調査員の「目」

 日常の何気ない雑感とつれづれ日記。

年末の大掃除・・ならぬ大靴磨き

2014-12-28 | オシャレ系
 今年私の仕事を足元から支えてくれた靴を磨いてあげた。大掃除ならぬ大靴磨き。ビジネスで履いてきた印象とともに今年を振り返る。

 使うのはブートブラック(コロンブス)のハイシャインベースとハイシャインコート。靴磨き用のクロス。


左:今年1月2日にセール初日にセールの意味もなく普通の定価で購入したSoffice&Solid(ソフィス&ソリッド)のS905(銀座店限定)
 革は柔らかく履き心地は悪くないのだが、何度か履いているうちに靴底のソールが擦れてきて驚くほど滑りやすくなってしまった。他の靴ではこんなことはなかったのだが、普通に歩いていたのに1度滑ってコケてしまったことがあり、それ以来印象が悪くなった。ファッション雑誌などでもてはやされているユニオンインペリアルを造る世界長ユニオン(旧ユニオンロイヤル)ではあるが、ソフィス&ソリッドしか履いていないけれど、恐らくもう買わないと思う。
 少しロングノーズで私の足にはボールジョイントがやや狭かったのか夕方になると歩く度に小指辺りが少し擦れる。本当に少しなんだけどその「少し」がちょっとストレス。アッパーの革はフランスアノネイなんだが、私の手持ちのアノネイ革の靴(黒)では光沢度合い・艶感ではスコッチグレイン>ペルフェット9101>ソフィス&ソリッド>シェットランドフォックス(インバネス)と光沢感はあまりない。今あらためて、48,600円を出してもう1足買うかと聞かれれば、「他の靴を・・・」ということになりそうだ。

中央:インソールのボルドーカラーが印象的なペルフェット9101S。これも今年の1月に買ったモノ。トウが若干スクエアでチゼルトウになっている。ラストやトウ周りは今となっては6411の方がベターなのだが、この9101は革がしっかりしていてソフィスやスコッチグレインよりほんの少し革が厚く、足を入れた瞬間厚みのある革に包まれ感があり「しっかりしてるな~」「他の靴とちょっと違うな~」と朝玄関を出る前に頭に浮かぶのである。靴磨きをしてもまあまあ光る。これが43,050円(本体41,000円)だったのだから増税と革の高騰で靴も売れなくなってしまうはずだ。

右:今年2月に買ったシェットランドフォックス3029F(インバネス)。最初は良いと思ったが数回履いただけで深い(不快)な皺が出来てしまい、歩く度に上から下への∨圧力により甲部分が刺さった感覚で皮膚に線が入って靴擦れしてしまった。
 「インバネス!貴様!」ということで雨用に格下げした。ただし、インバネスを履くときには絆創膏を貼りながら履いていたら、足の皮膚も少し強くなったのかだいぶ慣れてきた。ソフィスやペルフェットほどロングノーズではなく、オーソドックスなラウンドトウとして形は良いと思っている。惜しいのはアノネイの革だが艶や光沢感がほぼ0であったこと。個体差だったのかもしれないが、43,050円(本体41,000円)にしては革質に大きく疑問を持った。革がさほど良くないのならシェットランドフォックスも今後買おうという気にはならないだろう。











 



 次はスコッチグレインシリーズ。スコッチグレインは2万程度のものから6万円のインペリアルプレステージまで価格帯が幅広く、高級ブランドのイメージ確立が難しいのだが(ブローデンⅡやオデッサ以上とそれ以下を分けた方が良い)革はきめ細かくて艶があり良い革が多い。「ピッチドヒール?半カラス仕上げ?何だそれ?」「踵には穴空いてますけど何か?」「ウイスキーで磨いてるから見てよ」ってな位、いわゆる本格高級靴へのハードルを完全無視して「とにかく革っしょ?」みたいな、そんな独立独歩の孤高の靴メーカー。揚げ足を取ろうと思えばいくらでも取れるんだけど外回りでガシガシ履いて数を揃えなくてはならないサラリーマンにはうってつけ。


 その証拠に靴磨きをすると良く光ってくれるんだ(笑)。
一番左:匠シリーズ H9046(去年の12月セールで)
中央左:匠シリーズ HA0530(今月のセールで)
中央右:匠シリーズ H9046(13年夏 御殿場アウトレット)
一番右:高島屋別注 TS200(去年の12月)

