靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

近況整理、その子によっては十代終わりの場合もあるんだよ

2014-03-30 08:08:04 | 子育てノート
1.ジャケット着て、マフラー巻いて、といつものような出で立ちで買い物に出かけると、ジャケット無し、しかも半そでで駐車場を歩いている人々! 確かにここ毎日眩しい日差しで、もうすっかり春気分だけれど、といって外は日中三度ほどのひんやり空気。さすがアラスカン



2.友人宅で子供達を遊ばせながら、子育てについてあれやこれや皆悩みは尽きず。それでも、窓から差し込むぽかぽか陽気に、皆ゆるゆるほんわり。まあ、何とかなるかな、まあ、大丈夫よね、そんな締めくくり続出。暗くて長い冬の後の、この太陽の力ってすごい!と顔見合わせ笑った午後。



3.慎重派の友人息子君とそりへ。滑りたいけど恐くて滑りたいけど恐くてと何度も何度も坂の上で繰り返し。すると反対側によりなだらかな斜面を発見。僕ここならできるかな、目つぶって、思い切って、それ~! 坂の下で、まんまる目に大興奮。できたできたできたあ~! 坂を上って滑って上って滑って何度も何度も。帰る時間になると、もっとしたいなあ、今度はいつ来る? 明日? 子供達の「できた!」というきらきら笑顔、いつ何度見ても嬉しくなりますね。



4.週に一度のピアノレッスン。毎日の練習に以前より力を入れ始めて以来、レッスンの一回一回への思い入れも変わった長女。先週は、あそこ間違えるだろうなあ、ここがまだうまく弾けないことがあるしなあとため息つきながら。今週も、そうつぶやいていたところ、「もうね、どか~んと弾いておいで。今までしてきたことを思いっきり爆発させるような気持ちでね。こう、内側から解き放つようにね、フリーユアセルフ!」と身振り手振りで叫んで送り出したところ(「ママ落ち着いて・・・」と冷静な長女、笑)、音が全然変わる。めったに褒めない先生から褒め言葉もいただき、何曲かぽんぽんとパスし。「ラッキーだったわ。練習ではあんなに上手く弾けたことなかったもの」と笑顔な長女。

 昨夜も練習中喧嘩になり(互いに疲れていて互いに切れ)、山あり谷ありですが、親子共々、様々な気づきを与えられるこのピアノというものに、感謝です。



5.五月にトライアスロンに一緒に参加する長女のお友達、来週行われるハワイでのトライアスロンに家族で参加するため昨日旅立ち。メールで送られてきた夕焼けに包まれ椰子の木の下でのお友達の写真に、うっとり長女。それでもふと我に返り、何の準備もしていない自分、うっとりしている場合じゃないわと、今日はプールで泳いでくるそうです。(笑)



6.長男のある教科の先生からメール。長男を含む六人のグループが、注意したにも関わらず、わざと間違った解答を言い続けるなど無礼な態度を改めず、廊下で話し合いをしたとのこと。見習いの先生も見学に来ている期間で、このプログラムでこんなことが起こるなんて、これほどの屈辱はありません、家で話し合ってくださいと。

 何てことを!と夫と顔を見合わせ。他の子達の注目を集めるために面白がってしたのだろうか、ティーンのくだらない悪ふざけを場所もわきまえず、けしからん!心底分かるまで、お友達と遊ぶのもしばらく禁止するかなど言い合いつつ。

 帰宅した長男と話し合い。まず、グループのメンバーを聞いて驚く。悪友の名前が挙がるかと思えば、オールAの集いなどに常連のいわゆる優等生な女の子達。以前、この中の女の子がこの先生に対して「それは授業内容と何の関係もない意味のない話です」など手を挙げて言い、廊下に出されたとは聞いていた。今回は、先生が答えを誤り、グループの女の子がそれを指摘したところ、あやふやにして訂正し無かったため、周りの子達皆で「憲法を作ったのは誰?」に「オバマ大統領」と答えるなど、むちゃくちゃな答えをし続けたのだそう。

 長男ともう一人の男の子は、一言も言わず、傍観していたとのこと。他の親御さんと話してもどうもそのようで。同じグループということで一緒に外に出されたわけですが、女の子パワーにたじたじだった、といったところでしょうか。「○○(もう一人の男の子)なんて、その後部活で足捻挫したりして、ちょっと可哀想な日だったよ」と。

