調査員の「目」

 日常の何気ない雑感とつれづれ日記。

「小泉官邸秘録(日本経済新聞社)」

2006-12-17 | 書評系
 昨日読んだ本。
■「小泉官邸秘録(飯島勲著/日本経済新聞社)」1,890円(税込)
著者 飯島勲氏 1945年長野県辰野町生まれ。小泉純一郎政策担当秘書。永年秘書衆議院議長表彰、永年公務員内閣総理大臣表彰を受ける。

目次
はじめに
第一部 小泉内閣誕生 波高き船出
第1章 政権の形を作る
第2章 「官邸主導」の始動
第3章 危機管理体制の強化
第4章 北朝鮮外交への取り組み

第二部 有言実行 小泉改革の着実な推進
第5章 道路公団の民営化
第6章 テロとの戦い
第7章 自然災害との闘い
第8章 年金改革
第9章 米国BSE事件

第三部 小泉改革の総仕上げ 郵政民営化
第10章 郵政民営化への長い道のり
第11章 郵政民営化シフト
第12章 民営化法案を巡る攻防
第13章 参議院での否決
第14章 衆議院選挙の勝利
第15章 改革に終わりはない
おわりに
(以上334ページ)

 言わずとしれた小泉前総理の秘書・飯島勲氏が見た官邸の内幕の一部始終である。
飯島氏はあの一見ヤバイ筋の人っぽい(笑)風体・強面とは別に、本書を読むと小泉前総理に全てを賭けてきた方だというのがよく分かる。何せ小泉前総理の政策秘書を35年も務めてきたのだから。偉い。
 本書は佐藤栄作、吉田茂に続き戦後3番目の5年5ヵ月(1980日)の総理在任記録を誇った小泉前総理を支えた「チーム小泉」の首席総理秘書官飯島勲氏が小泉政権時代の官邸の内幕・チームの動き方、そして側近から見た小泉前総理のその時々の発言や政治への取り組み姿勢を明らかにした本である。
 小泉政権時代の政策についてはアメリカからの年次改革要望書の丸呑みなどと評する向きもあり評価は様々ではあるが、国民から最後まで高い支持を得ていたことは事実であるし、靖国参拝についてもマスコミからあれだけ総バッシングに遭いながらも8月15日に参拝したことや郵政解散に伴う迫力に満ちた記者会見など自らの「信念」を絶対に曲げない姿勢は感服せざるを得ないと思う。
 小泉前総理の座右の銘は「「信なくば立たず(孔子)」だそうで、飯島氏曰く「総理ほどこの言葉がふさわしい人間はいないと思う」と「おわりに」の中で述べている。
 新聞・雑誌・写真週刊誌から叩かれることが多く「官邸のドン」などと異名を取り、その強面やテレビのインタービューなどでも平気でタバコをふかす姿などから世間的なイメージは必ずしも良くないかもしれないが、飯島氏の「秘書哲学」や小泉前総理に対する「思い」、そして官邸スタッフのパフォーマンスが率直に伝わってきた。
 
 良書だと思う。

 同時に安倍総理の官邸チームは大丈夫かなとの思いもよぎってしまった。

 ちなみに日経新聞から出ているからか、今日の日経で早速、佐々木毅学習院大学教授 (前東大学長)の書評を掲載していた。商売上手だな・・・(笑)。

 
 

高橋書店の手帳

2006-12-16 | 日記・雑感系
 ビジネスマンの必須アイテムは多々あるが、中でも手帳は人によってこだわりや使い方に違いがあり、一家言もっている人が多いアイテムであろう。
 本屋に行けばデキル営業マンやビジネスマン、トップエリートの手帳の使い方を公開した本が多々あるし、この時期の文具店に行けば「ダイアリーフェア」と称して手帳を出している各社選りすぐりのシリーズが売られており、様々な手帳を手にとって実用性やデザインを確かめるのは楽しい一時であると同時に今年1年の終わりを実感する時かもしれない。

 そんな中、私が使っている手帳は高橋書店の手帳である。

高橋書店の概要を同社HPから引用してみよう。
■株式会社高橋書店(本社:東京都文京区音羽1-26-1)
創業  :1939年10月((株)高和堂として創業) 
設立  :1954年7月
資本金 :3000万円
売上高 :55億円(2005年6月実績)
代表者 :高橋秀雄
事業内容:図書出版(生活書、日記・手帳、就職・資格試験書ほか)
従業員数:100名(男性64名・女性36名)〔グループトータル〕
平均年齢:31歳〔グループトータル〕
営業所 :近畿(大阪)・九州(福岡)

