隣の席で、
ずっと手配書を見て、考え込んでいる私に
いろいろとお話して下さりましたね。
昔のことや、自身のこと、銀のステッキのことなども。

また、一番前の席が確保できて足が伸ばせて、楽に公演を観ることができたよって
報告してくれた時は、とてもうれしかったです。
バスの中で、マイクを持つのがどうも緊張して慣れなくて、
早口になり、説明も支離滅裂…
気が付くと、もう会場前に着いている…
そんな私の説明だったはずなのに

「ありがとう」と言ってもらえてほっとしたことを覚えています。

帰り際、「いろいろ忙しいのにたくさん話しかけてごめんね」っと
私に気を使ってくれましたね。
昼食場所のことや、公演に間に合うかなと時間のことなどで頭の中はいっぱいの私でしたが、
どれだけ、安心させられ、周りをみる時間を与えて下さったことか。

この旅行の後も続けてご一緒させていただき、
時には、バスに忘れ物をされ
次の日に、おいしいお菓子とともに訪問されたことや

紅葉のシーズンに神社を訪れた時は、
地元のものをお買いものされ、
今晩の夕食にと、おっしゃったこと
今でも覚えています。

あー懐かしい
最近、お会いしていないから少しさみしい気もしますが、
私は、(たぶん)1年前より成長して
今日も張り切ってあちこちにでかけております。
次に会うときは、その旅の話を聞いてください。

ではまた。
お会いできます日を楽しみにしております。

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知古の馬鹿

2014年07月08日 | 見かけだおしNのつぶやき
久しぶりに広島から、急に訪ねてきた友人と会いました
関西の別の知人が車を出してくれ、京都へ

新大阪駅で待ち合わせ
つい「では千成ひょうたん前」といってしまう
悲しき職業病よ!

もしや、あの緑のおばはんか
どうする、どうする、正直に言うか~
「あんた、ふけたなぁ~」と

「久しぶり!」
フェイントで横から声が・・・

ほぉ~違ったみたい

全身、青色の待ち人(ややおばはん)いわく、

「また、いつものぶっちかと思ったわ」

ええ、私はだいたい学生時代から
約束にはルーズ
まあ!最低!

いえいえ、なんでしょう、予定が苦手といいますか???

なので当時、花の女子大生(言葉も古い!)が、
こぞって関西ウォークや花子を手に
集まる場に、たいてい、いませんでした

一応、声はかけてもらえていたような?
でも事故率100%と周知してから
お呼びもなくなりました


あ~何年ぶりの再会、でも、まあ変わらんね

見た目は変わっても
・・・約20年前と
会話のリズムは同じです

久しぶりだからでしょうか、
まあ皆、飛ばしまくり

馬鹿笑いの連発、そして

なんでしょう、馬鹿話のあとの
おきまりしんみりトーク
親のこと、己のこと(皆、独身で~す!)etc.

会って、一時間も経ってないよ~
いきなり「重たい、暗い、ジメッ」
まさに梅雨です

たいがい、これって旧友との定番ネタ
今の、私たちの、その世代の会話なんですよね

で、じめじめトークの後に必ず
健康・病気ネタに突入

おいおい、これって・・・

年を重ねるってこういうことですか?

あ~ッ

さて、ゲスト知人の希望で雨降る貴船神社へ
人気の水占いをしました
いえ、私以外がですが・・・

「あんた、どうせ、占いなんかせんやろ」

はい、その通り

お参りもせず、
あそこのベンチにいるからと指さし、

水占いや、七夕に願いを書いたり
賑々しく季節に興じる、そんな知人をぼんやり
傍観していました

何を今更願うねんな!
(本人にも直接いいましたが)