 一番光るのが御殿場で購入した匠シリーズ H9046。高島屋別注のTS200も凄い光る。H9046はオデッサラストのアウトレット専売品。コバがブラウンなのは他の靴には殆ど無いし、トウがとにかく光ってくれるから気に入っている。
 TS200はオデッサのラストを少し修正したラストで革はアノネイのもの。百貨店向け(信用を損ねてはいけない)だからか革は気合いが入っているように感じられる。これもとにかく光る。
 先日、銀座三越の靴売り場で銀座三越別注のスコッチグレインホールカット(5万弱)が飾ってあったのだが、ペルフェットのようにつま先が尖っていたが革が非常にきめ細やかで艶が半端なく見とれてしまった。ホントにあのラストはもったいないな・・・(笑)。

 最後は


 プライベートで履いているペルフェット6411ダークブラウン。革はこれまたアノネイ。43,050円(41,000円)だったが手入れをしていると高級感がある。 関税や革の高騰でアホみたいに異常に高くなった海外ブランドなら全然ペルフェットの方が良い。土踏まずも盛り上がっていて、踵も小さくフィット感もある。


 同じアノネイでもベガノカーフやボカルーカーフなど種類が違うのでメーカーによって調達している革が違うから一口にアノネイと言っても光沢感や艶が違ってくるのだろう。ペルフェットのアノネイは靴磨きをしても凄い光るし、艶感もあって今のところ信頼している。だからこの前、ブラックも買った。そのうち、3001bも買うだろう。

 それにしてもクロケット&ジョーンズのオードリーが今では税込91,800円(85,000円)。高すぎないか?靴に興味が出るのが遅すぎた(笑)。
 
 オードリーに9万出すなら、ペルフェットの6411ラストでイルチアのブラック革でパターンオーダーすれば(たぶん無理だけど)6万円台で買えるはず。

 まあ、以前も書いたけど車や時計と同じだから国産ってだけでダメって人が多いのだろうか。車や時計は見ただけでベンツ・BMW、ROLEX・OMEGAと分かる。しかし、靴は見ただけでは素人には分かりづらい記号で自己満足度が非常に高いモノかもしれない。女から見たらストレートチップなら殆ど一緒に見えるんじゃないか(靴なんか見てないだろう)。靴にお金をかけてもあまりモテないと思う(笑)。

 いずれにせよ、家族が健康でゆっくり靴磨きをできる時間を持てた2014年に感謝。2015年も1国平和主義(笑)で日本だけは世界の紛争から超然として平和でありますように。自然災害などがなく全ての真面目な日本人が平穏無事で幸せな年となりますように。


Perfetto(ペルフェット)6411Aストレートチップ(ブラック)

2014-12-20 | オシャレ系
 先日、妻にPonte Vecchio(ポンテヴェキオ)の指輪を買ってあげ、子供達にも少し早いクリスマスプレゼントをあげたので、2014年の自分へのご褒美にPerfetto(ペルフェット)を見に行こうと思い立ち、クインクラシコ大手町店へ。
 ポンテヴェキオの指輪に比べれば、ペルフェットの靴なんて安いモノ。ああ、なんて慎ましやかな私(笑)。
 以前、6411Aのブラウン9101S、そしてダブルモンクをパターンオーダーしていて、ペルフェットは価格の割にピッチドヒールやレベルソ仕上げ土踏まずの絞り込みなどやたらと造りにこだわりが感じられ、私の足とラストがあっているのか履き心地が良くて気に入っている。
 ご褒美という意味では三陽山長の友二郎を買いたいところだったが、税込71,280円(66,000円)は今後の子供の教育費や最近の出費過多を考えるとちょっと無理で断念(笑)。友二郎が数年前は5万円台で買えたというのだからいかに高くなったのかがわかる。
 それにしても消費税が無駄に高い。社会保障費のためというのは全くの嘘で企業減税のための補填ということを一切言わない。そして、米国債を購入して貢いでいる属国日本であることを考えると泣けてくる・・・。国民の敵は財務省でありアメリカである。 
 で、ソールがバイカラーの3001bと迷ったのだが、結局、保守的にすでに持っている6411Aのブラックにした。
税込46,440円(本体43,000円)。1月に買ったときは税込42,000円(本体40,000円)だったのに・・・。ホント、無駄な金だ。これで景気がよくなる訳がない。消費税を今からでも遅くないから5%に戻せば景気は少しは良くなるのに。