 先生も大変だし、そういう時は女の子達なだめてやって、次へ行こうと声をかけてやりなさいよ、などと伝え。女の子達の方が何枚も上手そうですから、まあ聞いてはくれないでしょうが。(笑)

 勝気な女の子達、頼もしくもありますが、こうした出来事を通して、少しずつ何にどうエネルギーをかけていくといいのか、学んでいくのかもしれないなと思ったり。先生にお詫びのメールを出しつつ。



7.夫の異父弟の就職が決まったと一昨日メール。博士課程を修了し、スタンフォードやコロンビアやシカゴやら、名だたる大学からのオファーの末、自ら卒業したのとはまた別のアイビー・リーグの大学で教えることに。これまでの博士課程も、アイビーリーグで学ぶほどの資産など家族にはなく、生活費から全て奨学金で。

 子供時代から、決して成績が良いということでもなく、問題行動も多く、学校側からADHDの検査をするようにと勧められ、「ボーダー」という診断を受けたこともある彼。思春期には「とにかく女の子の注意を惹くことに全力を注ぐようになって勉強どころじゃなかったわ」とお姑さん。勉強というよりスポーツばかりしていた子供青年時代。十代の終わりから勉強に力を入れ始め、めきめきと伸びていったよう。

 本人そして周り曰く、長年スポーツで培ったチームワーク、コミュニケーション力、負けても負けても立ち上がるガッツやタフさ、それが大きかったと。勉強は、ある程度基礎をつけておけば、本人がやるぞ!とパッションを持って全力を注ぎ込める時に伸びてくる。そしてそう落ち着いて注ぎ込める時というのは、その子によっては十代後半という場合もあるんだよと。彼の歩みを見ていると、とても納得できる言葉。人生の門出、おめでとう!


今日は長男長女NPO休み。朝からジムへ。三女をクラスメートの誕生日会に降ろし、次女と出来上がった眼鏡を取りに。夕方から三女の誕生日プレゼントを四人一緒に。誕生日の明日はハイキングへ!

皆様の春の一週間が素晴らしいものでありますように!

Have a wonderful week!


日常風景:

うわあ~、


これ見て~!と、次女十歳撮影。

こんな風に雪がぶら下がるの、初めて見ました。

近所の木橋渡って。


そり。


よいしょよいしょ。


夫と見守り。


日が沈む。



平日は、友人家族と。


よいしょよいしょ。


いくよ~。


アイスリンクも解け始めて。


まぶしいね。



友人宅での春ランチ!

バジルペストとマスター、ドパンに塗って。

子供達に伝えたい冒険を楽しむ力

2014-03-30 08:07:09 | 子育てノート
不安感と長い間付き合ってきて

今でも包まれることがあるけれど

以前のように 呑まれてしまうことはなくなった




不安感とは 「分からなさ」を感じているということ

かつて確信していた秩序構造に 「カオス」が入り込んでくる状態




それでもその「カオス」こそが 「創造」への扉でもある 

不安感 

それはイコール 

新しい地へとたどり着く機会を与えられているということ




不安を感じたら 

しめた 

私は「不確定さ」へ足を踏み出している そう思ってみる

慣れ親しんだ港から 大海へと漕ぎ出し 

ああ また冒険が始まった!と 



冒険を楽しむために役に立つものリスト:

・ビジョン   真っ白なキャンパスに描く
        
・タフさ    何度転ぼうが立ち上がる

・根拠のない自信  周りから根拠なく見えようが湧き上がる自信

・努力を努力と感じない努力 パッションに突き動かされ

・遊び心 カオスのリズムと戯れ踊り
      

これらは

大海に溺れながらも岸へと這い上がり

頂から転げ落ちても再び登り

そんな幾たびもの失敗から 何度何度も立ち上がった体験によって培われる



子供達に伝えたいのは これら冒険を楽しむための力

人生という冒険へ 足を踏み出し続けるために!

夜の不安感や悪夢にどう対処したらいい?

