調査員の「目」

 日常の何気ない雑感とつれづれ日記。

良い天気なのに社内タスク

2005-01-31 | 日記・雑感系
 今日は、天気が良かったのに社内で仕事をしていた。あれだけ天気が良いのに社内にいると、ちょっと散歩に出かけてしまいたくなる(笑)。思わず、終業時間後の夕方にコーヒーを飲みに行ってしまった。もう夕方だったのでいささか味気ない・・・。
 明日は、2社訪問予定があるので、寒いらしいが良い天気で外を歩かせて欲しい。

「考え方の心技体~三要素の使い分け」 (山本真司さん講演会)

2005-01-29 | ビジネス系
 一昨日の木曜日(1/27)、「30歳からの成長戦略」「40歳からの仕事術」などの著書で有名な山本真司さん(A.T.カーニー ヴァイス・プレジデント)の講演会(日経産業新聞・SSビジネス講座主催)に参加してきた。
 丸の内オアゾの3階にある「日経セミナールーム」で19:00~21:00弱頃まで開催された。セミナールーム自体がそこまで広くなく、1つの机に2人座る形式で縦に3列配置されており約70名弱のキャパシティーだと思われる。
 私は、18:50頃に到着したが既に満員。しかも、参加料の手続きの定額小為替証書の記載にミスがあり受付で5分程足止めを食らった・・・(なぜ、今時、定額小為替証書なんだ?)。
 さて、講演のテーマは「考え方の心技体~三要素の使い分け」ということで、日経産業新聞に連載されている記事を掘り下げる内容である。
 しかし、私が参加した目的は、「30歳からの成長戦略」を書かれた山本氏がどのような方なのか生で見たかったというのが本音のところだ。
 19:00になり主催者の日経新聞の部長の挨拶の後、山本氏が登場し講演を始めた。外見の第一印象だが、丸みのある温和な方(人徳者)風で人から慕われそう(雅量がある)と感じた。人相的にも穏やかそうな方だった。ここら辺も15年間コンサル業界で勝ち抜いてきて達した「無欲の境地」から滲み出るオーラだろうか。
 コンサル業界は、やはり「頭脳」が求められるので、必然的に高学歴の人が多く結構プライドが高い人が多い。当然、ロジカルシンキングが出来ている人が多い一方(氏に言わせるとまだまだ、だと思うが)、自分に自信を持っている余り勝つか負けるか(オールオアナッシング)の意識が強く「論争(悪く言えば言い合い)」になることが頻繁にあると感じた(あくまで私の仕事で関わった方についての話)。
 氏も述べていたが、ロジカルシンキングだけに偏ると「大体、続かない」という。ロジカルシンキングって結構、「自分が正しくて相手が間違っている」という意識を抱かせがちで、私が担当したプロジェクトのコンサルの方は、会議中にコンサル同士で「ロジカルシンキングの対決」を始めた人もいるくらいだ(おいおい客の前でケンカするな、と!)。それ以外にも、別のコンサルではリーダーに散々食い下がるスタッフなどもいて、1つの話を進めるにも百家争鳴、侃侃諤諤【かんかんがくがく】で、コンサル社内で生き抜くのは「大変だなぁ~」と感じたものだ。
 で、そういったスタッフをまとめるコンサル側のリーダーやマネージャークラスになると当然、ロジカルシンキングのみならず人の心理状況にも配慮した対応ができている方が多いと感じた。山本氏の言葉を借りると「併せ呑む」ということだろう。そういった人は必然的に周囲の人から信頼されていく。中には、MBAを持っていてマネージャーをやっていた方だが、非常に「腹黒(野心?)」感が出ていて表面的な笑顔の裏にエゴが感じ取れて同僚などと「ちょっとなぁ~」という人もいた。ちなみに、彼の目には、ウチの会社のマネージャー層しか映っておらず、私のような若造は眼中にないようだった。
 そういった厳しい業界を生き抜いてきているだけあって、やはり山本氏が非常に知性の高い方であるのは間違いない。本にも書いてあった「一言で言って」を生で聞けたのは収穫だ(笑)。頭の良い人の特徴の1つに「要点の把握と要約力」と「適切な論理展開力」があるが、氏は19:00~20:50くらいまで休むことなくひたすらしゃべり続け、それだけでなく、論理的に話の辻褄が綺麗に整理されており、かつ、言いたい事を一言でも、いくらでも自由に話せていた(講演内容は「30歳からの~」を参照した方が早い)。
 特に私は、最近、リーダーシップや理想の上司像などに関心を持っていて、自分の会社の部門長や課長クラスのみならず周囲の人達も観察し、結構、本なども読んでいるのだが「地位に甘んじず(謙虚)いつまでも自分を高める努力をし(率先垂範)、本当に周囲のこと、全体の事を考えられる人(利他)」というのが理想、という結論に落ちついた。
 その意味で、山本さんは、理想の上司像としてもお手本になるかもしれない。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉があるが、講演終了後、希望者と名刺交換をさせてもらったが私のような若造にも丁重に挨拶して頂いて感激してしまった。
 このブログには、山本さんのブログにもリンクが貼られているので、興味がある方は参照されたい(氏の人柄が出ていて興味深い)。
 
