調査員の「目」

 日常の何気ない雑感とつれづれ日記。

年度末・期末・月末

2005-03-31 | 取材日記
 2004年度最後の日、定年される方や人事異動される方、営業成績の最後の追い込み、社内での重要なプレゼンの日、など3/31は世の中どこか慌ただしい。私も最後の追い込みということで自分の仕事に励み、よい結果を得る事が出来きた。

耳鼻科に行く

2005-03-30 | 日記・雑感系
 鼻水・鼻詰まりが極端にひどく仕事にならなかったので、加えて銀行に行く用事もあったため午前半休。近所で評判の耳鼻科に行った。9時に診察券を入れて銀行に行き、再度病院を訪れると「1回呼んでしまいました」とのことで、さらに30分待たされる事に。
 診察室に呼ばれ、名医と評判の先生の診察(50歳半ば)。画像にUPしてあるような診察器具を鼻にいきなり突き刺してきた!どんな診察をされるのか分からず、全く準備していなかった私は「ウゥゥ・・・」と唸り声をあげてしまった・・・(笑)。花粉症と咳で一緒に来ていた妻曰く「小学生でも我慢して”声”は出さないのに、何が”ウゥゥ・・・”よ。声に出して恥ずかしい」と嘲笑されてしまった。
 そんなことを言われても椅子に座った途端、いきなりあんな長いものをぶち込まれるなんて知らなかったんだから仕方ない。しかも、さらに似たような診察器具を再度鼻の奥に突っ込み薬を注入したり、鼻水を吸い取ったりと目と目の間がかなり痛くて死にそうだった。
 診察結果は「アレルギー性の副鼻腔炎」とのこと。まあ、アレルギーによって鼻の奥が炎症してしまったってことだ。診察終了後、両鼻に器具を入れて自分で持ち2~3分間消毒するようなことをやった。耳鼻科では必ず見かける光景だ。

 その日は、鼻の通りは元通りになった。さすが名医だ。今、薬をちゃんと飲んでいないので完璧ではないが、まあ、水曜日までよりかは改善している。
 

Time to Say Goodbye(タイム・トゥ・セイ・グッバイ) ♪サラ・ブライトマン

2005-03-29 | 音楽系
 疲れた時によく聞く癒し系の曲。
『Time to Say Goodbye(タイム・トゥ・セイ・グッバイ) ♪サラ・ブライトマン♪』
公式試聴サイト
 私は、この曲がホントに好きで(最近はあまり聞いてないんだけど)昔はソファーに寝転がり最高にリラックスして目をつぶりながら何度も何度も聞いていた。特に最初の前奏の部分のゆったりとした音色。この前奏(1~22秒)を聞いていると、老いた自分をイメージして、家族に囲まれて看取られ「し、幸せな人生だったよ・・・」と涙をためながら息を引き取ってしまう、そんな訳のわからない「人生最後」のイメージが幾度となく湧いてきた・・・(笑)。後半のサラとANDREA BOCELLI アンドレア・ボチェッリのテノールの高音域も良いんだけど、ちょっと騒々しく感じてしまうんだ。
 私は新婚旅行が「イタリア・ギリシャ」だったんだけど、移動中のバスの中でも添乗員が気を聞かせたのか、自分が好きなだけなのか流していたことを覚えている。日本では、1999年に「スバル・ランカスター」のCM曲に使用されて多くの人に聞かれることになったようだ。「feel」というアルバムに入っている。
 
 まあ、とにかく良い曲だ。

 

東横線人身事故

2005-03-28 | 日記・雑感系
 今日は、朝から東横線元住吉駅で男性が飛び降り自殺をしたらしく人身事故の影響で電車が動いていなかった。わざわざ遠回りして会社に行ったが、頼むから電車への飛びこみだけはホント勘弁してくれ。今日の事故では四万人の足に影響が出たそうだ。東横線の方々も「お詫び申し上げます」などと謝罪アナウンスを流していたが、別に東横線は悪くないだろ、と思ってしまった。