 売上規模的にはさほど大きくはないが「手帳は高橋」と自ら公言してはばからないことから分かる通り、同社の手帳を使っている人は多いはずだ。

 私が使っているのは「フェルテ3 商品No.233」という手帳である。
1月始まり 月曜始まり
月間予定表:横ケイ式
週間予定表:セパレート式
判型:B6判 182×128mm
ページ数:176ページ
 カバーの色はワイン色。黒い手帳を使う人が多いので、私はワイン色にしている。
またカバーの柔らかさ丁度いい。他社の手帳だとカバーの部分がやや堅い商品が多い。最初のページを開くと左ページに2007年1月~12月が一覧表示されており、右ページ上半分に前年の2006年の一覧、下半分に翌年の2008年が一覧表示されているほか、日曜・祝日が赤字になっているのでその年の休暇スケジュールがすぐ分かる(笑)。特に年末年始やゴールデンウィークの暦がどうなっているのか、祝日が土曜日になっていないか、などは暦通りに休める会社で働いているビジネスマンには大事な情報である(笑)。次に1ヵ月を左ページと右ページで俯瞰できるようになっており、営業マンとして月間のノルマなどを書き込むことができる。1週間のスケジュールも左右のページに広がっており、スケジュール欄に書き込むスペースが確保されている。かつては左ページに1週間が表示されていて、右ページが白い余白のフェルテを使っていた年があったが、会議が多い場合には書き込むことができなくなるため、左右ページで1週間を把握する「フェルテ3」にしている。 

 まあ、そういう意味でいうと私の手帳の使い方は至って凡人のそれと変わりがない。会社によっては各人のスケジュールを社内システムやEXCEL等で作ったファイルに入力している人もいると思うが、私の会社でも毎日スケジュール・予定を入力する必要があり、全てではないがファイルと手帳の二元管理になってしまっている面がある・・・。
 






クリスマスプレゼント

2006-12-15 | 日記・雑感系
 ちょっと早いが子供へのクリスマスプレゼントを買ってあげることにした。会社帰りにプレゼントを買いに行き、クリスマス用の包装をしてもらって帰宅。
プレゼントは、「超絶轟轟合体DXダイボイジャー」というロボット型のおもちゃで、以前から「パパ買ってね」とせがまれていたものだ。異常に大きくて帰りの電車の中でも結構な荷物になった。
 帰宅して玄関を開けると子供は「パパ~」と廊下を走ってきて、いつも以上に私を大歓迎。サンタとトナカイの絵が描かれた赤色の包装用紙に包まれたプレゼントを見て大興奮し、期待していた「ダイボイジャー」の箱が見えた時点で大喜びしてくれた。

 子供が喜んでくれる姿を見れて、私も幸せな気分になった

 本来、サンタの存在を信じさせたい親にとってはクリスマスプレゼントは子供が寝ている時に枕元にプレゼントを置いてあげ、朝起きたらプレゼントに気づくのが正統(?)な儀式なんだろうが、私は帰宅してドアを開けたときに子供が喜びながら走ってくる姿と包装用紙を破ってプレゼントを見た瞬間の顔をリアルタイムで見たくて「父親直接手渡し方式」とした。
 
 妻は「正統な儀式派」であるらしく、ブロックを自由に組み立てて遊ぶLEGOのバケツを買ってクリスマスに子供の枕元に置くつもりらしい。

 いずれにしても子供にとってはクリスマスは待ち遠しい一時だろう。

「インテリジェンス 武器なき戦争(幻冬舎新書)」

2006-12-03 | 書評系
 最近、ロシアの元スパイがイギリスで暗殺された事件が報道されている。Before/Afterではないが、元気だった時の写真と病院のベットで横たわっている姿の写真を見ると放射性物質の影響度合いの凄さとそんな物質まで使って殺すロシアの怖さ、殺されなければならなかった理由は何なのか、興味を覚えるところだが知ったところで平凡な日本人サラリーマンの私には全く関係がない・・・(笑)。

 「スパイ」というと映画や小説の主人公を想像してしまうが、言うまでもなくアメリカのCIAやソ連の旧KGB、イギリスのMI6、戦前の陸軍中野学校などのそれぞれの国の国益のために働く情報機関のスタッフだ。そんなインテリジェンスの世界を垣間見せてくれる人の対談本が新書の形で出ている。

「インテリジェンス 武器なき戦争(幻冬舎新書)」\777(税込)
 著者:手嶋龍一氏/佐藤優氏

 序章 インテリジェンス・オフィサーの誕生
第1章 インテリジェンス大国の条件
第2章 ニッポン・インテリジェンス その三大事件
第3章 日本は外交大国たりえるか
第4章 ニッポン・インテリジェンス大国への道
 あとがき(以上230ページ)

 手嶋龍一氏はNHKの元ワシントン支局長で最近では「ウルトラ・ダラー(新潮社)」がベストセラーにもなって(私は読んでないけど・・・(笑))作家・ジャーナリストとして活躍。
 佐藤優氏は外務省国際情報局分析第一課の主任分析官として活躍しながらも背任と偽計業務妨害容疑で逮捕されてしまい、現在起訴休職外務事務官の肩書きで「国家の罠」や「自壊する帝国」などの執筆活動を行っている。