 ちなみに、寒気がして体調が悪かったので家に帰って熱を計ったら38.1℃あり、すぐに寝てしまった・・・。

上野アメ横

2005-01-27 | 日記・雑感系
 木曜日、仕事の関係で7~8年ぶりに上野に行った。時間があったのでアメ横を通ってみたが相変わらず雑然としていた。私がマフラーをしてコートを着てバッグを持って歩いている、いかにもビジネスマン風の風体にも関わらず、海産物を取り扱っている店の主人や従業員の方々が例の濁声【ダミごえ】で「大トロ安いよ~」「カニは良いよ~」などと声をかけてきて(!)その凄まじい商売魂に脱帽してしまった(買う訳ねーじゃねーか!)。挙句の果てには、天津甘栗まで勧めてきやがって「勘弁してくれ」とそそくさと退散してしまった。
 ところで、アメ横でチョコレートなどのお菓子を重ねて袋に入れて1,000円で売っている結構、有名なお店がある。店主らしきオヤジが「さぁ~、1,000円~1,000円~、どれだけ重ねても1,000円だよ~」などと叫びながら、左手に1つずつお菓子を重ねていき最終的には10個くらいのお菓子を重ねて(高さ数十cm)集まった人に「これも」「これも」などと右手でお菓子を重ねて割安感をアピールしているのだ。
 中学生の時に見たのを覚えているが、時々、左手の方からお菓子が落ちてしまう時があるようだ。意図的か重みに耐えきれなくて止むを得ないのか分からないが、おそらく前者だろうと友達と話していた(笑)。あ~やって粗利を調整しているところを見ると中々やり手と言えなくもない。
 しかし、ほとんど外国製のお菓子で私見ながら日本人には合わないと思うが、今でも営業を続けられているところを見ると結構、リピーターもいるのだろう。う~ん、侮り難しだ。
 

【アルフレッドサージェント(Alfred Sargent)】のUチップ

2005-01-26 | オシャレ系
 今週の月曜日、会社帰りに靴屋に寄って「アルフレッドサージェント(Alfred Sargnet)」の靴(Uチップ)を買った。「アルフレッドサージェント」と言っても知っている人は少ないと思うが、1899年に靴生産で有名なイギリス・ノーザンプトン州(Northamptonshire)で創業し歴史は古く、雑誌などでは「高品質な靴を良心的な価格設定で提供している」などと紹介されることが多い。現在では、自社ブランド以外でも、OEM(相手先のブランド名で生産する方式)でラルフ・ローレンの靴などを生産している。要は、技術力は確かで相応の信用を確立しているということだ。

 アメリカの歴代大統領も愛用していたというジョンストン&マーフィー(Johnston & Murphy)の靴も持っているが、どうも「重くて」気に入らない。
 今年から本格的に外回りに勤しむことになり履きやすい靴を履くというポリシーを貫かないとやっていけない。その意味で、私にとっては、アルフレッドサージェントは履きやすく、値段も手頃で気に入っている。
 もちろん会社の近くにあるベルルッティ(Berluti)やジョン・ロブ(JOHN LOBB)で偉そうに何足も靴を買いたいが、妻子持ち兼ローン持ちのリーマンにとっては困難を極める(笑)。
 しかし、内勤・外勤問わずビジネスマンにとって靴は重要である。靴が汚いだけで他者から人間性を判断されてしまう場合も少なからずある。そんなくだらないことでマイナスの印象を与えない様に極力、良い靴を買い(自分にとって)日頃の手入れを怠らないことが大切である。
 一流の営業マンの本などを読むと決まって、外見のことに触れていて「靴」についても細心の注意を払うよう書かれているものが多い。百貨店の店員は「お客さんの足元を見ろ(靴が手入れされているか観察しろ)」と教育されているのはよく知られている(たまに露骨に靴を見てくる店員がいて、不愉快な思いをする)。
 余談だが、大学4年の時に中国一人旅(2週間 北京~洛陽~上海)で上海に行った。上海市内を「ウロついていた」時に~確か「伊勢丹」か「三越」だったかと思うが~日本資本のデパートがあったので入ってみたが、店員の中国人が私の汚れた「アディダスのスニーカー」を見ていきなりプイっと無視し始めたのには閉口した(馬鹿な教育をしやがって!)。
 そんなこともあるので、靴には注意したい。次に買うのはジョン・ロブ(JOHN LOBB)と決めている。待ってろよ。

イラクの次は「イラン」

2005-01-25 | 日記・雑感系
米副大統領 イラン核疑惑、改めて懸念 (産経新聞) - goo ニュース
 週末の新聞やネットでの報道によれば、チェイニー副大統領がイランについて『世界で潜在的に問題がある場所のリストの中で、一番に挙げられる』と述べたという。
 殆どの日本人なら感じると思うが、アメリカが次に戦争を仕掛ける国は「イラン」だろう。またもや「核疑惑」などと言っているが、核兵器があろうがなかろうが世界最強の軍事大国アメリカにとっては「核疑惑」など、戦争を仕掛ける大義名分にすぎない。そもそも、イラクにも「核兵器」はなかった。核兵器の有無により制裁対象になるのであれば、「イスラエル」も制裁対象になってしかるべきだろう(イスラエルは潜在的核保有国と言われている)。
 イランは石油と天然ガスの埋蔵量が世界第二位の産油国である。また、反イスラエル国家であるし、イスラム教の法学者(最高指導者)による宗教国家であり、同じく創造主に祝福された自由と民主主義国家アメリカにとっては邪悪な『圧制国家』に映るという(ライス次期国務長官)。
 こうなると「石油利権(オイルマネー)の支配」と「キリスト教によるイスラム教の制圧」を狙っているとしか思えない。
 しかし、本当にアメリカがイランを攻めるとなると、さすがに今回ばかりは、国際的に孤立しかねないだろう(日本は、残念ながらアメリカの良いなりにならざるを得ないが・・・)。現時点では、イギリスですら、対イランへの制裁には反対しているという。
 一方、中国と台湾の間でも、この先10年以内に戦争が起きるリスクも否定できないし、当然、インドとパキスタンも常に対立している。ロシアやEUはアメリカの国力が落ちるのを待っている戦略だろう。
 しかし、スマトラ沖大地震・津波、最近のアメリカでの寒波(友達がシカゴにいるが半端ではないらしい)などの自然災害も頻繁に起きているし、今後、世界は、ますます大混乱に陥りそうだ。