あんたこそ昔と変わらんなぁ~
愛想のない私に苦笑いの友

・・・確かに

でも、全く持って気取らず接することができる知人を前に、
ふと思い出しました

「この歳で初めて同窓会に出たけど、
思いがけず楽しかった」
と、あるお客様のお話

その理由が・・・

同級生って、けん制もするけど
ある時を越えると
人生の流れや
身体の不調まで同じなのよ・・・・
気兼ねなく、同じリズムで旅ができる
気取ったりする必要がないのね

一番は、
トイレの時間や、睡眠の時間が同じ、と

なるほどなぁ

今はそれぞれの人生の道の途中
でも、ある時、きっとまた会う(合う)日がくる

その時は・・・なんだかええ格好なしで、
素で会える、
それが「同級生」ってことのようです

思いがけず豪雨となった旅の中、
注意深くハンドルを握る知人の後方で

「疲れてんねん、私、寝るわ」
ZZZ ZZZ

多分、道中ほとんど熟睡でした

さらに、

「ちょっと今日は肩こりひどいし先に帰るわ」

早々にウン年ぶりの遠路はるばるの知人と別れた私は・・・

先のお客様が仰る
「分かり合える日がくる」

多分その前に同窓会名簿から
真っ先に削除される一人になりそうです

仕方なし

でも、あの頃、あの時代を知る友は
ありがたいですね

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ツバメの4兄弟、もとい5兄弟

2014年07月02日 | のほほん同志Aの日常
今日1日、きゅーっと胸をしめつけられるような
辛さ切なさを感じていました。

なんだなんだ?
忘れていたこの気分って、もしや…

という浮かれた話ではまったくなく、
理由はツバメの兄弟の末っ子です。


銀ステ事務所のある、阪急電車の逆瀬川駅。

5月から6月にかけてはツバメの王国で、
何組ものつがいが子育てにいそしんでいます。

とくに注目していたのが
改札へと上る階段の上にかけられた小さな巣。

かわいい4兄弟だなぁと毎日見ていたら、
実は巣の中にうずもれて顔さえ出せない末っ子がいたらしく、
あわせて5兄弟なのでした。




でも末っ子は見るからに小さくて、
ほかの兄弟たちが頭の色も黒々してくるなか
この子だけは、ぽやんとした灰色のまま。

親ツバメが餌を運んでくると、
我先にと口をあける兄さんたちの後ろに追いやられ、
どうやら餌も上手にもらえていません。

それでも昨日までは仲良く、

黒、黒、黒、灰色、黒

とぎゅうぎゅう並んで巣の中にいたのですが…。

今朝、電車から降りて見上げてみると、
黒の兄さんたちは、巣から出て、
思い思いの場所に胸を張ってとまっています!



そんななか、灰色の末っ子だけがぽつんと
ひとり、巣に取り残されているのでした。



そして夕刻。
ふたたび電車に乗るため駅階段を降りるときには、
黒々の兄さんたちはすでに、姿すら見当たらず

灰色の末っ子は置いてきぼりです。

1日、不安でたまらなかったことでしょう。
けれども、外に飛び出す力はまだないのです。

がらんと独りぼっちの巣の中で
哀しそうに、きょろきょろと辺りを見回していました。


その姿が急に、――スタッフのひとりと重なりました。

今や5人の女所帯となった銀のステッキも、
ちょうど年の離れた5姉妹のようなもの。

次女にあたる私をはじめ
姉さんたちは、体も大きく、声もでかく、
時差ボケをものともしない異常体力で(私だけか)
いつも末っ子を置いてきぼりにして、慌ただしく飛び出していく。

そうか、末の妹はつらかったのか――

ツバメ経由で気づきました

…なんて、回り道。


今ごろ、最終電車が行って灯りも消えた駅では、
真っ暗な巣でツバメの末っ子がひとり眠っていることでしょう。

でも、明日か、数日後か、1週間後か、
いつかはきっと巣を飛びだしていく。

そのときを待とうと思いました。


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ハチとクモの王国

2014年07月01日 | のほほん同志Aの日常
ツアーが盛りだくさんだった6月のある日。

私以外の全員が添乗に出はらい、
ひとり事務所で留守番の日がありました。

ひとりは大好きですから、
朝から開放感は最高潮!

窓も網戸も開けはなち、ぽこぽこコーヒーをたてていたら…

ブーン…

思わぬ来訪者がやってきました。

大きなハチです。

ひととおり偵察するように
狭い事務所のなかを飛び回ったあげく、
どうやら「地球の歩き方」の上が気に入ったようで
腰を落ち着け、ちんまり身づくろいを始めました。

ひえ~

こちらはさっきまでの開放感はどこへやら、
ハチの動きが気になって
結局、午前中はほとんど仕事にならず。

「はよ、おうちに帰り~」と説得しつづけたら
ようやく昼前に出ていってくれましたが。


さて、そんなこともあったからなのか、
週末は久々に映画を見てきました。

「ミツバチの大地」という映画で、
以下は、映画の公式HPからの抜粋です。

――――
マークス・イムホーフ監督は世界中でミツバチが大量に死んだり、
失踪している事実を知り、その原因を求めて旅にでる。
その旅は、スイスの山岳地方に住む養蜂家にはじまり、
世界中へと広がっていく。

アメリカでは、ミツバチが受粉のために全米を
農園から農園へと長距離輸送されてゆく姿を取材し、
オーストリアでは女王蜂を育て
世界中へ発送している一家に会う。

中国の一地方では、文化大革命の時にミツバチを退治したため、
花の受粉を人間の手で行っている姿をとらえ、
米・アリゾナ州では、キラービーの養蜂家に会う。

旅の最後の地は、オーストラリアである。
ここでは、ミツバチの大量死がまだ始まっていない。
彼らは太平洋に浮かぶ孤島に人工交配させたミツバチを放っている。
果たしてこの島は、
ミツバチにとってノアの方舟になるのだろうか?

――――

…というドキュメンタリー映画。

まわりが暗くなったときの条件反射で
半分ほどは夢うつつだったのですが、
でも面白かったと思います。

そして帰宅後、本棚から引っぱりだしたのは
「ファーブル昆虫記」。
(明らかに映画の影響です)

おもしろいなぁ。


さて今日から7月。
他のスタッフも添乗先から舞い戻ってきます。

先週発見して、ほかの皆が知らないことがひとつ。

ハチは出ていきましたが、
大きな大きなアフリカグモが(勝手に命名)
事務所の主のように住みついています。

でも、ハチにも、クモの一生にもドラマあり。
共存共栄でいきたいものです。

(確実に「ファーブル昆虫記」の影響です)



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