調査員の「目」

 日常の何気ない雑感とつれづれ日記。

日吉・天一書房

2005-02-20 | 書店系
 金曜日の夜、東横線「日吉」駅の駅ビル(東急百貨店)にある「天一書房」に行った。”天一”と言っても天ぷら屋ではない。「天一書房」を知っている人は沿線住民以外にいないのではないだろうか。私もたま~にしか行かない。というのも、「書店巡り」が目的の私にとっては1店舗のためだけに日吉を訪れるのはちょっと気がすすまないからだ。どうしても神保町、横浜、渋谷(会社帰りに)方面に足が向いてしまう。

■天一書房
・横浜市港北区日吉2-1-1 日吉東急百貨店(東急東横線日吉駅駅ビル)南館3階
[営業時間] 10:00~22:00
[定休日] 日吉東急百貨店南館の休館日。

 以前は2階にあったのだが昨年、リニューアルして3階にフロアを移し、250坪(約750㎡)の広さを確保して綺麗になった。立地柄、客層としては慶応の学生さんや付近の住民の方々が多いと思う(おそらく、塾帰りの子供もいるのではないか)。ビジネスマンっぽい人はあまり見かけない。大型書店にはやや見劣りするものの品揃えはまあまあの方だと思う(マンガや中学、高校受験の参考書などの比率が高い)。
 よくよく考えてみると私は「凹タイプ」のレイアウトになっている書店が好きかもしれない。書店に向かって左側から入って1周して右側から出て行くというような感じである。天一書房(日吉店)のレイアウトも全体を□とすると入り口付近真中にレジが設置されていて(凹な感じ)、左側の週刊誌の棚から右側のビジネス書関連を見て出て行くというような流れで歩いてしまった。
 「有隣堂」の恵比寿店(恵比寿駅アトレ5階)、ランドマークプラザ店(みなとみらいランドマークプラザ5F)も凹タイプのレイアウトだ。神保町の「三省堂」は入り口から入ると違うように見えるが、基本的には凹タイプだ(この凹で見ると、右側面が入り口になっているだけで上側面がエレベーター)。「書泉グランデ」はレイアウト的には凹ではなく、書棚間隔が狭いのが難点だが品揃えが充実していて店員にプロ意識が見られるので好きだ。「東京堂書店」は評論家の立花隆さんがかつて著書の中で評価していたが、昔は2階にエレベーターで行けたのが、今は階段なのがちょっと面倒。2階の雰囲気が若干暗く感じられるのは私だけだろうか。池袋の「ビブロ」は品揃えが充実していて好きだったのだが距離的な面で今はあまり行かなくなってしまった。外苑前のビブロは遅くまでやっているので金曜日の夜などに使える。話がフロアレイアウトと関係ない方向に進んでしまった・・・。とにかく、天一書房(日吉店)単体としては綺麗で良いお店だろう。
 

『マーケティング企画技術「マーケティングマインド養成講座」』

2005-02-20 | 書評系
 昨日買った本の勝手な書評。

■マーケティング企画技術「マーケティングマインド養成講座」(東洋経済新報社/2,200円+税)
著者:山本直人氏
 1964年東京生まれ。マーケティングおよび人材育成にかかわるプランナー。1986年慶応義塾大学法学部卒、同年博報堂入社。製作局コピーライター、研究開発局主席研究員(兼)ブランドコンサルティングコンサルトを経て人事局人材開発担当ディレクター。2004年同社退社。マーケティングスキル、営業能力開発、若年層のスキル開発等を中心とした人材育成、およびブランディングを中心としたマーケティングプランニング等を行う。

■目次
 はじめに 
第Ⅰ部   現状を分析する技術
 第1章    するべきことを見通す
 第2章    生活者と社会を知る
第Ⅱ部   針路を選ぶ技術
 第3章    課題を発見する
 第4章   ターゲットを描く
 第5章   ポジショニングを定める
 第6章   コンセプトを築く
 第7章   コミュニケーションプランまでのストーリー
第Ⅲ部  考えを表現する技術
 第8章   企画を決める
 第9章   プレゼンテーションを組み立てる
 おわりに
〔参考文献〕
(以上218ページ)
※私の勘違いかもしれないが”はじめに”の文章の年月が2004年2月となっているが発行年月が2005年3月となっているので、2005年3月の間違いではないだろうか?でも、こんなミスするのかな・・・?

 本書は、「マーケター(marketer)としての構想力=プランニング力を向上させるための技術」を取り上げ、著者の博報堂での勤務経験を基に、「マーケター(marketer)なら誰もが持つべき全体構想企画に必要な技術」に的を絞って解説している本である。
 
 一言で言って”良書”
 各章ごとにイントロダクション的な記述があって「何について」「どういう順番」で論じていこうとしているのか丁寧に説明されていて親切。一般的なプレゼンでも冒頭に「何について」「どういう順番」「どの位の時間で」etcというように、まず「全体」を示した上で「部分(各論)」の説明に入っていくのがオーソドックスな手順だと思うが、広告代理店出身の方だけにプレゼン的な思考が反映されていると感じられる。
 ”はじめに”で著者が述べている通り、現実のプランニングに応用可能な最近の具体例が豊富で基本セオリーも図で示されており分かりやすい。携帯電話のポジショニング、自動車市場の変遷、「新幹線利用者」「伊勢丹メンズ館」「アジエンス(シャンプー)」などのセグメント分析、SWOT分析(機会、脅威を”追い風””向かい風”と意訳しているのは感心した)など多数掲載されている。「この点は、こういうカテゴリーがいいのでは?」という自分なりの分析をしながら読めば、頭の血の巡りが良くなるかもしれない・・・(笑)。
 読者としては、マーケティング実務担当者、マーケティングに関心のある学生、マーケティング戦略の統括マネージャーを想定されているようだが、一般のビジネスマンの基礎知識や営業マンがターゲット”戦術”を練る上でも使えると思う。装丁もgoodだ。
 こういった基本セオリーを頭にいれておけば自分の中で物事を見るときの「軸」ができるし、実例があるので”模倣”から始められるため有用な本と言えるだろう。満足。