 大体、社会への迷惑のみならず、残された家族には「億単位」の賠償金が請求されるのだから・・・。

 不謹慎かもしれないが、これが本音だ。

 雨も降るわ、月曜から最悪のスタートだった・・・。

『日本の国境/山田吉彦著(新潮新書)』

2005-03-27 | 書評系
 週末のまとめ書き。先週読んだ本の勝手な書評。
「日本の国境(新潮新書)」
714円
著者:山田吉彦氏
1962(昭和37)年千葉県生まれ。学習院大学卒。金融機関などを経て日本財団(日本船舶振興会)に勤務。海洋船舶部長。日本の海上保安体制、現代海賊問題などに詳しい。著書に『海賊、マラッカの嵐の中で』『天気で読む日本地図』『海のテロリズム』など(以上、裏表紙より)。

 プロローグ
第1章 海洋国家日本の肖像
第2章 日本の国境を行く 
    沖ノ島島
    石垣島
    大東諸島
    根室・羅臼
第3章 領土紛争最前線から
    尖閣諸島
    対馬  
    竹島  
    北方領土
第4章 「日本の海」を守る
    あとがき(以上203ページ)
    主な参考文献

 北朝鮮の不審船との銃撃戦、中国の潜水艦の領海侵犯、つい最近ではマラッカ海峡で「韋駄天」乗組員が襲撃されたり、韓国の馬山市が「対馬の日」などという条例を可決するなど、「国境」を巡るニュースが新聞やテレビで取り上げられるが、国境を巡る最前線の現場では実際にどのようなことが起きているのか?

 この本はその問いに答えてくれる タイムリーな良書である。

 特に第2章・第3章のそれぞれの国境の最前線に当たる島々のレポートが、大学助教授がフィールドワークに出掛けて丹念に描写したような文章で写真も掲載されているので、より読者の想像力を書きたて面白い(3章の歴史的事実も重要)。また、沖ノ島の排他的経済水域を確保するためにチタン製のネットで保護されていたり、根室・羅臼では「勤労やくざ」の方がいたり、と都会で普通に生活していると知り得ないことが書かれていて参考になる。
 
 そして第4章では、沿岸警備に関わる国の関係省庁が一元化されていないことによる弊害に警鐘を鳴らし、根本的な国家としての海洋政策をも包含した政府機関の一元化と責任者となる担当大臣の任命を提案している。

 おそらく著者の山田氏は誠実な方だと思う。また、日々の国境警備(沿岸警備)に当たる海上保安庁の職員の方々にも敬意を表したくなった。こういった職員の方々にこそ税金を使ってでも給料や賞与を高くすべきだ。
 
 多くの日本人に読んで欲しい良書です。

22時25分までに帰ったが・・・

2005-03-25 | 日記・雑感系
 サッカーワールドカップ予選「日本対イラン」をテレビで見るため仕事を家に持って帰って22時25分に家に着いたのだが、結局、負けてしまいましたね。
 12万人の「漢(おとこ)」たちのパワーに圧倒されてしまったのだろうか。残念。

 全然関係ないが、日本ではジェンダーフリーなどという奇怪な説を唱える人がいるようで、つい最近、国会の質疑でも女性議員が「行き過ぎた性教育」について小泉首相に質問していて「これはおかしいですね~」などと首相が困惑して答弁していた場面がテレビで放送されていた。で、そういった考えをもつのは勝手だから別にいいんだけど、社会的システムとして国の法律を根拠に一方的にジェンダーフリー教育をされるのはちょっと待てと、税金を返せと言いたくなる。性差を無くそうだなんて自然の摂理に背反する愚かな思想以外の何物でもないでしょ。
 歴史上、レーニンがロシア革命直後に男女の役割分担を決めず、皆同じ服装をして農作業も家事も全員で行い、結婚や家庭は男女間に階級差を生むとして否定し、フリーセックスを奨励して生まれてきた子供を全員で育て、その結果、私生児が何万人も生まれ少年犯罪や性犯罪が激増して社会が混乱に陥ったという。
 数年前、「ニューズウィーク(日本版)」の先頭のページ(有名人の発言一言が載っている)でアメリカの有名女性解放運動団体の指導者(女性)が結婚して「結婚ってこんなに素晴らしいとは思わなかった」みたいな主旨のコメントが掲載されていて、それを読んで私は「何だコイツは!?」と呆れた記憶がある。
 で、話を元に戻すと、学校教育でジェンダーフリー教育みたいなことをしているとサッカーなどのスポーツで将来的にイスラム教の国々に全く歯が立たなくなってしまいそうだ・・・(笑)。