「ヨハネの黙示録」では、終末が近くなり世界が大混乱に陥ると偉大なリーダーが現れるらしい。しかし、騙されてはいけなくて、偉大なリーダーに見えるその指導者は「偽の救世主(預言者?)」だという。
 こういったことを信じている人が世界には沢山いるのだから、世の中、本当にそういった方向に動きかねないのが恐ろしい。しかし、世界貿易センタービルに航空機を突っ込むようなテロが起きるとは誰も思っていなかったように、これからも世界は何が起こっても不思議ではない。
 次は、イランだ。
 

『会社「経理・財務」の基本テキスト』

2005-01-24 | 書評系
 ほぼ最終行まで書いたのに、マウスが意図しない部分をクリックしてしまい、超長文が全部消えてしまった・・・。かなり書いたのに、時間が無駄になってしまった。すごいブルーだ・・・。何てことだ。
 仕方ないので要約して書く。
先々週、本屋を野良犬のごとくウロついていた時に買った本を紹介する。
 『会社「経理・財務」の基本テキスト(税務研究会出版局 ¥1,000)』286ページ
【監修】
・金子 昭氏
1936年生まれ。61年東京大学農学部農業経済学科卒。信越化学工業(株)入社後、38年間、一貫して経理・財務畑を歩む。
92~99年 常務取締役(経理・財務・法務・資材関係担当)
94~97年 公認会計士第三次試験・試験委員(筆記・口述)
98~2000年 金融監督庁(現、金融庁)顧問等を歴任
現在、早稲田大学大学院商学研究科客員教授。信越化学工業顧問。
なお、社交ダンス教師有資格者(96年~)だそうである。何で略歴に載せているのだろうか(笑)?お茶目な方なのだろう。金子昭氏は会計・経理に関する著書が沢山あるので、本屋で目にする機会が多いだろう。
【著者】
NTTビジネスアソシエ株式会社
http://www.ntt-ba.co.jp/

 昨年、5月経済産業省は「事業支援サービス」の市場構築を促すために、企業の経理、財務部門の業務プロセスを標準化・可視化し、業務遂行に必要なスキルを可視化した「経理・財務サービス スキルスタンダード(以下、SSとする)」を公表していたそうだ。情報技術分野でも同じく経済産業省が、IT業界に関わる人のスキルを標準化、可視化した「ITスキルスタンダード(ITSS)」を公表しているので、これからは、企業のあらゆる業務が「標準化・可視化」のターゲットにされるのかもしれない。
 本書は、SSで公表された36の項目(業務概要)のうち、特に汎用性が高い「1.売掛債権管理」~「28.資金管理」に焦点を当てて各項目ごとに
①大分類、中分類、小分類に分類された業務概要を一覧形式で指し示し
②当該業務概要の標準的な業務プロセスを簡易なフロー図で表現し
③中・小分類単位で(例:1.1与信管理-1.1.1新規限度設定)用語解説、ポイント・留意点、参考資料、法的根拠(条文)を示す
 という3つの形式で構成されている。

【役立つと思われる人】
・経理、財務部門のビジネスパーソン
・経理、財務部門の業務改善、システム化などに携わっている方、コンサル、SEの方
・経理、財務部門の標準業務を把握したい、興味を持っている人
・簿記2級を持っているが、実務に携わった事のない人
 
【使い方(私見)】
・必要に応じて辞書的に使う
・パラパラ読んで経理、財務業務のアウトラインをつかむ

 ¥1,000にしては、情報量も結構あり安いと思う。経理、財務部門に1冊置いてあっても良いだろう。業務フロー図について、やや気になる点があり、先ほどまで詳細に書いていたのだが、もうヤメル・・・。

 



「TOMORROWLAND」のシャツ

2005-01-23 | オシャレ系
 私は、公私ともに「TOMORROWLAND」の服を着ることが多い。特に、シャツは会社に着ていく時も、私服のボタンダウンシャツも殆どTOMORROWだ。
 ただし、以前から気になっていることがある。TOMORROWのシャツは、袖ボタンの幅の大きさに比して、ボタン穴が微妙に小さいことが多いということだ。
 具体的に言うと、ボタン幅は大体 4mmで(直径ではない、厚みと言えばよいのだろうか?)、通常のシャツと比較して大きい方だと思う。ちなみに、1着持っていた「NEWYORKER」のボタンの幅を測ってみると2.7mmだから、大きいことに間違いない。
 通常のシャツは袖口のフィット感はそこまで意識しないが、TOMORROWのシャツはかなり袖の辺りがフィットしている感じがする。一般的にスーツの袖からシャツが5mm前後見えているのが普通だから、フィット感と共に袖口のシャツの存在感も意識して作られていると感じる。
 しかしながら、前述したようにボタン穴の幅がやや狭いため、朝の急いでいる時などにボタンが中々はまらない時が結構ある。特に右の袖。右の袖を止めるときには当然左の親指を使ってボタンを押しこむようにして穴に通そうとするが(右親指より力が弱い点も微妙に影響しているかもしれない)、かなりきつくて私の左親指の爪の表面0.7mmほどが剥がれてしまっている。
 かつて、あまりにもムカツイて投書しようと思ったくらいである。「TOMORROWLAND」のシャツを着ている方で袖のボタンが中々はまらなくてムカツイているのは私だけではないはずだ。ボタンの幅は現状で構わないから、ボタンの穴を狭すぎないように楽にはめられる様に商品改善を図ってほしい。
 まあ、ブログでこんなことを書いても何にもならないが・・・(笑)。
ちなみに今、TOMORROWの普通のシャツを買おうか「ORIAN」のシャツを買おうか迷っている。水色のストライプでワイドスプレッドのデザインなのだが、やはり「ORIAN」の方が素材が良い。しかし、ちょっと高いんだな、コレが。迷っているうちに買わないかもしれないが。
 

