靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

近況整理、年を経るごとに強く明るくたくましく

2014-03-09 09:59:14 | 今週の整理
1.金曜日から、一週間の春休み始まりました! 初日は早朝長男ジム送り迎え、朝ごはん食べて皆でボードゲームして部屋片付けて、昼から図書館にスケート。車の窓全開、春の空気を吸い込んで。来週一週間、ノンストップで賑やかです!



2.ホームページを作成しようと、取り組み始めているのですが、これがなかなか難しいんですね。「ホームページ作成・管理を請け負います」という業者の方がなぜ必要なのか、よく分かりました。時間がかかりそうですが、少しずつ整えていきます。



3.ひとまず何冊か本が届き、高校のホームスクールについて調べ中。今のところ本人かなりその気になっているのですが、夏休みの間、他州やアラスカ内でのサマーキャンプなどで留守にすることも多いけれど、実際試してみて、秋からどうするかを決めようと話してます。

 まだ本人も私もざっとしか目を通していないのですが、マジョリティーでない様々な道を模索してきた人々がいっぱいいるのだなと。こうした多様な道筋からの声にどんどん触れていきたいです。



4.「ドクター・スースの生誕を記念して朝食を食べましょう会」が毎年この時期小学校で。「緑の卵とハム」(この物語「Green Egg and Ham」はこちらではとても有名ですが、日本語訳されていないよう。ドクタースースの本は韻を踏んでいるものが多く、意味を訳しても独特の面白さが伝わらず難しそうですね)をいただき、ドクタースースの歌(アイラブドクタース~ス~)を歌って。

 以前ご近所でカープール(学校送り迎え分担)をしていた友人が、「Cat in the Hat」の猫のコスチュームを着て、子供達に話しかけて回り、ステージに立ってゲームをして下さる。

 いつどこで会ってもエネルギーの塊のような彼女、その前向きさにいつも学ばされる。彼女にとって、目の前の「問題」とは、「どう越えていくかを考え動くことでパワーアップする機会」のようなもの、これまで数年近くの彼女の歩みを見てきてつくづくそう思う。

 アートクラス、リーディングサマーキャンプ、ファミリーアルバム作りなど、子育て中の家族を対象とした様々なビジネスを続けてきた彼女、最近、ミッドタウンのモールの一角に、「子供が遊べるアートスタジオ」をオープンした。
 
 年を経るごとに強くたくましく明るく元気になって行く彼女の姿に、力をもらい励まされつつ。



5.世界中の民族紛争を調査し「リーダーシップ」「外交」「制度のデザイン」が平和を築く鍵だと活動を続ける人々、アフリカ大陸に科学・数学者を育てようと学校を建て運動する人々、ネパールの環境問題に無人飛行機を用いて取り組む人々、TEDを通し世界中の様々な問題に奔走する人々の姿やスピーチに触れ、そのスピリットに感動し。世界中にそうした活動を地道に続ける人々が、例え人目に触れることがなくとも無数にいる、それが大きな希望です。



6.週の半ば、長女が「ゴールデン・ナゲット・トライアスロン」に参加申し込み。お友達と出るのだそう。走る、泳ぐ、自転車こぐの全過程を個々人でするものの、友人とのチームとして、それぞれのベストタイムを合併して扱ってもらえるのだそう。

なんと、夜八時にオンライン・レジスターオープンして、千五百人女性のみのスポットが、 五分で一杯に! 毎年家族で参加のそのお友達によると、去年は二十分程で一杯だったと。年々参加希望者増えているんですねえ。

長女、八時前からお友達とテキスト交換しながらコンピューターの前で待機。送られてきた四台のコンピュータを並べて待機するお友達宅の画像を、「これ見て!」と興奮して見せてくれながら。

そのお友達、毎日一マイル走るというのをここ何年か続けているのですが、長女、五月の大会に向け、走って泳いでこれから準備です。(笑)

元々「母と娘のためのトライアスロン」として2003年に始まったこの「ゴールデン・ナゲット・トライアスロン」。「運動競技を通し女性と少女の人生を改善する」ことを目的としているのだそう。頼もしいアクティビティーに誘ってもらったこと、感謝です。



今日は、朝NPOに長男を降ろし、残り四人連れてロッククライミング場にて友人君の誕生日会。昼からは三女、クラスメート宅でスリープオーバー。夕方長男を迎えに行き、残り組みで散歩。明日は、家族で出かけ、春の日差しを満喫します!

皆様の一週間が素晴らしいものでありますように!

Have a wonderful week!



日常風景:

ファーランデブー祭の雪彫刻展示会へ下四人、友人と息子君二人と共に。


橋くぐる?