 ジェンダフリーや極端な男女平等思想を唱える女性って何でもかんでも男が悪い、社会が悪いって人のせいにすることばかりに舌鋒が鋭く、大いに疑問だ。社会的混乱が広がるということが実証されているのに何故ジェンダーフリーなのだろうか。実際、日本が戦争になったときに「ジェンダーフリー」「男女平等」ってことで体を張って命懸けで戦う勇気を持っているなら大いに支持するけどね・・・(笑)。どうせ、自分に不利になる場合にはその主張を隠してどこかに逃げてしまうんだろうから性質が悪いね。思想は自由だけど、国や自治体の行政にはタッチして欲しくない。
 
自分の子供に対する実験に留めてくれ。

「売り続ける営業(プレジデント05.4.4号)」

2005-03-24 | 書評系
 本屋を歩いていて「売り続ける営業」という特集を組んでいた「PRESIDENT(05.4.4号)」が目に止まったので買ってみた。様々な業界でトップセールを維持し続ける13人の方のアンケート一覧や一人一人に対する取材記事が掲載されていた。
 
 参考になりそうであまり参考にならなかったというのが正直なところなんだが(笑)、読み物としては面白い。
 「日曜の夜に何をしてますか?」という問いに対してクラブツーリズムで霊場巡りツアーの企画No.1の諏訪さんという方は「先祖に手を合わせて感謝する」と書かれていて「う~ん・・・」と唸ってしまった(笑)。ご先祖さんのパワーもあるのかな・・・。
 単純に凄いと思った方の記事は二人。

 大同生命の船津さんという女性営業担当の記事。5,000人の営業職員のうちわずか3.5%(175人)しかいない「特別参事A」というクラスにランク付けされているだけでなく、全世界で働いている生命保険営業職のうち毎年業績トップ6%のメンバーで構成される「世界百万ドル円卓会議(MDRT)」の会員なんだそうだ。飛びこみ営業で毎日30件以上訪問するらしい。それでトップクラスの成績を維持し続けるのって本当に凄いんだろうな。知り合いで某外資系生保会社に勤務していた人がいるが、その人も毎週新規3口の契約を2~3ヶ月続けた、と言っていたが(結局、転職したんだけど)よく契約とれるよな~。
 
 そして、「三日に1台ベンツを売る」と紹介されていたヤナセの河野さんという方の記事も興味深かった。ガタイも良さそうで「強さと優しさを併せもったライオン」と書かれていたが、写真を見るとまさにそのような印象をかもしれない。それにしても3日に1台って(もちろん平均値だけど)、裕福な方が複数台購入するんだろうな。所得格差も開いているしね。

 営業に関する本はたくさん出ているけど、どうなんだろう。私も結構読んでいるが、ここら辺の考察はまた機会があったら書いてみよう。

 
 

東京駅・京葉線ホームの深さについて

2005-03-23 | 取材日記
 京葉線に乗らざるを得ない機会がった。丸ノ内線で東京駅についてから京葉線のホームに辿り着くまで10分くらいはかかったのではないか。物凄く深いし、遠いし、東京から京橋・銀座一丁目くらいの距離は普通に歩いたと思う。
 毎日、京葉線で東京駅に通勤されている方は偉いですね。八丁堀で有楽町線に乗りかえる方も多そうだな。そんなことを考えながら、地下深い通路を足早に歩く私だった・・・。

