調査員の「目」

 日常の何気ない雑感とつれづれ日記。

増税の前に本当にやれることはないのか?国民を舐めるな。

2011-02-26 | 日記・雑感系
 新潮社のForesightの下記web記事が今の民主党政治に対する的確な捉え方をしている。

「財務省的思考」で国民の信頼を失う民主党(Foresightコンテンツ-新潮社ニュースマガジン)

 租税収入より国債などの国の借金による税収の方が多い危機的な財政状況では徹底した歳出カット~公務員のリストラや人件費の削減、国有財産の売却、特別会計の圧縮~を行った上であれば(という条件付きで)、増税せざるを得ないのは仕方がない・・・。

しかしながら「消費税」増税をアナウンスしておきながら、なぜ法人税は減税なのか?
1990年(平成元年)に約18.4兆円あった法人税収が、2010年(平成22年)では約6兆円(予算時点)と約1/3(財務省HP)にまで約12.4兆円(消費税5~6%分相当)も減っているではないか!!!

景気動向があるにせよ、自民党がいかに政治献金や票を目当てに財界(経団連等)に媚びへつらい(法人税を減らし)、持ちつ持たれつだったのが見て取れる。いわゆる政-官-財のトライアングルというやつだ。

 本当に財政危機ならば所得税増税+消費税増税+法人税増税など、あらゆる税金が増税ではないのか?

 法人税に関しては国内の企業の多くは赤字法人で税金を払っていない(上記財務省HPの通り)。かつ欠損金の繰り越し制度があるため、過去の税務上の赤字分を翌年度以降に繰り越して税金を免れることができる。メガバンクなどはあれだけ利益を稼ぎながら昨年まで税金を払っていない。

 その不足分を消費税で国民に負担させようという点が国民を舐め腐っている点だ。

 大企業の広告費に依存する日経新聞などはしきりに消費税増税(に理解を示すのが良識な社会人であるかの雰囲気)を煽る一方で、法人税の増税には「国際的に高すぎる法人税」「企業の競争力を阻害する」などを理由に絶対に反対する。昨年の参院選で民主党が惨敗したのは間違いなく、管直人が唐突に消費税増税を口にしたことが大きな要因だったが(増税で景気が良くなる、と財務官僚の操り人形のような極めて愚かなことすらいっていた(笑))、経団連の米倉会長を記事に出して「消費税増税が敗因ではない」としきりに擁護させていた。

 舐めている。こども手当をバラマキと批判するが無意味な公共事業の方が死ぬほどバラマキだろう。あれだけ財政破綻の危機を煽りながらだ。
 
 その意味で2009年の衆院選でそれまでの自民党政治(官僚政治)に嫌気がさして、多くの国民は「脱官僚依存」と「天下り排除」によって無駄を徹底的に見直すことで財源を確保し「子ども手当」や「高校無償化」などの自民党ではできそうにない政策を標榜した民主党に「消去法的(自民党は嫌だけどほかにもないから)」に票を投じたはずだった。

 増税するにしてもその前には必ずセットで行政の無駄排除や国家公務員の削減、公務員の総人件費の削減をしてくれ、という国民の声が(ワーキングプア現出のような小泉-竹中弱肉強食構造改革政治を終わらせてくれという声も)あったはずだ。その声を継承して政治を進めようとしたのは間違いなく鳩山や小沢だった。

 おそらく、小沢が総理大臣だったら財務官僚だろうが何だろうが首根っこを押さえつけてでも特別会計も含めた歳出改革を行えたはずだった(少なくとも管直人よりは)。当初、官僚達は自分たちの既得権益を侵しそうな民主党を警戒してサボタージュするなど嫌がらせを露骨にしていた、と当の官僚自身が週刊誌や月刊誌で正直に告白している。普天間の基地移転の問題でも外務省や防衛省、財務省など官僚たちのほぼ全てが「辺野古移転」を絶対に譲らなかったという。「方便」とは四面楚歌だった鳩山の無念さ・恨み節から出た言葉だろう。

 自分たちの利益(官僚機構・記者クラブなどを持つ大新聞・テレビなどのマスゴミ)を脅かしそうな鳩山-小沢に対して、「普天間基地移転(鳩山は可能な限り沖縄県民のことを考えていたように見える)」「政治とカネ」をもとに読売・朝日・毎日、産経・日経などによる「世論調査」で徹底した攻撃を行い、ついに鳩山-小沢を失脚させることに成功した。

 その後の菅直人の目も覆いたくなるようなバカさ加減はいわずもがなだ(「乗数効果」を説明できなかったから、財務官僚の軍門に下らざるを得なかった小人だ)。再度言うが、2010年の横浜APECでの胡錦涛との「メモ読みながら国辱会談」youtube~APEC日中首脳会談 管直人の醜態が最たる例だ(胡錦涛はスーツのボタンを外している)。

 仮に小沢が金に汚い男だったとしても、メモを見ながら会談することはなかっただろう。いや、小沢でなくとも普通の政治家であればメモを見ながら会談することなどは一国の総理としてはあり得ないだろう。故・小渕総理などは江沢民による晩餐会での謝罪要求を堂々と拒否したではないか。だとすれば、「政治とカネ」と騒がれている小沢の方が日本の対外的な国家の威信を守るためには、クリーンとされる管直人に比べればまだマシだったのではないか?
 
 管直人のぶら下がりの総理記者会見のあのひきつったうすら笑いを見ていると本当に気持ち悪くないだろうか?是が非でも権力にしがみつこうとする心の卑しさが人相に表れている。一国の総理の器ではない。上記Forsightの記事にある通り、今では「脱官僚依存」や「天下り排除」などのスローガンは管直人や他の閣僚、民主党の幹部たちから一切聞かれることはなくなった。ついには「消費税増税」だけでなく、いつのまにか「平成の開国(?バカを言うな)TPP参加」まで声高に叫ぶ始末。

 国民の声(期待)とは全く違う方向に進めている管直人(および仙石、岡田などの民主党幹部連中)にもはや正統性はない。一秒でも早く辞めてくれ。

 完全に財務省(官僚)主導内閣(政治)に戻ってしまった・・・。与謝野が内閣に入り、社会保障と税の一体改革を進める「集中検討会議」の民間委員に柳澤元厚生労働大臣(旧大蔵省出身)が入っていることがその証明だ。

 なぜ、マスゴミはお得意の世論調査で管直人の支持率が20%を切っていることを強調して退陣を煽らないのか(毎日だけ少し強調したが)?不支持が60%を上回っているそうだ。なぜ、マスゴミは「政治とカネ」の追及のように、管直人がこれだけ不支持で嫌われている点を強調しないのか?記者クラブの既得権益にしがみつく官製御用新聞・テレビよ、国民に真実を伝えない大新聞・テレビよ本当に死んでくれ(潰れてくれ)。戦前の大本営発表と全く変わっていない。国民は戦争に負けてからようやく新聞・ラジオが真実を伝えていなかったことに気づいた。

 果たして今日、新聞・テレビが自由に真実を伝えているのだろうか?

 ああ、管直人ら今の民主党政権を支持している財務省などの官僚機構やその意思を忖度するテレビ・大新聞、弱肉強食路線に戻したい経団連らが改心するのはいつの日か・・・?どうせ改心する訳もないだろうから、いずれ天が罰をくだすだろう・・・。

 管直人が辞めても、どうせ次はアメリカにお墨付きを与えられた前原が総理の椅子に座り、ますます国民の声とかけ離れた政治を進めて行くのだろう・・・。