 
 

雛鮨【赤坂店】

2005-01-22 | 食事系
 今日は、所属するセクションの飲み会で紀尾井町にある「雛鮨」に行った。別の店舗には大学時代に行った事があるが、それ以来なのでかなり久しぶりである。ニューオータニも近く、立地柄、比較的高級感があった。
 正直なところ、鮨それ自体には特に感動はなかった。ネタもそんなに良いとは思えない。「食べ放題」ということだが、オーダーしてからテーブルに置かれるまでの時間が結構あり、ある先輩は「すみませ~ん、さっき頼んだのがまだきてないんですけど~」などと店の牛歩戦術にややキレかかっていた。ただ、アルバイト店員みたいな若い奴ではなくて、男性社員と思われる30~40代のスタッフの方々が落ち着いて対応していたのは良い点だろう。
 しかしながら、鮨だけしか食べないのも結構苦しいというのが実感だ・・・。

青色発光ダイオード(LED)訴訟~原告側代理人弁護士~

2005-01-20 | ビジネス系
 今、日経産業新聞に掲載されている「仕事人秘録」が面白い。青色発光ダイオード(LED)の発明対価訴訟(8億4,000万円の和解金で決着)で、中村修二・米カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授の代理人を務められた升永英俊弁護士(弁理士資格も保有)が、生い立ちを書かれている。
 東大法学部を卒業後、住友銀行に入行。しかし、将来は重役になりたいと考えていた氏は、同期の新人が126人もいることを知り『重役になれる確率はどんなに頑張っても三割』と推測して、入行初日から辞める事を考えたという。そもそも、なぜ「社長」ではなく「重役」を目指しているのかが不思議だ。氏は、東大受験を10月20日頃から勉強を開始して現役合格し、司法試験も受験者2万2,000人中2位の成績(1969年)で合格(!)。そのような秀才が「重役」を目指している事が面白い。自分の器、キャラクターを見切っていたのだろうか。
 記事を読んでもらえばわかるが、考え方が極めて合理的だ。氏曰く、『数学はできたが、国語が苦手だった』にも関わらず、工学部ではなく法学部を選んだのは『重役になれるチャンスが高い』からだという。スゴイな・・・(笑)。しかし、もしかしたら、今も、升永弁護士の若い時のように、地位や待遇を目安に理系に行くより文系を選択する受験生もいるかもしれない(※近年、西村和雄京大教授の調査によれば、理系卒の方が「平均年収が高い」と発表されています)。
 司法試験で2位の成績、というのもスゴイと思ってしまうが、国家公務員Ⅰ種(旧:高等文官試験、ちょっと古すぎか)に1位や2位で合格して、司法試験にも1位や2位で合格してしまう猛者がいる財務省(旧大蔵省)主計局は凄まじい組織なんだと改めて思う。「大蔵省接待事件」で事務次官になれなかった当時の主計局長や証券局長は、司法試験にもトップクラスの成績(確か1位か2位だったと記憶している)で合格していた。一体、どういう頭の構造をしているんだろうか?
 こういうスゴイ人が自分で書く記事というのは、非常に面白い記事が多い。日本経済新聞の「私の履歴書」は、特に企業の創業者の月は欠かさず読んでいる(今月はあまり読んでいない)。今まで発刊した「私の履歴書」全??巻は、十数万円で発売されているのだが、お金に余裕があったら買いたいくらいだ。
 最後になるが、中村教授については、升永弁護士をして『このような人物にあったことがない』『私は彼に遠く及ばない』と言わしめている。リップサービスはあるにせよ、今後、記事の中で詳細が語られると思うので期待している。

『風の男 白洲次郎』

2005-01-19 | 書評系
 北海道で震度5強の地震があったようだ。本当に地震が多いが、戦争、天変地異、信じられない凶悪な事件など、何が起きても不思議じゃない世の中だ。極端な話、いつ死んでもいいように今を生きるしかないな。
 さて、最近読んだ本ばかりではなく、かつて読んだ本の中から印象に残っている本も紹介したい。
これは4~5年前に読んだ本。もう4~5年も経つのか・・・。時間は過ぎてしまえば、まさに「夢のまた夢」だ。

 ■「風の男 白洲次郎(青柳恵介著/新潮文庫 ¥400)2000年8月初版」
 217ページ
著者:青柳恵介氏【あおやぎけいすけ】
 1950(昭和25)年、東京・成城生まれ。成城学園教育研究所職員。国文学研究家として、また古美術エッセイストとして活躍。著書に『酒の器』『骨董屋という仕事』『民芸買物聴紀行』など
(2000年当時の著者紹介文より)