『十八史略~激動に生きる強さの活学~/安岡正篤著(PHP文庫)』

2005-03-22 | 書評系
 勝手な書評。
「十八史略~激動に生きる強さの活学~/(PHP文庫)」700円
著者:故・安岡正篤氏(1898~1983)←「終戦の詔勅を起草または推敲した」とか「平成の元号を考案した」とか「歴代総理のご意見番」など様々なことが言われる陽明学の泰斗・哲学者・偉人。

 序章 中国古賢・先哲の智慧 
 第1章 三皇五帝・三代の治 
 第2章 中国思想の淵源 
 第3章 春秋覇者の台頭 
 第4章 戦国時代の英傑

 前述の通り、故・安岡正篤氏は陽明学の泰斗で本屋にいけば「安岡学」ともいうべき氏の著作や後継者の方々と思しき人の本など多く並んでいるが、手に取りやすい文庫本ということで紹介。
 
 漢字の成り立ち・意味の本質に始まり、中国史に関する非常に深い知識、そして、中国大陸の王朝の興亡を背景とした中国人のメンタリティ・風土の開設、日本人との違い、故事成語の深い意味合いなど氏以上に深い哲学的知見を基にした解説というのはないと言っても過言ではないだろう。
 
 上・下巻が出ているが、上巻では目次の通り中国における伝説上の帝王である太コウ伏羲氏・炎帝神農氏・黄帝軒轅氏、少コウ・顓頊(センギョク)・帝嚳(テイコク)・尭・舜の 「三皇五帝」から周の滅亡までを取り扱っている。
 周の項では、大公望呂尚や周公旦なども出てくるし、春秋時代の項では孟嘗君、斉の田氏、戦国時代では縦横家の蘇秦など故・安岡正篤氏の解説で読めるので全くもって損はないだろう。

『国盗り物語(一~ニ)斎藤道三編/司馬遼太郎(新潮文庫)』

2005-03-21 | 書評系
 中国の歴史小説についてつまみ食いをした本を紹介したので、目を西に向けて塩野七生さんの「ローマ人の物語」でもUPしようかと思ったが、とりあえず日本人なので日本史に関連した本の紹介にする。今回は、日本史を司馬遼太郎さんの小説で振り返るシリーズにする。
 今、NHKの大河ドラマは『義経』が放送されているので、文春文庫から出ている「義経」から振り返るのが時流に乗ったところなのだろうが、読んでないし時流におもねるのが大嫌いなので省略・・・(笑)。では、どこの時代から読み始めるかとすると誰でも知っている戦国時代初頭からにしよう。ということで

『国盗り物語(一・ニ)斎藤道三前・後編/司馬遼太郎(新潮文庫)』(740円)
※文字が大きくなって読みやすくなったようだ

 今年の正月にテレビ東京で国盗り物語が放送されたようだが、私は見れなかった。この「国盗り物語」の(一)と(ニ)は美濃の斎藤道三(1494?~1556)の物語である。

 斎藤道三は大河ドラマなどでは織田信長の引き立て役というか、あまりスポットが当たっていないが、この「国盗り物語」では”斎藤道三”になるまでの足跡を松波庄九郎時代(生涯で名前を13回変えたらしい)から人間臭く描いている。
 物語は、1500年初頭の京都で有数の油問屋だった「奈良屋」を乗っ取るために、松波庄九郎が奈良屋の荷頭(盗賊から油の輸送を守る護衛隊長)の生首を持っていた「青鳥帽子(あおえぼうし)の源八」を一撃必殺で殺して奈良屋の女主人・お万阿(おまあ)に恩着せがましく持っていくところから始まる。
 庄九郎はお万阿を「落とす」ために様々な”細工”をする。庄九郎の人柄と演出に魅せられたお万阿は庄九郎に惚れてしまう。有馬の湯の当時の旅館でお万阿をものにするために庄九郎は意図的にお万阿を抱くことをしない。ここら辺が笑ってしまう・・・(笑)。