アニメのキャラクターなど。


ホットココアが無料で振舞われ、


熱い熱い!と叫ぶ子供達、

何しているかと思えば、


埋めて冷やし、


ストロー差して、飲む・・・。

通りかかった観光客がこの様子を写真に撮ってました。「アラスカの子供達はこうしてココアを飲む!」と語り伝えられるのでしょうか・・・。(笑)

その後、祭会場近くの小学校校庭にて、


おっとっと、


一斉にこぐ!


春休み前に、三女一年生クラスで学習発表会。


ヒトデに、


カニに。

かなり詳しい身体の部位まで習ったようです。

帰りに空を見上げ。

また明日から、頑張ろうね。


次男、Kちゃんとの午後。

ジャンプジム。


「ドクタースースの誕生記念朝食会」、廊下にはどのドクタースースの本が好きかという投票結果。

「ロレックスおじさんの秘密(The Rolex)」が一位!映画の効果もあるのでしょうね。

「緑の卵」だね。


猫な友人。

 

春休み初日。

次男に作ってやりつつ自分がかなり楽しむ長男。


スケート!

気がついたら椅子が・・・。

長男、「次男用」にと持参。

椅子ね、壊さないでねと、横からママ。


僕も押すね。



夜は焚き火しよう、と準備長男。



長女トライアスロン申し込み八時前。

お友達とわくわくな瞬間!

歯を失くしちゃった、親の成長

2014-03-09 09:57:05 | 子育てノート
「見て、あの顔」、助手席の長女に声をかける。歩道に沿って停めた車に向かって、三女が目を輝かせ満面の笑顔で走り寄ってくる。その姿に、長女と顔を見合わせ、ふふふと笑い。

車に乗り込むなり、「歯が抜けたんだよ~!」と叫ぶ三女。「今日ね、○○君にね、ぐらぐらなのって見せたらね、ひっぱりなよっていうから、ちょっとひっぱってみたらね、抜けたの!」

ここ最近、毎日のようにその「ぐらぐら度」を家族に見せて回っていた。やっと抜けた二本目の歯!とそれは嬉しそう。

ハイウェイに乗って、そのままピアノ・レッスンに向かう。兄姉弟一人一人に歯を見せ終わり、「歯の妖精」がその夜訪ねてくれるのを楽しみに、ティッシュに包んで。

一時間後レッスンが終わり、車を発車させようとすると、ごそごそと車の床に這いつくばっている三女。どうしたの? 歯をね、失くしちゃったの。どこにおいておいたの? ティッシュに包んでおいたんだけどね、どこかに落ちちゃったみたい・・・。しばらく兄姉が探すも、見つからず。ため息をつきながらうつむいて座席に座る。

歯を失くした!という出来事、これまでも何度か。袋に入れて皆に見せて歩き、そのままどこかに置き、誰かが捨ててしまったとか。ティッシュに包んでポケットに入れそのまま洗濯してしまったとか。誤って水道に流してしまい、泣き叫ぶ横で、夫が配水管をはずして管の曲線のところに運よく止まっていた「歯」を見つけたこともある。

この世の終わりのように泣き叫んだのを覚えている姉達、ちらちらと三女の様子を見ながら、私の方を向き「あーあ」という表情をする。

家も近くなり、黙ってうつむいていた三女が顔を上げ、「歯の妖精さん、お手紙書いたら分かってくれるかなあ」と。「そうそう、絶対見てくれるよ! 私もしたことあるもの!」すかさず答える姉達。

帰宅した途端、ガレージから家の中に駆け込み、お手紙を書く三女。

歯の妖精さんへ、車の中で歯を失くしちゃいました。

手に持っていた歯が床へ、の図。

その夜、枕の下に、お手紙を入れて眠り。朝、手紙の間に挟んであったコインを見つけ、大はしゃぎ。



今回のことでも思ったのは、子供によって同じような物事に対しても反応の仕方が本当に様々だということ。三女は普段からどちらかというとおっとりほんわりしていて、こういった時にも、「困ったなあ」という様子で一人ごそごと動き、「お手紙書こうかなあ」とぽつり言ったり。一方、「これで全てが終わりました」という様子で荒れ狂い悶え泣き叫ぶ子もいる。

三女のような場合は、その健気に見える姿に、自然と周りにも微笑みが生まれもする。そして後者のような場合は、周り緊張走り身体強張り、振り回されへとへとになることもある。そんな体験が積み重ねられ、その子に対する周りの印象のようなものもできていく。

親として気をつけたいのは、その都度リセットし、どちらにも同じ深さのケアと愛情を意識してかけ続けるということ。意識せずとも愛情たっぷりの微笑がこぼれる相手もいれば、自身の内に潜り、積み重なった塊を取っ払うことで、溢れんばかりの愛情が流れ出す場合もある。