 正直なところ、私は、5年前にこの本を読むまで「白洲次郎氏」については全く知らなかった・・・・(恥)。
 どんな方かと言うと、1902年に神戸(芦屋)の富豪の家に生まれ、旧制神戸一中(現:兵庫県立神戸高校)を卒業後、「島流し」にされるが如くイギリスのケンブリッジ大学クレア・カレッジに学ぶ。実家の「白洲商店」が倒産のため、日本に戻り(1928年)、ビジネスマンとして活躍。1940年頃から終戦時まで「カントリージェントルマン」として鶴川村(小田急線の鶴川)に疎開し、中央の政治に目を光らせる。1945年吉田茂に請われて「終戦連絡事務局」参与に就任し、GHQ(連合国軍総司令部)を向こうにまわして一歩も引かずに毅然と交渉に当たる。1946年日本国憲法草案作成現場に立ち会う。後に、貿易庁長官(1948年)、東北電力会長に就任、サンフランシスコ講和条約締結の全権委員団に「同行」(1951年)「軽井沢ゴルフ倶楽部」の理事長、1985(昭和60)年11月逝去(83歳)。
 人によっては、「礼賛する点しか書かれていない」とか言いそうだが、小さな欠点をあげつらって書くのが小さいと思うほどの個性・気概・魅力溢れる人物だったに違いない。何せ、憲法草案の交渉時、ただ1人、戦勝国アメリカに毅然と立ち向かった方なのだから。氏の魅力があって、亡くなられた後に、氏の語録をまとめる本を作ろうという話になり、発起人や幹事には、小林與三次氏、堤清二氏、宮沢喜一氏、豊田章一郎氏、盛田昭夫氏などの著名人が名を連ねたという(奥様は白洲正子夫人)。
 文庫本に掲載されている写真も実に男前で惚れぼれしてしまう。確か、去年か一昨年か、書店を歩いていたら雑誌「サライ」の特集で「白洲次郎氏」が取り上げられていたと記憶している。確かに、オシャレで時代の先端をいった鶴川村での田舎生活(実際は、「いざ鎌倉」への準備期間だった、という)は、真似したい人も多いかもしれないし、特集を組むに値するだろう。
 しかし、見習うべきは、洋服や乗っていた車などの所有物ではなく、敗戦によって政治家や軍人がGHQに媚びへつらっていた環境下、氏の「日本人としての誇り」をかけて一歩も引かなかった「気概」「サムライ魂」ではないだろうか。ちなみに、GHQは本国アメリカに白洲次郎氏を「従順ならざる唯一の日本人」と評して報告したらしい(!)。
 詳細は、本書に譲るので読んでみて欲しい。なお、コートニー・ホイットニー准将(マッカーサー草案を日本側に提示した男)に「あなたの英語は大変立派な英語ですね」と白洲氏に対して、皮肉を浴びせ掛けてきた時に、ケンブリッジ大学で学び、貴族と生活を共にして英語を達人レベルまでマスターしていた氏は、英国上流階級式の英語(キングズ・イングリッシュ)で「あなたももう少し勉強すれば立派な英語になりますよ」とやり返したという。
 ここら辺は、本書のほかに「英語達人列伝 斎藤兆史著 中公新書 760(税別)」で著者の斎藤氏が「とにかくこの男のことだけは書かせてくれ」と熱く論じてくれている。
 権力・権威に一切動じず「日本人の誇り」を持って戦った「白洲次郎氏」。ファッションのみならず、人格・気概に学びたい。
 なお、旧制神戸一中(神戸高校)は、多士済々の人材を輩出していると改めて気付いた。日本銀行の三重野総裁(結構前)や作家の村上春樹氏なども神戸高校出身だ。ちなみに、会社で私の席の前に座っている男も神戸高校だし、バイト時代に知り合って、今でも繋がりがある後輩も神戸高校出身者だ。面白い。
 

効果的なクリップアート【人物編】

2005-01-17 | ビジネス系
 現在、どの業界にいてもお客様向けや社内向けに限らず、Powerpointを使って、プレゼン資料の作成・プレゼンテーションを行うのが当たり前になっていると思う。書店に行けば、プレゼンの仕方やプレゼン資料の作成に効果的な図形や色の使い方の本などがたくさん並んでいる。
 一般的に、よく見られるのが、既存のクリップアートだけしか使っていない資料だ。(真っ黒な藁人形みたいなクリップアートがあったり)私見だが、かなり、漫画っぽかったりして、非常に幼稚な印象を与えていると思う。あるいは、逆に、どこかのサイトからダウンロードしたものでも、外人のビジネスマンの写真がそのまま貼りつけてあるようなプレゼン資料は、『外国・外資』の印象を強く与え、読み手によっては、好き嫌いが別れるような気がする(資料によるが)。
 そんな中、最近まで、自分の仕事の経験上、比較的頻繁に使い、気に入っていたクリップアートは上記の画像に掲載しているクリップアートだ。この白と黒のモノクロ感が良い。どうだろうか?あくまで主観の問題にすぎないと言えば、それまでだが、お客様向けや重要な会議の資料には、WordかPowerpointに用意されているデフォルトのクリップアート集より、このヴィヴィットなクリップアートの方を選択する人の方が多いのではないだろうか。
 このクリップアートの良さは、『幼稚感』が排除されており、「ビジネス感」や「落ち着き」が感じられる点だ。元々は、コンサルの方が使っていたものをマネして、自分でマイクロソフトのクリップアートのサイトを散々クリックしまくって「モノクロのクリップアート」を集め、自分の仕事の成果物の作成に活用させてもらっていた。結構、評判は良い方で余計な手直しの指摘は入らなかった。
 日曜日の18:00~放送している日テレ系の「真相報道 バンキシャ!」のコートと帽子を被ったクリップアートに似ているかもしれない。
  