「おのれは、裏山に巣食う狐であろう」 
「ち、ちがいまする」

 そして、庄九郎はののさまを初めて見ることになる・・・(笑)。小説の中ではまだ当時の斎藤道三(庄九郎)は女を知らないことになっていて、お万阿と寝る前に遊里で女を抱くすべ・芸を白妙という女性から「学ぶ」。そして、お万阿を抱いて、奈良屋の財産を手中に納めることに成功する・・・。
 奈良屋を手中に納めた庄九郎は入り婿の商人として油売りに精を出し商売繁盛するのだが、あまりに売れたため神人(じにん)という、当時油売りの許可権を独占していた神社・寺から直売権をもらっていた集団たちによって潰されてしまう。
 しかし、庄九郎の策謀により商売の許可権を持っている大山崎の八幡宮に「山屋」の商号で営業できるように認めさせ、山庄九郎と名前を改め入り婿からの立場から開放され「美濃(岐阜)」の国を盗るための足固めに成功する。
 歴史の教科書で教わったように、後に織田信長が楽市・楽座を開設して自由に商売を認めたのだが斎藤道三が若い頃はまだ神社・寺院が旨味のある商品の販売権を握っていたのである。

 とりあえず、今日はここまで(笑)。

『2008年IMF占領/森本 亮著(光文社ペーパーバックス)』

2005-03-20 | 書評系
 光文社ペーパーバックスは結構売れているらしい。以前、新聞で「-結構売れてますね-」「-ターゲットとしては・・」なんていうペーパーバックスシリーズを企画した方へのインタビュー記事が掲載されていたのを読んだことがある。『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』なんて結構売れたようで一時期書店での平積み量多かった印象がある。確かターゲットとしては「30代のデキルビジネスマン」みたいなことを言っていたと記憶している。今までの既刊リストを見てもビジネスマン向けのモノが殆どだ。
特徴は
 
 1.ジャケットと帯がないこと
 2.可能な限り再生紙
 3.本文は全て横書き
 4.文中に英語が混じる
 
 一番の特徴は「4」だと思うが、この試みは読者にどう映っているのだろうか。私は最初「読みづらいなぁ」と思ったものの慣れてしまった。というか多分読んでいる最中は英単語の認識率が日本語より低いと思う。ただ、この日本語は英語ではこういうのかと思ったときに英単語に目が止まる、という程度だろうか。別にこのペーパーバックスシリーズで英語の勉強をしようと考える人はまずいないだろう・・・(笑)。
 
 前置きが長くなったが勝手な書評。

■『2008年IMF占領-財政史から見た『日本破産』-』(税込1,000円)
著者:森本 亮(あきら)氏
 1935年、東京生まれ。1958年早稲田大学卒業後、三菱信託銀行に入行、調査部に勤務のさい、故・高橋亀吉博士に師事。1978年同行を退職して、経済評論家として独立。一貫して日本の国家財政に警告を発するかたわら、経済の未来予測を的中させてきた。「経済工学研究所」を主宰し、白鴎大学で教鞭をとる(客員教授) [以上裏カバーの著者紹介文章をそのまま転記]

 はじめに
 第1章 私は20年以上前から警告してきた
 第2章 国債暴落待ったなし
 第3章 日本銀行破産
 第4章 よみがえる「40年論争」
 第5章 この道はいつか来た道
 第6章 小泉首相は偽改革者
 第7章 2008年IMF占領
 第8章 国家破産は「破滅」ではない
 おわりに (以上238ページ)
 巻末資料