そして、そうコンスタントに自身の内に潜るチャレンジを与えてくれる子ほど、親を、親として人として成長させる存在はない。そうしみじみ思います。


子供達一人一人の、泣き顔に、怒り顔に、笑い顔に、感謝しつつ。

努力の方向を見直す

2014-03-09 09:56:07 | 子育てノート
才能や能力は生まれ持ったもので変えることはできないと考える「固定型マインドセット」

才能や能力は努力の継続によって伸ばしていけると考える「成長型マインドセット」


こちら米国では、心理学者Dwek氏の研究を基に、近年、「成長型マインドセット」こそが、子供達を伸ばす鍵だと、学校現場でも目指されている。


それでも言ってみれば、「成長型マインドセット」というのは、アジア諸国では、より行き渡った当たり前とも思われる考え方ではないだろうか。努力すればできるはず、努力してないからできないのよ、そう親は、子供たちの背中を小さな頃から押し続ける。「できる子」を見れば、こちらなら、「与えられたギフトね」で終わってしまうことも、アジア諸国では、「あなたにもできるはずよ」と、叱咤する機会になるのではないだろうか。

アジア諸国では、才能や能力は生まれ持ったものだから、努力したってそうそう変わりはしないよといった「固定型マインドセット」は、そう一般的ではない。

特に東アジアでは、努力と継続こそが成功への鍵だと信じられているという研究もある。 (Chen and Stevenson 1995) だからアジア諸国の子供達は、アカデミック面でも高い結果を出すのだと。




それでは、なぜアジア諸国の子供達が、皆やる気満々で学校が大好き!とはならないのだろう? 「成長型マインドセット」が行き渡るならば、子供達は生き生きと自分の能力を伸ばすことにやる気を持つだろうと、こちら米国の研究者が予想するように。

それは、アジア諸国の「努力の方向性」に、決定的な違いがあるためだと思い当たる。

アジア諸国では、「努力するならより『彼ら』になれる」

一方こちらで理想として目指されるのは、「努力するならより『自分』になれる」

だからいくら努力しても苦しくてしょうがない。必死で「彼ら」になろうとする空しさ。



アジアでは、「努力して成長できる」よりも、「努力してより『自分』に成長できる」が強調されていく必要があるのではないだろうか。



参考資料:

“The right mindset: How a child's theory of intelligence can change the way she learns”http://www.parentingscience.com/theory-of-intelligence.html

Dweck CS 2006. Mindset: The new psychology of success. New York: Random House.

Chen C and Stevenson HW. 1995. Motivation and mathematics achievement: a comparative study of Asian-American, Caucasian-American, and east Asian high school students. Child Development 66(4):1214-34.

「四つの子育てスタイル」

2014-03-09 09:55:07 | 子育てノート
子育てについて様々調べる中で、押さえておきたいポイントなど、少しずつまとめていきます。


心理学では、子育てのスタイルには主に四つあるとされています。

1.Authoritarian (独裁・権威主義タイプ)
2.Permissive   (消極・受身タイプ)
3.Authoritative (権威ありつつ信頼できるタイプ)
4.Uninvolved   (無関心タイプ)

1は、子供に有無を言わせず従わせるスタイル。従わない場合は罰を持って接する。

2は、子供の意向中心に物事を進める受身スタイル。リミットを設定し守らせることに消極的。それでも温かみがあり子供の感情的ニーズを包み込む。

3は、子供の意向を尊重しつつも、リミットを設定し、ルールの理由を示し、子供の感情的ニーズにも責任を持って接するスタイル。
4は、衣食住の供給といった最低限のニーズを満たすものの、リミットの設定にも感情的ニーズにも無関心スタイル。


そして、世界中様々な地域での研究を通し、少しの例外はあるものの、普遍的に「3」のスタイルが、子供の能力や感情面を最も健やかに育てることができるという結果が報告されている。
(元々は、心理学者Baumrind 氏が米国白人家庭の調査を通し1966年にまとめた1-3に、1983年にMaccoby氏と Martin氏が4を付け加え、その後、世界中様々な地域での研究が続けられている。)

また、片親のみが「3」のスタイルであっても、全く「3」のスタイルが取られない場合よりも大きく違ってくるとされる。



1,2,4のスタイルで育った子供達には、以下のような特徴が指摘される。

1は、行儀良くいい子に見えるけれど、社会的なスキルが欠けていたり、不安感、鬱、自己評価の低さに悩むことが多い。

2は、不安感や鬱なども少なく、自己評価も高い傾向にあるけれど、様々な誘惑に負け易く、何かを成し遂げるということが難しい。

4は、あらゆる面に凹みが見られる。非行に走る子供の多くが、4のスタイルの家庭で育っている。



3の「権威ありつつ信頼できるタイプ」とは、1と2の間でバランスを取りつつ、見出す着地点でもある。子育てを通しつくづく思うのは、まさしく「条件に従うようにさせる」と「無条件に受け入れる」との「バランスが鍵」だということ。