2014-03-30 08:06:01 | 子育てノート
夜電気を消すと、不安になり「恐い」とつぶやく。どこかで見た恐ろしいイメージや悪夢が蘇り、一緒に手を繋いで眠って欲しいと言う。

夜不安感に包まれる、それは子供にとって、それほど珍しいことではないようです。オランダの研究では73%の4-12歳までの子供達が夜不安感を経験し、オーストラリアでの調査では8-16歳の64%が、夜心配感や不安感が押し寄せることがあると報告されています。

人類の歴史を遡ると、その99%が狩猟採集時代。暗くなると無防備な子供が一人にされることはあり得えず、親は外的から守るため、必ず子供と一緒に寝ていたといいます。子供達が夜抱く不安感とは、長い間培われたそんな人類の性質の表れなのではないか、そんな説もあります。



夜一人で眠る。こちら米国では、生後六ヶ月頃から、「そろそろ一人で寝る訓練をさせてもいい頃ですよ」と小児科でも指導されます。三歳になる頃には、一緒に寝ていると言うと、はっきりと「別々に寝た方がお互いよく眠られますよ」と勧められます。

長女も二年生の時、教室で「お母さんと寝てます」と言ったところ、「それはよくないですね。もう一人で寝る年ですよ」と皆の前で先生に言われ、ショックを受けたことがあります。

住宅事情もありますが、親と一緒の寝室で眠るということは、こちらではとても珍しいこと。周りを見ていても、就寝時間になると、お休みなさいとハグを交わし、一人部屋へ行き電気を消しベッドに入りすやすやと眠る、よちよち歩きの頃から、そうできる子も多くいます。


早い内から慣れさせないから、一人で安心して眠ることがより難しくなるとも言われますが、そうとも一概には言えないと、早い内からトレーニングを受けただろう上のオランダやオーストラリアの子の調査結果を見ても思います。そしてまた私自身の体験を振り返っても、そう思うのです。

私自身、物心ついた時には、両親と離れ、兄と二段ベッドで眠るよう「訓練」されていました。ところが日中は普通の快活で元気な子だったのですが、夜になると毎晩のように押し寄せる不安感を感じていました。地震が起きるんじゃないか、兄の眠っている二段ベッドの底が抜け潰されるんじゃないか、夜中泥棒が入ってくるんじゃないか、押入れに誰か潜んでいるんじゃないか、お化けにどこか連れて行かれてしまったらどうしよう、私は多分尋常でない病気にかかっていて明日にはもう生きていないだろう。

今思うと、まあよくこれほどネガティブなアイデアが出るものだと感心してしまうくらい。そして毎晩必ず真夜中ばちりと目を覚まし、暗い廊下を母親の寝室目指して行くのです。あの母親の布団の中に潜り込んだ瞬間を、今も覚えています。温もりに、心の底から安心してすやすやと眠りに落ち。

こんな私自身の体験からも、夜一人で安心して眠られるかどうかは、「訓練や慣れ」というより、子供の性質のようなものが大きく関わっているように思います。

世界中の多くの国々では、今でも親子隣り合わせに眠るのが普通です。西洋の限られた国々でのみ(特にアングロサクソン系)、一人で眠るよう赤ちゃん時代から訓練されます。

そして親が一緒に寝ることをサポートする説もあります。共に眠ることは、親子間のアタッチメントを築くための「柱の一つ」であるというのです。一緒に寝ることは自立心を損なうという見方もあれば、いやしっかりとした安心感が育ち、自立心をより育てることになるという見方もあります。九百人のケベックの二歳以上の幼児を調査したところ、母親のベッドで眠った子供の方が、後に悪夢に悩まされることが少なかったという結果もあります。 



こうした研究、そして自身の体験からも、一人で安心して眠られるようならば一人で寝かせ、もし不安感を抱えるようならば、一緒に寝てやるのが一番、そう思います。家でも、夜不安になりがちだった五人の子供達、赤ちゃん時代から隣で寝ています。それでも小学校も中学年以上になると、自然と一人で眠られるようになるもの。

以下は、夜不安感を抱えてしまう場合、「一緒に眠る」以外の対処方法例です:

1.空想と現実の区別について話す。空想と現実が入り交ざってしまう子ほど、想像力豊かでもあると言えますが、悪夢を見やすいという研究もあります。また小さな子ほど境界は曖昧なもの。成長と共に、境界がはっきりとし、恐がることも少なくなりますが、「このモンスターは物語だけに出てくるのよ」「この映画は俳優の人達が演じていてね」など、空想と現実の区別について話すのもいいです。


2.眠くなる時間に床につく。眠くない状態で横にならせると、空想妄想が頭を駆け巡ってしまうもの。その子に必要な睡眠時間を見直してみます。


3.特に寝る前に恐いテレビの映像や話を聞かせない。「このイメージをどうやったら取り除ける?」子供達がそう泣きべそ顔で寝る前に聞いてきたことが今まで何度かあります。私自身、地震の映像を見て、何週間もそのイメージが蘇り恐くて寝られなかった思い出も。今でも私自身はホラー映画など苦手ですが、敏感な子には、特に小さな頃は、あまり強烈な映像を見せないようにします。


4.スキンシップ。寝る前に抱きしめたり、普段から温もりにしっかり包んでやると夜も安心します。


5.日中のストレスの緩和。日中何か心配事を抱えていると夜不安感を持ち易いもの。ゆったり過ごせるよう心がけます。


6.柔らかい縫いぐるみを抱っこして。お気に入りの縫いぐるみを隣に並べたり、抱きしたり。縫いぐるみなどを与えらた子供達の方が、より不安感や悪夢などの問題を抱えることがなかった、という実験結果もあります。


7.悪夢はすぐに夢だと覚まさせる。悪夢にうなされ起きた場合は、すぐにそれは現実ではない夢だと分からせるようにすると、また落ち着いて眠りに戻れます。


8.少し明かりをつける。私自身子供時代どうしても恐くてしょうがない場合は、懐中電灯をつけ眠ったこともあります。青いライトは、眠くなるのを妨げることもあるため避けるといいようです。


9.落ち着いて対応する。不安で恐くてしょうがない子供に心をかき乱され、ますます不安感を煽らないようにします。子供の前では、穏やかに落ち着いて大丈夫よ、と抱きしめ声をかけつつ、着実に改善に向けできることをしていきます。


10.リラックスさせる。鼻から吸い口から吐き、寝る前にゆったりと呼吸するようにしてみます。不安になっているときなども共に呼吸してみるのもいいです。


11.医師や専門のセラピストに相談する。最近の研究(2014)では、夜こうした問題を持つ子供は、日中も不安感(anxiety)、衝動性(impulsivity)、注意欠如(abnormal attentional control)など様々な問題を抱えることがあるともされています。セラピーの方法も様々あるようです。
 
 私自身振り返り、今の時代ならセラピーを受けていたかもしれないなと思います。確かに心身面で様々な問題を抱えました。私自身のように、愛情をかけてもかけても底なし沼の不安感を持ってしまう子もいるものです。それでも両親の温もりを体験できていたこと、それがそんな底なし沼から這い上がるための、大きな力となっていたと感じます。

今こうして子供達を前に、そんな自身の体験を生かせることもでき、全て良い体験だった、そう思えます。夜不安感を抱えることのあった子供達も、大きくなるにつれ、一人ですやすやと眠りにつくようになっています!



参考資料:

”Nighttime fears in children: A guide for the science-minded” by Gwen Dewar, Ph.D., http://www.parentingscience.com/nighttime-fears.html

”Nightmares and night terrors in children: An evidence-based guide” by
Gwen Dewar, Ph.D., http://www.parentingscience.com/night-terrors-in-children.html

"Assessment of brief interventions for nighttime fears in preschool children."by Kushnir J, Sadeh A. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21594575

"Nighttime fears and fantasy-reality differentiation in preschool children." by Zisenwine, Kaplan M, Kushnir J, Sadeh A. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22760490

"Nighttime fears of preschool children: a potential disposition marker for anxiety?" by Kushnir J1, Gothelf D2, Sadeh A3. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24262125

”Longitudinal study of bad dreams in preschool-aged children: prevalence, demographic correlates, risk and protective factors.” by Simard V1, Nielsen TA, Tremblay RE, Boivin M, Montplaisir JY. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18220079

"The Attachment Parenting Book : A Commonsense Guide to Understanding and Nurturing Your Baby" by William Sears & Martha Sears

子供の成長と「遊び」

2014-03-30 08:05:28 | 子育てノート
「子供は遊びから学ぶ」、子供達の成長を見守る中で、本当にそう思います。


では具体的に、「遊び」とは子供の成長にどんな関わりがあるのでしょう?


