調査員の「目」

 日常の何気ない雑感とつれづれ日記。

『統帥力~戦場のリーダーシップに学ぶ~』

2005-02-12 | 書評系
久しぶりに手前勝手な書評。

■「戦場のリーダーシップに学ぶ 統帥力」(ダイヤモンド社/1,680円)
著者:松村 劭【つとむ】氏
1934年大阪生まれ。防衛大学卒。軍事学研究家、米国国防総省認可法人デュピュイ戦略研究所東アジア代表、国際戦略研究所会員。元陸将補(旧少将に相当)。文春新書シリーズの裏の顔写真を見ると温和そうな方という印象。
【構成】
 なぜ、今、戦場のリーダーシップが求められるのか
第1章 第一の統帥-戦闘/ビジネスドクトリンの開発
第2章 第二の統帥-組織の本質
第3章 第三の統帥-参謀の役割
第4章 第四の統帥-指揮官の資質
第5章 第五の統帥-状況判断の方法
第6章 第六の統帥-作戦/事業計画の鉄則
第7章 第七の統帥-指揮・統御の要点
 終わりに代えて
(221ページ)

 松村劭氏は、文藝春秋社の文春新書「戦争学(1998年12月初版/690円+税)」「新戦争学(2000年8月初版660円+税)」「名将たちの戦争学(2001年6月初版/680円+税)」やPHP新書の「勝つための状況判断学(2003年12月初版/735円)」などの著書で有名だ。私も文春新書シリーズの方は全て手元にある。
 本書は「統帥」について軍事学の観点から上記構成の通り7章に分けて解説してくれている本である。そもそも「統帥」とは、「統御(指揮官自らの品性、特性、能力などの人間性をもって部下を心酔、心服させること)」と「指揮(組織、計画、調整・統制、命令、実行監督の権利を実行すること)」から成り立つ軍事用語であり、辞書を引くと「軍隊を統率し指揮すること」とある。
 私は、どちらかというと軍隊における「統御(≒敢えて勝手な解釈をすれば精神面でのリーダーシップ)」について松村氏の豊富な経験・識見に基づく見解を知りたいと思って、あまり深く吟味せず本書を購入した。
 読んでみると、統御に関する部分は「第4章 第四の統帥-指揮官の資質」で述べられていたが、他の章はどちからというと「指揮権の行使」に関する軍隊式マネジメントについて書かれている方が多かった。
 すなわち、軍事学上は「得意技を確立するのが大原則である」「組織(軍隊)における最小責任単位は個人ではなくチーム単位が原則である」「職能中心組織編成(例:経理業務を本社経理部で一元化)ではなく部隊単位で独立させる(各セクションに経理スタッフが存在)」「参謀はあらゆる分野に意見具申する責任と義務を有する」「中央将校が第一線将校より有能とのコンプレックスを克服するシステムとして"原隊戦友システム"が導入されている」「指揮官(リーダー)は、”地獄”から帰った(地獄を見た)人で、かつ”智、仁、勇、信、厳”の資質を有し戦略眼(独特の勘)と決断力を天与の才として兼ね備えている人が適任である」「作戦、計画立案、適切な状況判断には基本的な思考セオリーがある」等々の原則があり、それを氏が大学教授のように体系的、整理整頓して解説されている。
 著者が長年軍事学の研究をされてきただけあって、やや大学の教科書的な匂い(共通法則、原則の提示)が強いのだが、改めて氏の研究結果を「統帥(指揮)」に焦点を当てて体系的に詳述した本(「名将たちの戦争学」と「勝つための状況判断学」を合体させてブラッシュアップさせた)として理解すればよいだろう。
 ただ、日立製作所に勤務された経験を持ちながら、そのまま軍事用語を使用しているので中には読者が自分で企業社会におけるビジネスシーンの用語に置き換えて読む必要があるだろう。また、世界史の知識があればなお理解が深まると思う。
 この書を有効活用できるかできないかは読者にかかっている、そういう本だと恩う。
蛇足だが、松村氏の経歴からみると現在71歳だと思われるが、恐ろしく頭脳明晰ではないだろうか?たぶん、数学が得意なはずだ。
 