 ワインレッド・ボルドーカラーのペルフェットの箱。私はこのカラーは結構好き。
ネクタイでも持っている。


 箱を開けてみるとペルフェットくんが死体のように横たわっている(笑)。

「ん?ようやく誰かボクを買ってくれたのか?」


 箱から取り出し並べてみる。
「ボクは保守の中の保守。正統派の中の正統派。キミの仕事にどこに行っても恥ずかしくないから大事に履いてくれよ」と言っている(笑)。


 極めてオーソドックスな内羽根キャップトウ。しかし、縫い目が隠れるレベルソ仕上げは健在。ラストはクインクラシコオリジナルラスト6411。
 革はフランスアノネイのもの。ペルフェットのアノネイは良い。


 店頭に飾ってあった時に、以前に比べてトウの部分がやたらと光っていたことから店員氏に確認したところ、「鏡面磨きを施しています」とのこと。サービスで私の靴も鏡面磨きをして頂けることになった。横一文字の8分目まで中庸を得た鏡面磨きを施し、徐々にフェードアウトするような自然な仕上がりになっていた。

 店長どうもありがとうございました!


 かかとの部分も斜めになっていてスマートであることが分かる。普通の靴だと直角90度になっていることがほとんど。


 後ろから見られてもピッチドヒールでスマート。普通の靴だとヒールが土台のような機能性のみで造られていて上から下にドンとウエストに絞りがない体型のようになっていてあまり恰好はよくない。ピッチドヒールだと地面に向かって少し斜めになってシュッとしていて綺麗。



 ソールは伏せ縫い(ヒドゥンチャネル)。カラス仕上げ。6411は土踏まずの部分が少し盛り上がっていてフィット感を高める造りになっている。私はこれが好き。


  何の変哲もないオーソドックスなキャップトウだが、普遍的なスタイル故に造りや素材の良さが問われる。ビジネスの定番たるブラックのキャップトウ(ストレートチップ)には、これまた普遍的なネイビーのスーツだがロロピアーナやゼニアなどの高級生地を使った定番スーツでビシッと決めて造りと素材で他との違いに自己満足したい(笑)。


 ついでだから同じ6411Aのブラウン(左)、同じラスト(6411)でパターンオーダーしたダブルモンク(型番は6404となっている)を並べてみる。

 ペルフェットに魅せられた男・・・。


 斜めに置いているからかこれだけを見るとトウの部分がロングノーズで細いように見えるが、9101ほどではなくペルフェットの他の商品シリーズのようにイタリアっぽく尖ったトウではない。むしろイギリスの靴のようなラウンドトウになっている。


 ピッチドヒールはパターンオーダーの方が攻めている。



 インソールのペルフェット・クインクラシコのダブルネームが金の型押しで映える。ダブルモンクはインソールがクリーム色。



 やはり鏡面磨きがされたトウの部分の光り具合が自然な感じになっていて通好みで嬉しい。国産の靴で、たまに横一文字からつま先までのトウの部分が革の質なのか鏡面磨きなのか横一文字から甲の部分と光沢感が極端に違いすぎて(0か1かみたいな)違和感を感じる場合がある。



 そういう意味ではやはりパターンオーダー・ダブルモンクのイルチアの革は独特のムラ感と何もしていないのにこの艶・光沢感。
 


 あ~、もうたまらない。イルチアの革で鞄とか財布とか名刺入れとか革小物を造りたい・・・(笑)。
 円安や革の高騰・関税・消費税も考えると海外製の輸入靴は非常に高くなってしまい、税込7万・8万円がザラ。

 それに比べればペルフェットは良心的な価格帯で頑張っていると思う。
 
 

SCOTCH GRAIN(スコッチグレイン)特別セール 匠シリーズHA0530

2014-12-06 | オシャレ系
昨年、スコッチグレインのセールに行ったのだが、ハガキが送られてきたので、今年も匠シリーズのH9046を1足補充しようと思い立って池袋まで足を運んだ。
 

 場所は昨年と同じ@池袋サンシャイン文化会館。特別セールの案内が貼られていた。初日ではなかったためか行列もなく特別混雑もしていなかった。
 
 中の写真は失礼かと思い、撮らなかったが、まさにセール。

「匠」と大きく印字された文字(フォント100?)のA4サイズの紙が棚にたくさん貼られていた。

「匠」 「匠」 「匠」 ・・・・・ 一瞬、笑ってしまった(笑)。上野のアメ横か?はたまま地元の八百屋さんか?