・大脳皮質の発達成長を促す。「遊び」の効用は、動物を用いた実験に如実に現れます。たくさんの遊び道具や遊ぶことのできる環境を与えられたネズミは、遊びのない退屈な空間に閉じ込められたネズミよりも、大脳皮質(cerebral cortex)がより発達し、脳の細胞の成長を司るbrain-derived neurotrophic factor (BDNF)が著しく成長し、難しい迷路を駆け抜けゴールに辿りつくなど、記憶力や問題解決能力が高くなることが分かっています。


・衝動性を抑え自身を律すること(self-control)を身につける。全ての哺乳類は「遊ぶ」ことが分かっています。動物学者によると、子犬や小熊のじゃれ合いなど、動物は「遊び」を通して、「衝動性」を抑えることを学んでいるとされます。これ以上強く噛んだら、相手を傷つけてしまうかもしれないな、そう自らの衝動を制御する感覚を学んでいると。ヒトの子供にとっても、「遊び」は衝動性を抑える効果があるとされます。


・問題に対する多様な解決法を身につける。心理学では、「問題」には、「convergent(収斂的)」と「divergent(散開的)」の二つのタイプがあるとされています。前者は答えが一つであり、後者は答えがいくつもある場合。「遊び」は、後者のような散開的問題を解決する能力を発達させるとされます。



・課題へ取り組む意欲を高める。十分から二十分の、インストラクションのない自由な遊び(放課)をはさんだ方が、生徒の取り組みの質や効率が上がるという実験結果があります。それでも三十分以上になると逆に効果は下がり始めるとも。



・失敗を恐れずのびのびと練習できる。「ごっこ遊び」は、異なる立場の人々になり切ることで、多様な人々を理解する機会となり、人の繋がりの中で生きていくための練習となります。



・論理的思考、言語能力を発達させる。「ごっこ遊び」は、「~だったらどうだろう?」という論理的思考が育ち、また言語能力を発達させるという実験結果もあります。



・人が最大限の力を発揮できる「フロー状態」を身につける。子供達は、遊びを通して自らより深く興味を探索することで、リラックスしつつ集中した「フロー状態」を体験します。遊びは、こうした努力を努力と思わないフロー状態を身につけることを促します。



米国では、世界恐慌時代、戦時中、冷戦中、激動の六十七十年代の子供達よりも、現代の子供達のほうがより不安感や欝を抱えていると言われています。そしてそれは、「遊び」の時間が足りないからではないかと言う説もあります。多くの「先進国」で、自由な遊びがより見られなくなるにつれ、子供達はよりこうした心や行動面の問題を抱えるようになったと言うのです。(by 心理学者Peter Gray)

遊びは、ルール、自律心、決定力、感情の調整、他者との交わりを自ら楽しんで学ぶ最高の方法

九十パーセント近くの子供達が、コンピューターで遊ぶよりも、テレビを見るよりも、外で友達と遊ぶことの方が好きと答えたという調査結果(by IKEA )もあります。


人類学では、「遊び」は、理性が抑制しようとするカオスや無秩序を認め受け入れるため、西洋の科学にとって扱いにくく、否定手的に捉えられることもあるとされます。

それでも、カオスや無秩序を取り込むが故、「遊び」は人間生活のなかでの創造性の源泉でもあるとされていて。


子供が小さければ小さいほど遊び中心に、学習も遊びを通してがいい。

大人も生活に遊び心を取り入れ、時に創造の風に触れ心の調整をしていけたら、そう思っています。


参考資料:

"The cognitive benefits of play: Effects on the learning brain" by Gwen Dewar, Ph.D http://www.parentingscience.com/benefits-of-play.html

"Lack of free play harms kids: The evidence"

by Gwen Dewar, Ph.D. http://blogs.babycenter.com/mom_stories/8-26-2011-lack-of-free-play-is-harming-our-kid/