 

春・夏物のスーツ(NEWYORKER)

2005-02-12 | オシャレ系
 暦の上では立春を過ぎているが、まだまだ寒さが続いてる。寒いのが大嫌いな私としては早く春になって欲しいと思っている今日この頃だ。
 さて、唐突だがシェラトンでランチを食べた後、妻と話していてひょんなことから「春・夏物のスーツを探そう」ということになった。というのも既に持っている春・夏物のスーツのうち二着が古くなっており今年の春・夏を着まわしてゆくのに十分とは言えず、せめて一着は買っておかないと同じスーツを着る頻度が高くなってしまい最低限のビジネスマナーに反してしまう。したがって、財布に余裕があって衝動的に購入した訳ではなく、必要に迫られて購入せざるを得なかったというのが正直なところだ・・・(苦笑)。
 ということで、スーツのブランドはたくさんあるが「TOMORROWLAND」「PaulStuart」「NEWYORKER」のお店をブラブラして気に入ったスーツがあったら試着して購入するか検討しようと思った。

TOMORROWLAND
PaulStuart
NEWYORKER
※1 TOMORROWのサイトは他のサイトに比べて取り扱い品目の一覧性に乏しくやや難あり
※2 春、夏物のスーツは掲載されていなもよう

 オーソドックスに三つボタンのネイビースーツを念頭に入れてお店を回ってみた。
ポールスチュアート、トゥモローランドでは”ビビ”ッと来るものが無かった(グレー系が多かったり、ストライプが太すぎたり・・・)。ニューヨーカーでは、一応、オーソドックスな三つボタンのネイビースーツがあった。画像にアップしてあるのがそれなのだが(照明で反射してしまった)、ディスプレイ上はオーソドックスながらそれなりに見栄えがするのだが上着だけ試着してみると「就職活動中デスッ!」みたいになってしまいどうも気に入らない・・・(笑)。また、身幅がややゆったり目に作られているようでシャープかつスマートな印象がイメージできなかったのでボツにした。
 代わりに目にとまったのがペンストライプが入った三つボタンのネイビースーツで段返りなっており(第1ボタンは留めずに着るようなスタイル)シャレっ気が感じられるものだった。チョークストライプ(”・・・・”な感じの線)ではなくペンストライプ(線がクリア”-”で細い)な点が良かったのかもしれない。私は、流行に左右されるのが嫌で、ある程度普遍的なデザインやスタイルが好みなのだが、1着くらいチョークストライプのスーツを持っていても良いだろう、ということで試着してみた。
 すると身幅も気持ち細めに作られているようでパンツも太すぎず、細すぎずバランスがとれていて、ネイビーカラーがビジネスライクな締まった印象を与えながら、ややジャストフィットなスタイルにペンストライプがオシャレ感を演出し、生地感も感じ取れて「まあまあ」のイメージが浮かんだ。ということで購入を決断。裾と袖位置を正確に合わせてもらい来週に仕上がり予定となった。
 当たり前だが、外見は人を判断する上で非常に重要な要素で、特に人と会うのが仕事の営業のような外回りの仕事はスーツ選びは非常に大事になってくるというのが私の個人的な見解だ。書店に行けば、営業関係の本などで外見の重要性を訴える書籍はたくさんでていると思う。当然、ネクタイが曲がっていたり、シャツが皺だらけなどというのは営業マンならずとも問題外だろう。私と同じセクションで営業成績が良い人は大抵オシャレに気を使っている。
 自分が与えたいイメージにあったスーツをセレクトして、少なくとも卑屈になる必要のない良いスーツを着て気持ちよく仕事に励みたいというのが一般的な感覚だろう。
 その意味で、ニューヨーカーはどこの百貨店でも販売されているし、特に高くもなく安くもなく品質も悪くはないのでスーツ選びをする上で選択肢の1つに入れて「外れはない」だろう。
 ※ちなみに1番低い価格帯のスーツはお勧めしない