本屋を歩いていて立ち読みしたら「この導きと出会うのは極めて幸運なことなのである。」と書いてあったので買ってみた。
「原典訳 チベットの死者の書(ちくま学芸文庫)」1,050円(税込)
著者:川崎信定氏
1935年千葉県生まれ。東京大学教養学部教養学科卒。同大学院印度哲学科博士課程修了。文学博士。東洋大学文学部教授、筑波大学名誉教授。
第1巻 チカエ・バルドゥ(死の瞬間の中有)とチョエニ・バルドゥ(存在本来の姿の中有)
第2巻 シパ・バルドゥ(再生へ向かう迷いの状態の中有)
第3巻 付属の祈願の文書
人は死んだらどうなるのだろうか。「火葬されて土に還る」「天国に行く」など多様な答えがあると思う。誰しも一度は脳裏に浮かんだことのあるこの問いかけに答えてくれているのが「チベット死者の書」ではないだろうか。死は誰もが不可避のことながらその1回限りの経験のため事前に経験することができない。しかしながら、仏教においては輪廻転生(意識の連続性)を説いており、瞑想に熟達すると事前に「死」を体験できるという。この「死」と「再生」のプロセスとその対処方法を明らかにしたのが本書「チベットの死者の書」で、冒頭の通り、
「この導きと出会うのは極めて幸運なことなのである。(中略)これこそすべての教えの一番に重要なものなのである。」
と書いてあるほか、
「この『バルドゥにおける聴聞による大解脱』という教えは、過去・現在・未来の三世にわたるもろもろの仏たちが探し求めても、これより優れたものは手に入れることのできない教えなのである。」
と書かれている。「おぉ~、凄い教えだ。私は物凄いラッキーなんじゃないか(笑)?」と思ったが、よく読むと「あとがき」にある通り、1960~1970代にヒッピーの間でブームになったそうだし、10年以上前NHKで「チベット死者の書」を題材にした番組が放送されるなどかなりメジャーな物であることが判明した。ただし、今の日本において実際にここに書かれている文章を手にとって読む人は少ないのではないだろうか。
しかもこの教典はチベット仏教の確立に決定的な役割を果たしたパドマサンバヴァという高僧が聖なる山(ガンポリというらしい)に埋めて、転生者のカルマリンパという人が発見した秘匿の書であるという。
信じる信じないは人それぞれだが、知っていて損はないだろう。
「原典訳 チベットの死者の書(ちくま学芸文庫)」1,050円(税込)
著者:川崎信定氏
1935年千葉県生まれ。東京大学教養学部教養学科卒。同大学院印度哲学科博士課程修了。文学博士。東洋大学文学部教授、筑波大学名誉教授。
第1巻 チカエ・バルドゥ(死の瞬間の中有)とチョエニ・バルドゥ(存在本来の姿の中有)
第2巻 シパ・バルドゥ(再生へ向かう迷いの状態の中有)
第3巻 付属の祈願の文書
人は死んだらどうなるのだろうか。「火葬されて土に還る」「天国に行く」など多様な答えがあると思う。誰しも一度は脳裏に浮かんだことのあるこの問いかけに答えてくれているのが「チベット死者の書」ではないだろうか。死は誰もが不可避のことながらその1回限りの経験のため事前に経験することができない。しかしながら、仏教においては輪廻転生(意識の連続性)を説いており、瞑想に熟達すると事前に「死」を体験できるという。この「死」と「再生」のプロセスとその対処方法を明らかにしたのが本書「チベットの死者の書」で、冒頭の通り、
「この導きと出会うのは極めて幸運なことなのである。(中略)これこそすべての教えの一番に重要なものなのである。」
と書いてあるほか、
「この『バルドゥにおける聴聞による大解脱』という教えは、過去・現在・未来の三世にわたるもろもろの仏たちが探し求めても、これより優れたものは手に入れることのできない教えなのである。」
と書かれている。「おぉ~、凄い教えだ。私は物凄いラッキーなんじゃないか(笑)?」と思ったが、よく読むと「あとがき」にある通り、1960~1970代にヒッピーの間でブームになったそうだし、10年以上前NHKで「チベット死者の書」を題材にした番組が放送されるなどかなりメジャーな物であることが判明した。ただし、今の日本において実際にここに書かれている文章を手にとって読む人は少ないのではないだろうか。
しかもこの教典はチベット仏教の確立に決定的な役割を果たしたパドマサンバヴァという高僧が聖なる山(ガンポリというらしい)に埋めて、転生者のカルマリンパという人が発見した秘匿の書であるという。
信じる信じないは人それぞれだが、知っていて損はないだろう。