『文化人類学I』 E.A.シュワルツ・R.H.ラヴェンダ著 古今書院

負けた時の癇癪、潔く負けるために

2014-03-30 08:04:34 | 子育てノート
夫は出張先で、よくいらんものお土産を買ってきます。

今回はこれ:


アジアのある国のモールにて、とてもお値打ちだったそう。

棒に垂直になった人形を回し、ボールを蹴って相手側にゴールすると勝ちというシンプルなゲーム。

髪の色顔形が皆アジア人!と子供達感動。(笑)


長男早速組み立て、それ以来、兄弟姉妹間で日々白熱の戦いが繰り広げられています。

こういったゲーム、カードゲームやボードゲームのように頭のみ使うというより、棒のまわし方や角度や咄嗟の判断や瞬発力や、主に腕や手先を使う「ミニ・スポーツ」ですね。

そのせいか、皆やけにエキサイトして、諍いも勃発。普段かなり負けず嫌いな四歳次男にいたっては、負けると、もうこの世の終わりのように泣いて叫んで。

次男が「負けたあ」と泣き叫ぶ度、「最初に泣かないって約束したでしょ!」と咎める長女と次女。余計火がつき床を転げ回る次男。「今そんなこと言ったってどうしようもないだろ、そういうことは落ち着いてから教えるんだよ」と隣で怒る長男。

次男の悲しむ姿を見たくない長男、必ずわざと負け、すごいなあと次男を褒めるようになり。「それは次男のために良くない」と言う長女とまた喧嘩に。

何だか将来の父親像・母親像が見えなくもないですが。(笑)


それで、「負けた時の癇癪にどう対処したらよいか」について、話し合い整理。


1.気持ちが静まってから話をする。負けたと癇癪起こしている時に、声を荒げて向かっても火に油を注ぐだけ。負けて悲しいね、など気持ちに寄り添い、少し落ち着いてから話をする。


2. 特に五歳くらいまでの幼児には、言葉で説くより、負けた悲しみ悔しさなどの感情に寄り添うことに重点を。


3.勝ちもあれば負けもあるのだというサイクルを体験させる。必ず勝たせるということはしない。


4.勝ち負けよりも、公平さを教える。勝つためにルールを曲げることをさせない。


5.周りがモデルを示す。勝っても自慢して周りを見下すことなく、負けても勝った人を労い潔く次へと進み。小さな子であるほど、周りを真似して大きくなる。


6.勝った時は、喜ぶと同時に、負けた人の気持ちを想像する。自分も負けた時どんなに悔しかったか、気持ちを想像共感してみる。


7.負けた時は、勝った人を褒めるよう励ます


8.ゲームには勝ち負け以外の喜びがあるのだと話す。昨日できなかったことができるようになった、大好きな兄姉と一緒に過ごせるなど。


9.スポーツ観戦など、プロでも失敗して負けることがあるのだと見せる。ボールを落としたり、転んだり、プロでもそんな失敗をするもの。


10.自分や周り身近な人々の体験を話す。失敗したり、負けたり、それでも立ち上がって続けたことなど自身のこれまでの体験を話したり、失敗や困難を乗り越えて頑張っている周り身近な人々に話を聞いてみる。


11.伝記を読む。「偉人」とされる人がいかに負けや失敗や困難を乗り越えてきたかを示す。


12.普段から他人と比較するより、昨日の自分より良くなっているかにフォーカスするよう促す。親も周りと比較するような言動を控える。


13.取り乱さず負けることができた時、勝った相手におめでとうと言えた時、褒める。ついついできないことだけに口を出しがちだけれど、できた時に注目し言葉をかける。


こうした働きかけを続けることで、大きくなるに連れ、徐々に、より潔く負けられるようになるもの。


五人見てきて思うのは、負けず嫌いの子と、勝ち負けにそれほど頓着しない子と、生まれ持った性質というものがあるということ。負けず嫌いな子は、そのガッツを昨日の自分との闘いに、勝ち負けにそれほど頓着しない子は、マイペースにこつこつと興味を掘り下げていくよう、それぞれ異なるその子その子の持ち味を生かしていけたら、そう思ってます。


しばらく、白熱の屋内ミニ・スポーツ戦、続きそうです。(笑)