 「はじめに」で著者は、最近の「日本国破産」「預金封鎖」などに関する本は読者に危機感を植え付けることに終始し、自らの商売の種としていることを指摘した上で「あなただけ損をしない方法を教える」という志の低さを嘆き、自ら20年前から訴えてきた「財政の危機的状況」を示す論の集大成の本としてそういった類いの本とは一線を画していると自負を述べられている。
 20年前から財政危機を訴えてこらただけあってその論拠は財務省のデータなどを駆使して高橋亀吉博士に師事した「財政史家」の立場から歴史的叙述も加えて論理展開されている。かつて大蔵省事務次官を務め大蔵省のドンとも言われた ”長岡實氏”(猪瀬直樹さんの「ペルソナ」の冒頭に出てくる)からのメッセージも紹介されていたり、主催する「経済工学研究所」の定期懇話会に小泉首相(当時は普通の代議士)、武藤敏郎大蔵省事務次官(現、日銀副総裁)などが来ていた等の記述などもあり、真摯に研究してこられた姿勢が窺える。

 そうした自らの立場の一貫性を示した上で、「財政の爆発指数」という指標を使い、2005年度(平成17年度)予算で既に257、すなわち税収44兆円に対して借金の返済額(利息分+借換債)だけで113.1兆円に対し、2.57倍もの金額に達することを異常視し、国の公会計制度が単式簿記(家計簿のように現金の収支、商品の増減などだけを記入する簿記)である点に政府全体の決算ができない(資産・負債がいくらあるのか分からないためバランスシートが作れない)原因があるとして憲法改正(第7章の財政)による複式簿記の導入を提言している(かつて早稲田の創始者・大隈重信が複式簿記を導入していたが山縣有朋が単式簿記に戻してしまった歴史的史実に言及している)。
 次に、国の一般会計予算(平成17年度で約82兆円)が国会の承認を必要とするのに特別会計(一般会計との重複分を差し引いた額)歳出額が231.9兆円にも達するにも関わらず、国会の承認を必要とせず、国が勝手に使える点を問題視して郵政民営化の表面的な改革だけで終わらせそうな小泉改革を「偽改革者」と皮肉っている。確かに就任前は国債発行額を30兆円に抑えるとしていた公約を反故にしておきながら「大した問題じゃない」と言い放っていたのを覚えているし、著者も痛烈に批判している。
 そして何故「2008年」かという問いに対しては財政爆発指数が2008年に300を超えるから、すなわち前述した税収に対する利息の支払いと借金を返済するために再度借金をする借換債の合計額が3倍!(利息+借金の借り換えだけでですよ!)を超えてしまうことに加え、98年の小渕首相時代に景気対策のために発行した10年物国債の償還期限が2008年に期日を迎え、そのために1会計年度の税収に匹敵する約40兆円の借換債を発行せざるを得ないことの2点をその答えとしている。
 
 さらに、その後の想定されるシミュレートとして2つの破産処理を示してる。

 1つ目は財産税や預金封鎖
 2つ目はIMFによる日本占領政策

 残念ながら著者は後者のシナリオを予測し、アメリカの51番目の州のごとく完全属国化、1945年に続き2度目の敗戦を迎えざるを得ないと結論づける。

 では、日本が自ら財政危機を克服できずに韓国やアルゼンチンのようにIMFの管理体制に入ってしまった場合にはどのような政策が実行されるのだろうか。いわゆる『ネバダ・レポート』で示されている政策の要点が示されているのだが、ここら辺は本書を手にとって実際に読んで欲しい。

 原油価格は最高値を示し、ナフサなどの石油関連製品も値上げすることが報道され、鉄鋼価格も上昇しており、モノの価格が高くなってきている(私はインフレの予兆と見ている)。加えて、長期金利が上昇したら国債が暴落(誰も買わない)し年率数十%のハイパーインフレの可能性があることは本書に限らず数年前から専門家が指摘していることだ。