 何かの参考になれば幸いです。
※このモノクロのクリップアートを表示させるのは結構時間がかかります。
マイクロソフト クリップアート

『ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座』

2005-01-16 | 書評系
 せっかくの土・日なのにあいにくの雨。本屋に行く事もできないし、1歳4ヶ月の子供も外に出られないため、中々昼寝をしない。
 さて、「30歳からの成長戦略」に続き、手前勝手な書評をさせてもらう。12月初旬の週末に本屋をブラブラ巡っていた時に買った本だ。

■「ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座~宗教紛争・テロはなぜ終わらないのか~井沢元彦著/徳間書店/¥1,575)」
著者:井沢元彦氏
昭和29(1954)年、名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒。
TBS入社後、報道局放送記者時代『猿丸幻視行』にて第26回江戸川乱歩賞受賞(26歳)、31 歳にて退社、以後執筆活動に専念。歴史推理・ノンフィクションに独自の世界を開拓。日本推理作家協会理事、BSフジ番組審議会委員

 【目次】
 はじめに
 第1部 ユダヤ・キリスト・イスラム ◎一神教の世界はこうなっている
     ユダヤ教はこうして生まれた
     キリスト教はこうして生まれた
     イスラム教はこうして生まれた
 第2部 ユダヤ・キリスト・イスラム ◎一神教それぞれの言い分
     キリスト教の言い分 代弁者 パット・ロバートソン(アメリカのテレビ伝道師)
     ユダヤ教の言い分  代弁者 ラビ・マービィン・トケイヤー(日本ユダヤ教団のラビ)
     イスラム教の言い分 代弁者 ムサ・モハメッド・オマール・サイート
                   (スーダン共和国駐日特命全権大使)
 後書きにかえて~アメリカの友人からの手紙~
   (ここまで 297ページ)
 一神教の世界を読み解く資料編
   (以上 344ページ)
 
 井沢元彦氏は、「逆説の日本史」などで有名だが、不勉強ながら氏の著作を読んだのは、これが初めだった。「はじめに」や「後書きにかえて」で述べている様に、”日本の教育課程で宗教が軽視されているため、極めて多くの人々がその重要性を認識していない”とは、まさにその通りだろう。
 特に、ユダヤ、キリスト、イスラム教(キリスト教の方は結構いそうだが・・・)については、一般の日本人が通常の日常生活を送る上で全く知らなくても、殆ど問題ないのが現状だろう。
 しかしながら、世界に目を向ければ、それぞれの「一神教のパラダイム」で世界を認識し、国家、企業、社会、個人が動いているのが現実だ。その背景となっている一神教のユダヤ・キリスト・イスラム教の成り立ち、各教徒のメンタリティを日本人は知っていないと世界で戦っていけないといわざるを得ない。ましてや、世界に目を向けなくても、既に日本でも外国人と一緒に働くのが当たり前の企業もあるし、海外旅行などに行く人は沢山いるだろう。
 その意味で、彼らのメンタリティ(本音の部分)を知っておくのは最低限の教養として損はないだろう。
 井沢氏のこの本は、第1部で各宗教の成り立ちを自分の言葉で解説し、第2部で各宗教の著名人に直接インタビューすることで、それぞれのメンタリティや宗教間の相違を探っている。
 一神教の宗教に関心が全くなくても、海外勤務の方、日本で働いていても社内で外国人と共に仕事をする方、世界で起きている事件やニュースの背景を知りたい人には好著だと思う。 
 キリスト教代弁者(パット・ロバートソン氏)やユダヤ教代弁者(ラビ・M・トケイヤー氏)の項を読めばわかるが、聖書の予言によればメシア(救世主)が再臨するためには①ユダヤ人がイスラエルの地に集まっていて数々の苦難に遭う②イエス・キリストを救世主として受け入れる、との条件がある。そのためにアメリカはイスラエルを援助しているし、本の中に出ているパット・ロバートソン氏はユダヤ人を援助しているという。そうすれば、救世主が再臨し、キリスト教徒は、至福千年王国の恵を享受できることなる。
 一般の日本人には馴染みがないが、世界の現実として「聖書」の予言を信じ、もしくは、積極的にその予言を成就させようとして、メシア(救世主)を待望している人達が世界には数億万人もいるということを認識しなくてはならないということだろう。
 私は、凡人なので、つくづく、日本人に生まれて幸せだったと実感してしまった。「神様・仏様・稲尾様(ちょっと古すぎか)」の国民だからこそ、これら一神教の宗教を客観的に捉えることができるし、「共存共栄」の精神で寛容に受け入れられる。
 
 【勝手な】関連書籍
 1.「ユダヤ五000年の知恵(聖典タルムード発想の秘密)」
  ラビ・M・トケイヤー著 講談社+α文庫 昔は¥740
 →高3か浪人時代に読んだ本で、世界人口比2%(約1,500万人)
  のユダヤ人の強さ(というか頭の良さの理由)がわかる。
  小さい頃からこんなテキストを読んで、自分なりの解釈論を
  確立し、他者を説得するためのロジックを構築するために
  論理思考を鍛え、議論をし合っているという。しかも、
  それが「神との契約」の下に数千年も行われているのであるから、
 「あいまいな日本人」が太刀打ちできる訳がないと思ってしまった。
 