 ちなみに、会場中央で代表取締役の廣川社長が普通に靴を磨いていて驚いた。セールに来るんだ、みたいな。いわゆるモルトドレッシングというやつかな(笑)。

 また、社長の息子さん(三代目)も接客していた。お客さんの足のサイズを計器で測ってあげたり、丁寧に接客していて好感が持てた。

 で、私は「匠」 「匠」 「匠」・・・・の八百屋さん(?)コーナーに行き、昨年と同じH9046を探した。しかし、今年は取り扱い自体を行っていない、とのこと。

 コバがブラウンで革の光沢感もそれなりで気に入っていたのに残念。スタッフの方に聞くと「オデッサのラストで造っています」のこと。

 せっかく来たので何か買おうと物色したところ、革の光沢感が非常にあったストレートチップが気になったので、スタッフの方に聞いてみると

 「それはワインンハイマーの高級な革で、ラストはインペリアルシリーズで造ったものなんです。インペリアルクラスなんで本当にお勧めですよ」とのこと。

 価格は48,000円が30,000円となっていた。お~、安いじゃないか。
二重価格でも何でも良い、どうせ3万だ、ということでこの匠シリーズHA-0530を買ってみた。


 箱。単に箱だ(笑)。何の装飾もない。


 HA-0530。それなりに高級感がある。さすが希望価格48,000円。
 いわゆる横一文字のキャップ部分がやや爪先側によっているため、ほんの少しアンバランスというか、甲部分が鼻の下が伸びているようなのっぺり感を感じたがまあ良いだろう。

 それを補うほど革の光沢感がある。


 特に違和感はない。


 オーソドックス、オーソドックス。 


 ウエインハイマーレダー、ワインハイマーレダー、ウエインハイム、ワインハイムなどと表記されるが、要は150年以上の歴史を有する名門。

 絶対3万じゃ買えない!!すごい! 


 お~、改めてとても3万の靴とは思えない艶と高級感。


 インソール。ヌメ革。


 右。サイドラインの光り具合がまたたまらない・・・(笑)。



 左。


 靴磨きが楽しそう(笑)。ウキウキ。
コパもすっきりしていてスマート。


 そして、「匠」の刻印。他のメーカーの靴を履いて思ったが、つま先にゴムを付けてくれるのは外回りのビジネスマンにとっては耐久性の面で有り難いことだ。

 昨年も書いたが、縫い糸を隠すヒドゥンチャネルやカラス仕上げなどでこだわる人向けにさりげなく高級感を出し、ラストにも徹底的にこだわり、物語性・ストーリーを創った別ブランドを立ち上げ、銀座店を高級別ブランド専門店にしてもお客さんはついてくると思うんだけどなぁ・・・。銀座店もリニューアルしたし。  


 今年はこんな冊子が入っていた。創業50周年。凄い。
~年間で契約する革の枚数と職人の数からクオリティの落ちない最高ラインを逆算すると本社工場で1日に作る限度数は420足という。いくら売れても、急がされてもこれは絶対に変えない~そうだ。


 「やんちゃジジイ」・・・・。これは要らない(笑)。いい年しても馬鹿やります、と宣言するようなアホなコピーだ。見るだけでイラつく。「やんちゃジジイ」とかいう奴とそれに踊らされるアホなジジイの医療費と年金はカットだ。


左 高島屋購入 TS200 右 H9046




 私が持っているスコッチグレインは靴磨きをするとつま先が物凄い光る。すごい楽しい。ペルフェットも光るが、シェットランドフォックス(インバネス)とソフィス&ソリッド(S905)はアノネイながらそれほど光らない。

 スコッチグレインはやっぱり革だな。

 これからも応援しています!