「大国の明日 シュミットが読む勝者と敗者(原題は「未来の大国」 ヘルムート・シュミット 五十嵐智友訳/朝日新聞社)」2,200円
著者 ヘルムート・シュミット氏
1918年ハンブルク市生まれ。ハンブルク大学在学中に社会民主党入党。1969年からドイツ連邦共和国(旧西ドイツ)国防相、経済相・蔵相、1974年首相就任。3選・8年余の在任中、主要先進国首脳会議(サミット)の創設、欧州通貨統合(ユーロ)の推進に努めた。退任後は世界OBサミット結成や、週刊評論新聞「ディー・ツァイト」発行人としての著述活動を通じて、国際政治問題に発言を続けている。
主な著書に「シュミット外交回想録」「ドイツ人と隣人たち-続シュミット外交回想録」「グローバリゼーションの時代-21世紀への最大の課題に挑む」など。
目次
はじめに
第一章 未来について知りうることと知りえないこと
1 暗いシナリオ
2 さまざまな展望
3 世界が直面する危険
4 人口爆発とその結果
5 科学および経済のグローバリゼーションの帰結
6 国際金融市場の脆弱性
7 国際武器取引の影響
第二章 アメリカ帝国?
1 なぜアメリカは嫌われるのか
2 アメリカ帝国主義の源流
3 アメリカの強さと弱さ
4 世界を覆うアメリカ資本主義の優位
5 アメリカの戦略選択
6 EU、北大西洋同盟に対するアメリカの選択
7 イスラムとの対話か、それとも「文明の衝突」か
8 アメリカの不透明な対ロシア・対中国戦略
9 先導役としてのアメリカ
第三章 アメリカ以外の大国の進展
1 歴史と人間
2 経済発展を続ける中国
3 日本の対中国・対米関係
4 中国とアメリカ、東南アジア
5 インド、世界最大の人口へ
6 中東、イスラムと石油
7 ロシア-宙に浮く世界大国
8 世界の周辺諸国の無力感
9 ヨーロッパの困難な自己主張
結びの考察-ドイツのヨーロッパ人の視点から
1 現実主義で考えるアメリカと中国
2 多国間主義による国際法と国連拡充
訳者あとがき-もう一つの世界の見方-
(247ページ)
元西ドイツ首相にして「現実主義政治家」と呼ばれたヘルムート・シュミット氏の著作(原著は2004年7月に発刊)。「現在の世界の主要な出来事の相互関連をヨーッパの視点から説明、明日の世界の核心となる利害関係とその動向の見取り図を描いた」とされる。
シュミット氏は現在87歳か?1918年生まれとなっているので、日本で言うと中曽根安弘元首相と同い年となる。恐ろしいな・・・(笑)。上記の通り、ヨーロッパ(エリート)の視点から見た世界が直面する危険とアメリカを中心として世界的な俯瞰を通した氏の大まかな見解が明らかにされている。
日本についての氏の見解もあり、「日本は(帝国主義の時代)、隣国の全てにひどい仕打ちをし、それを隣国はいまも覚えている」「政治指導者の多数は依然として、かつての戦争の勇者たちと何人かの軍部指導者たちをあからさまに崇拝している」などとの記述に違和感を覚えるが、要はドイツの元政治家(長老)-ヨーロッパ-が世界を(特にアメリカを)どのように見ているか、を示す一つの資料になるだろう。
著者 ヘルムート・シュミット氏
1918年ハンブルク市生まれ。ハンブルク大学在学中に社会民主党入党。1969年からドイツ連邦共和国(旧西ドイツ)国防相、経済相・蔵相、1974年首相就任。3選・8年余の在任中、主要先進国首脳会議(サミット)の創設、欧州通貨統合(ユーロ)の推進に努めた。退任後は世界OBサミット結成や、週刊評論新聞「ディー・ツァイト」発行人としての著述活動を通じて、国際政治問題に発言を続けている。
主な著書に「シュミット外交回想録」「ドイツ人と隣人たち-続シュミット外交回想録」「グローバリゼーションの時代-21世紀への最大の課題に挑む」など。
目次
はじめに
第一章 未来について知りうることと知りえないこと
1 暗いシナリオ
2 さまざまな展望
3 世界が直面する危険
4 人口爆発とその結果
5 科学および経済のグローバリゼーションの帰結
6 国際金融市場の脆弱性
7 国際武器取引の影響
第二章 アメリカ帝国?
1 なぜアメリカは嫌われるのか
2 アメリカ帝国主義の源流
3 アメリカの強さと弱さ
4 世界を覆うアメリカ資本主義の優位
5 アメリカの戦略選択
6 EU、北大西洋同盟に対するアメリカの選択
7 イスラムとの対話か、それとも「文明の衝突」か
8 アメリカの不透明な対ロシア・対中国戦略
9 先導役としてのアメリカ
第三章 アメリカ以外の大国の進展
1 歴史と人間
2 経済発展を続ける中国
3 日本の対中国・対米関係
4 中国とアメリカ、東南アジア
5 インド、世界最大の人口へ
6 中東、イスラムと石油
7 ロシア-宙に浮く世界大国
8 世界の周辺諸国の無力感
9 ヨーロッパの困難な自己主張
結びの考察-ドイツのヨーロッパ人の視点から
1 現実主義で考えるアメリカと中国
2 多国間主義による国際法と国連拡充
訳者あとがき-もう一つの世界の見方-
(247ページ)
元西ドイツ首相にして「現実主義政治家」と呼ばれたヘルムート・シュミット氏の著作(原著は2004年7月に発刊)。「現在の世界の主要な出来事の相互関連をヨーッパの視点から説明、明日の世界の核心となる利害関係とその動向の見取り図を描いた」とされる。
シュミット氏は現在87歳か?1918年生まれとなっているので、日本で言うと中曽根安弘元首相と同い年となる。恐ろしいな・・・(笑)。上記の通り、ヨーロッパ(エリート)の視点から見た世界が直面する危険とアメリカを中心として世界的な俯瞰を通した氏の大まかな見解が明らかにされている。
日本についての氏の見解もあり、「日本は(帝国主義の時代)、隣国の全てにひどい仕打ちをし、それを隣国はいまも覚えている」「政治指導者の多数は依然として、かつての戦争の勇者たちと何人かの軍部指導者たちをあからさまに崇拝している」などとの記述に違和感を覚えるが、要はドイツの元政治家(長老)-ヨーロッパ-が世界を(特にアメリカを)どのように見ているか、を示す一つの資料になるだろう。