1と2の間を揺れながら、その場その時の最善に思われる着地点を見つけていく。そんな時、3の「権威ありつつ信頼できるタイプ」として挙げられる項目をより具体的に見ていくことで、その着地点がどういったものかというヒントにもなる。

・何かをするよう尋ねる前に、子供の望みや感覚感情を考慮する。

・子供に自身の感覚感情について話すよう励ます。

・子供が恐がっていたり動揺していたら助ける。

・何かをして欲しい場合はその理由を示す。

・親とは異なっているとしても、子供の意見を尊重し、子供が子供自身の意見を表すことを励ます。

・頼んで同意したことを途中やりのままにさせない。

・親の望みを満たすために「報酬」を与えることをしない。

・怒りの感情をぶつけない。

・「愛情を減らす」というかたちの罰を与えない。


完璧なバランスとはいかずとも、1と2のバランスを取りつつ、3を心に留め子供に接することで、随分と違ってくると感じています。



メモ:

・一つ興味深い研究に、ヒスパニック文化についての最近(2009年)のものがある。2の「消極・受身タイプ」が、3の「権威ありつつ信頼できるタイプ」と同じように、子供達に良い結果をもたらすというもの。

 これについては、調査においてどんな 「権威ありつつ信頼できるタイプ」の定義が用いられたかによって、結果も異なってくるといった意見もあるけれど、周りのヒスパニックの人々を見ていても少し頷ける部分がある。

 理性的で自己主張の強い欧米の子供達に比べ、どちらかというと情緒的なヒスパニックの子には、リミットを設け、理性的に説明してというよりも、感情面を包み込むことにより重きをおくことで、うまく育っていくという面もあるかもしれない。

そして、これは日本についても、当てはまる面があるのではないかと思う。


・一昔の前の日本では、1の「独裁・権威主義タイプ」を父親が、2の「消極・受身タイプ」を母親が受け持つことで、ある意味バランスがとれていたともいえるかもしれない。それでも、ジェンダーそして家族のあり方も変わりつつあり、これからは父であろうが母であろうが、個々人がバランスを心がけていくのが大切だろう。



  
参考資料:
Baumrind, D. (1966). Effects of Authoritative Parental Control on Child Behavior, Child Development, 37(4), 887-907.

Maccoby, EE and Martin, JA. (1983). Socialization in the context of the family: Parent–child interaction. In P Mussen and EM Hetherington,editors, Handbook of Child Psychology, volume IV: Socialization, personality, and social development, chapter 1, pages 1–101. New York: Wiley, 4th edition

”Parenting styles: A guide for the science-minded” 
by Gwen Dewar, Ph.D.,

http://www.parentingscience.com/parenting-styles.html

García F and Gracia E. 2009. Is always authoritative the optimum parenting style? Evidence from Spanish families. Adolescence. 44(173):101-31.

「もっと野を駆け回り、星を見つめて」Diana Loomansの詩

2014-03-09 09:54:07 | 引用
作家でスピーカーのDiana Loomans氏の詩、訳してみました。
子育てをしながら、思い出したいこと。

If I had my child to raise over again,
I'd finger paint more, and point the finger less.
I'd do less correcting, and more connecting.
I'd take my eyes off my watch, and watch with my eyes.
I would care to know less, and know to care more.
I'd take more hikes and fly more kites.
I'd stop playing serious, and seriously play.
I'd run through more fields, and gaze at more stars.
I'd do more hugging, and less tugging.
I would be firm less often, and affirm much more.
I'd build self-esteem first, and the house later.
I'd teach less about the love of power,
And more about the power of love.
It matters not whether my child is big or small,
From this day forth, I'll cherish it all.

by Diana Loomans


もし もう一度初めから子育てをやり直すことができたなら・・・


指をさして注意してばかりでなく
その指を一緒にお絵かきすることに使うでしょう

間違いを正す(correction)よりも 
もっと繋がりを持つ(connection)ようにするでしょう

時計から目を離し
その目をあなたを見ることに使うでしょう

知るということを思いやるよりも
思いやるということを知ろうとするでしょう

もっと一緒にハイキングして、もっと一緒に凧を飛ばして

真面目であるという遊びをやめて
真面目に遊ぶでしょう

もっと野原を駆け回り もっと星を見つめて

引っ張る(tugging)のではなく
もっと抱きしめる(hugging)でしょう

頑なである(firm)代わりに
もっと肯定的(affirm)になるでしょう

あなたの自信を築くのが先で
家を築くのは後でいいのです

力を愛することより
愛の力についてもっと話すでしょう


あなたが大きかろうが小さかろうが 関係なく

今日というこの日から これらのことを大切に抱いていきたい