 おそらく、現実にハイパーインフレが私達の日々の生活を襲った時には「政治家が悪い」「官僚が悪い」とマスコミはスケープゴート探しに躍起になることが予想されるが、確かにそういった面もあると思うが「国よ何とかしてくれ」「公共事業をたくさんやってくれ」と税金に寄生する甘えた日本人が実は非常に多くいる(だから借金をして無駄な事業をせざるを得ない)ことや税金や郵便貯金がどのように使われているか国民の側にあまり関心がないことが原因ではないだろうか。郵便貯金は財政投融資資金として国債や特殊法人に流れ、そのうちの7~8割は不良債権化していると言われており、預金者全員が引き出しに行った場合には論理的には戻ってこないことは周知の事実だ。もちろん、新聞を見ていれば財政の危機的状況を示す報道はいくらでもあり、私自身もそこまで詳しくないが、せめてこういった本くらいは読んで現状認識くらいは最低限しておく必要があるだろう。結局、現状認識ができている人が少ないから対策を打つ必要性の論調が盛り上がらないのだから(いや、もうダメだと思っている人が多いからからもしれないが・・・(笑))。

 最後に2004年3月末の日本国の債務残高は著者の計算によれば703兆円に達するという(まあ、90年代にアメリカに借金をしろと迫られたってのもあるけどね・・・)。

 まあ、読んでみて損はないと思う。

有隣堂・恵比寿(アトレ5階)

2005-03-19 | 書店系
 恵比寿の駅ビル(アトレ)5階にある有隣堂に行った。この書店は、まあまあ広い方だと思うが㎡数が分からない。ルミネ横浜5Fの有隣堂と大体同じ広さだと思う(ちょっと横浜の方が広いかも)。店舗の作りは凹タイプ。相変わらず左から回って行く。店に向かって左側が政治、ビジネス、資格・コンピューター系。真中手前(左)がハードカバー物、(右)が週刊誌・雑誌系、店舗に向かって右側が文庫・新書系、奥が高校の参考書や英語、漫画など・・・。
 場所柄か20代の女が多いような気がする。女性誌のエリアはいつも混んでいる。照明も明るくて良い。
 
 営業時間◆ 10:00~21:30
 【日・祝】 ◆ 11:00~21:00

恵比寿ガーデンプレイス

2005-03-19 | 日記・雑感系
 定期を持っているので恵比寿に散歩しに行った。大体、駅ビル(アトレ)の5Fにある有隣堂に行き、次にガーデンプレイスに行って、TOMORROWLANDやPaulstuartの服を見て、エクセルシオールでコーヒーを飲みながら本を読む・・・、なんていう行動を取るのがパターン化している。

 昨日は天気も良かったので気持ちがよかった。

 しかし、六本木ヒルズができたせいか恵比寿ガーデンプレイスは人が少ないなぁ・・・。元々、駅からちょっと遠いというのがネックだと思うね。別にガーデンプレイスに「何かがある」って訳ではないからね。逆に混んでないから、エクセルシオールも空いているかな、と思っていたらほぼ満員だった・・・(笑)。でもゆっくりできていいね・・・。

本郷三丁目・坦々麺(店の名前を忘れた)

2005-03-18 | 食事系
 丸の内線「本郷三丁目」駅から徒歩4~5分の春日通りに面したラーメン屋に行った。店の名前を忘れたのだが、店の前に坦々麺グループとラーメングループの写真が貼ってあって、吉野屋みたいに店の中が凹のかたちになっていた。たしか四川坦々麺が850円で、昼時はごはんが無料のようだ。人工着色料がガンガン入ってそうな業務用の沢庵が置かれていて、中国人女性従業員が接客してれくるお店だ。

 実食・・・。

ほんの少し辛い。味は普通。でも「坦々麺」という感じがして良いと思った。

 ちなみにラーメンを食べに本郷三丁目に行った訳ではない・・・(笑)。

書泉グランデ・神田神保町

2005-03-17 | 書店系
 三省堂に行ったら「書泉グランデ」にも寄ってみる。勝手な印象だが、この書店の客層はややマニアックな人が多いと思う。地下1階がアニメ・アイドル写真集などを扱っている(行った事がないが案内板に書いてる)、4階のフロアがやや怪しい・・・(たまにエレベーター前でグッズを売っていたりする)からだろうか。
 
 棚と棚の間が狭いのだが、本は充実している。本に「囲まれる」錯覚を与えてくる書店だ・・・(笑)。