 2.「日本人とユダヤ人」
  イザヤ・ベンダサン (著) 角川文庫ソフィア ¥483
 →浪人時代に代ゼミの本屋で何気なく手にして読んだ
  もう忘れてしまったが、日本人の国民性を「日本教」にある
  と捉え、ユダヤとの対比をしていたと思う。権威(聖)と権
  力(俗)の区別ができている日本社会(人)を「政治天才」と
  書いていたと記憶している(今、手元にないので曖昧ですが)。
   ちなみに、このイザヤ・ベンダサン氏とは何者?と思ったが
  訳者の山本七平氏のペンネームというのが定説となっている。
  その意味で、山本七平氏(1921~1991)のユダヤ・キリスト教の
  知識には驚いたし、日本文化・社会を見る洞察力には舌を巻いた。
 
~一神教を知る前に自分達、日本人の思考の枠組みを知るために~
 3.「武士道」 新渡戸稲造著 奈良本辰也著 三笠書房
 (おそらく、今は文庫本だと思うが、私が買った当時=大学時代は
  ¥1,130 岩波より訳が良くて読みやすい)
 言わずと知れた新渡戸稲造(国際連盟事務次長、旧制一高校長、東京
 女子大学長ほか)博士の記念碑的著作。今の日本人でこのような本を
 英語で書ける人は少ないだろう。新渡戸博士の英語能力の抜きん出た
 実力は『英語達人列伝 斎藤兆史著 中公新書 ¥798 2000年初版』
 に詳しいので是非、読んで欲しい。博士の18歳当時読んでいた英文と
 武士道の原文(英文数行)が載っている。去年か一昨年辺りに「武士
 道」は密かにブームになっていたので読んだ方は多いだろう。中学生
 ・高校生の必読書にして欲しいくらいだ。
 
 4.「武士道の源流 陽明学がわかる本 日本人の人生美学をさぐる」
 (長尾 剛著 PHP研究所 ¥1,365)   
 これは、「ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座」と同時期(去年の
 12月)に買って読んだ本。著者が大塩平八郎になって日本の歴史上、
 陽明学を矜持として生きた人達を時系列的に紹介していく本。
  やはり、日本人は「知行合一」ですよ。中々、面白いです。

『30歳からの成長戦略』

2005-01-15 | 書評系
 私は、特別、趣味と呼べるものは殆どないが、自己紹介などでは「読書」ということにしている。大学時代から池袋・新宿・渋谷・神保町などの大手書店を巡り、ビジネスマンとなった今でも会社帰りや休みの日には書店巡りをして、ドトール、シャノアール、スターバックスなどでアイスカフェ・ラテを飲みながらゆっくりする、というスタイルを送り続けている。大学1年の時には、虎ノ門のドトールでバイトもしていた。
 書店に行けばその時々のトレンドが大体わかる(特に大型書店)。複数の書店を歩き回ることが多いので、他店との比較や類似点に自然と気付く。陳列や本の配置、書棚と書棚の計算された間隔など店によって若干異なる。いずれ、私的な書店評をしたいと思っている。
 
 さて、年末に読んだ本から1つを取り上げたいと思う。
  
『30歳からの成長戦略~「ほんとうの仕事術」を学ぼう~(山本真司著/PHP研究所 1,365円)』
【目次】
 はじめに
 第1章 成長戦略を構築しよう
 第2章 ビジネス・スキルより差別化の戦略を 
 第3章 アウトプット学習法のすすめ
 第4章 成長するための思考法
 第5章 集中力を最大にするタイム・マネジメント
 第6章 付加価値を高めれば、資源はついてくる
 第7章 MBAコンプレックスを克服する
 第8章 論理と感情を併せのむ
 第9章 経営者人材をめざす
第10章 成長戦略を変えよう
 おわりに
 (以上243ページ)
【著者】山本真司氏
1958年東京生まれ。経営コンサルタント。慶応義塾大学経済学部卒。シカゴ大学経営大学院で修士号(MBA with honors)取得。東京銀行、ボストン・コンサルティング・グループを経て、A.T.カーニー株式会社ヴァイス・プレジデント、戦略・組織グループアジア代表
 
 30歳の頃に外資系のコンサル会社に転職した著者が、実力主義の競争を生き抜いて来て15年。最近、20代、30代の若手とつきあいを深める中で、昔の自分を見るような感覚の一方、何かが違うという違和感を感じるに至った。そこで、自分の経験を基に、若手ビジネスパーソンに”本当の成長戦略”を考えてもらうために書いた本である(自分と同じ間違いをしないために)、と著者は言う。
 そして、■若者に送る成功の五原則を以下のように提案する
 1.実力派天邪鬼を目指す
 2.反常識の仕事術を覚える
 3.ビジネススクールスキルは超効率で学びぬける
 4.レゾナンス思考(論理と感情を併せ呑む)
 5.心のマネジメント(欲と無欲を併せ呑む) 

 一言で言って、良心的な本(著者の人柄が伝わってくる)
 二言目は、主にコンサル勤務や経営企画スタッフ向け(それ以外でも十分役に立つ)
 三言目は、論理と感情を併せ呑み、欲をコントロールして、経営者人材を目指せ