 上述の通り、手嶋氏と佐藤氏の対談本。
 01年にアメリカで9.11のテロがあった時、NHKのワシントン支局長として出ずっぱりで事態の推移を毎日フォローしていたのが手嶋氏だったが、その時のアメリカ政府高官の話の解説の中で「今、私が述べたことを一般的な評論家が言っていることと同じ様に捉えないで下さい。」という主旨のことを必死になって言っていたのが印象的で、「この人はそんなに凄い情報網をもっているのかな」とテレビを見ながら思ったことを覚えている。佐藤氏の「国家の罠」や「自壊する帝国」などは読んだことがあるのでインテリジェンスの世界の人との認識はあったが、正直手嶋氏についてはそこまでの認識はなかった(ウルトラ・ダラーも読んでなかったし・・・)。

 しかし、手嶋氏も外交上の様々な背景や事実を知っているようで佐藤氏と対等に話をしている。面白いのが手嶋氏は、佐藤氏を頻繁に「ラスプーチン」と呼び続けており、佐藤氏も日本のインテリジェンス養成学校の校長には手嶋さんに、みたいにお互いを持ち上げあったり(様子をうかがっていたり)していて、この二人仲が良いとは思えない(笑)。

 幻冬舎も新書に参入か。新書市場は本当に激戦区だな・・・。中身のある本を出して欲しいなぁ~。
 
 

 

 



 
 
 


「ハーバードMBA留学記-資本主義の士官学校にて」

2006-12-02 | 書評系
 11/20の日経新聞の夕刊「ドキュメント挑戦、法化社会 日本を創る」に東大在学中に司法試験に合格し、2006年のハーバード・ビジネス・スクールMBAプログラムを卒業する学生の中で、日本人として14年振りに成績上位5%の最優等者に選ばれた人の記事が掲載されたいた。しかも何だか若い人っぽい。

 「世の中には凄い人がいるものだ・・・」

 と思っていたら、翌日私の会社でもマネージャーや同じチームのメンバーが 「世の中には凄い人がいるものだね~。凄いね~。」と話題になった。

 木曜日に八重洲ブックセンターに寄る機会があったので、店内をフラついていたところ「ハーバードMBA留学記~資本主義の士官学校にて~」という本が並べられているのに目がいった。手にとって内容や著者の経歴を見てみると、上述した日経の夕刊に紹介されていた方の本だった。帯を見ると「人気ブログハーバード留学記待望の書籍化!」などと書いてある。

 知らなかった・・・(笑)。しかも著者の岩瀬大輔氏は私と同い年ではないか。早速、買って読んでみた。

「■ハーバードMBA留学記-資本主義の士官学校にて-」(日経BP社 1,890)
著者 岩瀬大輔氏(あすかアセットマネジメントリミテッドヴァイス・プレジデント)
 1976年埼玉生まれ。97年司法試験合格、98年東大法学部卒。ボストンコンサルティンググループ(BCG)、インターネットキャピタルグループ、リップルウッドなどを経て、2004年夏、ハーバード・ビジネス・スクールへ留学。06年成績上位5%の優秀生として卒業(MBA with High Distinction)。  

はじめに~資本主義の士官学校にて~
第1章 問われる経営者のリーダーシップと倫理
第2章 ユビキタス・アントレプレナーシップ
第3章 グローバリゼーションと平らになっていく地球
第4章 「民」と「公」が交差するところ
第5章 ファンド資本主義
第6章 キャリアと人生の送り方
おわりに~自己変革の2年間~(あとがき も含めて327ページ)
 
 とにかく頭が良くて、様々な人から好かれ、志が高い人なんだな、ということが伝わってくる。
第6章のリップルウッド時代の上司から多くのことを学んだ、として「観察力」について触れる中で
「・・・漫然とニュース記事を追っているだけの人と、こうやって毎朝、感受性を研ぎ澄ませて、何気ない記事から多くのメッセージを読み取っている人とでは、ビジネスパーソンとしての底力の点でどれだけ大きな差がつくことだろうか。」ということを述べている。

 本当にそう思う。厳密な意味で「ビジネスパーソン」とは言えないかもしれないが、「外務省のラスプーチン」としてマスコミに叩かれ逮捕されながらも、その能力が再評価されている外務省起訴休職中の佐藤優氏も「秘密情報の98%は公開情報を再整理することによって得られる」と述べている。デキル人になるには感性と物事の本質や背景を的確に把握するロジックやパースペクティブが必須条件であるのは論を待たないだろう。

 まあ、とにかく同い年でこんな凄い人がいることに驚くとともに同世代の人達が活躍しているのを見ると私も努力しなければ、と改めて思ってしまう。同世代のみなさん、「明日の日本のために」それぞれの立場でベストを尽くしましょう。

岩瀬さんのブログ