 著者の山本氏は、日経産業新聞に記事(『考え方の心・技・体』)を書いており、本を買う前から斜め読みをしていて気になってはいたが、記事を書いている人は全くノーマークだった。この本を買ってから、改めて「日経産業」を読んでいた時に、初めて同一人物だと気付いた。
 まあ、逆説的ながら、「勝つこと」を捨てた時に結果的に「勝てる」ってことなんだろう。ご自身が、利他の心が実は、結果として自分の利益になってくる、ということに気付いた、とも述べている。京セラの稲盛和夫氏や故松下幸之助氏も同様のことを言っている。真理は1つに違いない。
 しかしながら、著者の業界がコンサルだからなのかもしれないが、最近の若者に関して述べた「負け組編入恐怖症」については、かなり驚いた。著者のつきあっている若手がマズローの欲求段階説を引き合いに出し、安全欲求が満たされるかどうかが不安だ、という。
 私は、外資系大手コンサル、国内大手コンサルの方々と仕事をしたが、同年代の方で「負け組編入恐怖症」の人は見かけなかった。彼らは、いつ、転職しても大丈夫なように知識面でもメンタル面でも日々ブラッシュアップしているようだった。一方で、プロジェクトリーダーから声のかからない人も少しはいる≒退職への道、とのことだったので、著者の言う通りで、私がコンサル業界に属していないから違和感を持つのかもしれない。ただ、常に「勝ち負け」だけしか考えていないコンサルの方も実際いた。その方は、私の1コ上で、確かに頭の良い方だったが、自分の間違いを絶対に、死んでも認めなかった。
 ある会議の運営を巡り、私の案を否定して、彼(コンサル)が自分の提案をしてきた。まあ、私は、レゾナンス思考が出来ているので(?)、彼の顔を立て、冒頭以外は、会議の運営を彼に任せた。すると、部署横断的に集まってきていた課長、課長補佐クラスの方々から否定的な意見が続出して会議が紛糾してしまった(!)。仕方なく、私の提案を基に会議を立て直して結果的には事無きを得た。にも関わらず、全くの知らん顔で自分には全くの責任がないかのような言動をしてくるじゃな~い。
 やはり、あまりに勝ち負けばかりにこだわりすぎると対人関係で殺伐としてしまうし、一応、こちらは顧客なんだから少しは大人になれよ、とも思ってしまった。あの方にこそ、『レゾナンス思考』を学んで、感情面をも併せ呑んだ思考・コミュニケーション術を習得して欲しい。 
 本に話を戻すと、第7章の「三十分で学ぶMBA」は、さすがにA.Tカーニーのヴァイス・プレジデントと唸らせる内容で、MBAのそれぞれの科目を「六分間でわかるコーポレートストラテジー(企業戦略)」などのように要点を大まかにつかんで『三言』で解説されていて、知識として知っておきたい人にオススメする。
 最後になるが、著者の山本氏のようなコンサルとしても超優秀、経営者としても優れ、人格的にも立派さが窺える方と飲みに行ったりできる若手コンサルの方々は羨ましい限りだ。お手本にできるところを吸収し尽くして欲しい。
 

 【勝手な】関連書籍
「35歳までに必ずやるべきこと(重茂 達 著 かんき出版 1,460円)」
 

今日の東横線の人身事故

2005-01-11 | 日記・雑感系
東急東横線、全線で運転再開 人身事故で一時不通 (朝日新聞) - goo ニュース

 私は、東横線を利用して会社に出勤している。今日、普段通り、最寄りの駅から渋谷行きの列車に乗ったところ、「元住吉」に停車する寸前で「お客様にお知らせします。本日、7時03分頃(最終的には7時01分に変わっていた)、田園調布駅で人身事故が発生したため、この電車は、元住吉でしばらく停車いたします」とのアナウンスが流れた。「おい、マジかよ~、勘弁してくれよ」と思ったのも手遅れで「元住吉」の駅で足止めを食らってしまった。元住吉に着いたのが、おそらく7時07~10分位だったと思う。会社の始業時間より30分以上早く出社していることもあり、「まあ、2~30分で復旧するだろう」とタカをくくっていたら、7時30分になっても一向に復旧する気配がない。そればかりか、「さきほど~、田園調布で~、人身事故が発生しため~・・・」などと同じようなアナウンスを駅員が何度も何度もし続け、車内アナウンスも車掌が同様のアナウンスを何度も何度も繰り返すばかり(うるさくて仕方ない)。15秒に1回は同じアナウンスをしていたかもしれない(大げさか?)。駅員さんや車掌さんのせいではないのだが、それにしても朝のラッシュ時ゆえに、乗客やホームにあふれた人達がピリピリしだしていた。挙句の果てには、「当列車は、車庫に入りますのでホームに降りてください」と列車から締め出されてしまった。ここにきて乗客の1人が「おい、ふざけんなよ!散々、待たしておいて”降りろ”とは何事だよ。ボケが(怒)!」と烈火の如くお怒りになり、駅員を怒鳴りつけて、下り電車のホームの方へ立ち去ってしまった。
 まあ、駅員さんに怒鳴っても仕方ないが、怒鳴りたくなる気持ちもわからないでもない。7時40分以降も、ず~っとホームに規則正しく整列し続けている間も気温は、たぶん3~4℃位しかなかっただろう。とにかく、寒い!マフラーをして、コートを着てても寒いものは寒い。7時55分頃にようやく列車が到着し、ドアが開くと同時に雪崩の如く人が押し入り、私も負けじと席に座った。そして、座席に座りながら、会社に遅刻する旨を連絡する。
 8時ころ。ようやく、電車が動き出した。渋谷までの間、死ぬほど混んでいて、立っている人は圧迫されていてつらそうだった。
 結局、飛びこみ自殺だったのか?本当に事故だったのか?一体、何だったのか?1時間、電車が動かなかったことによる社会的経済的な損失は甚大なものがある。本当に勘弁して欲しい。不謹慎だが迷惑この上ない。明日は、人身事故がない事を切に願う。