団体訪問 「アーレの樹」さんを訪問してきました

 夏休みも終わりに近づいた午後、「アーレの樹」を訪問しました。

 ここは、学校へ行くのが苦手な子ども達のフリープログラムスクール「ヌップ」(フィンランド語で芽)」、発達障害を持つ子ども達の放課後ディサービス「バロ」(フィンランド語で光)を主として、子ども達とお母さんを笑顔に導く場所として、昨年9月に開設。ちょうど1年を迎えました。

 

パンフレットで紹介されている願いや思い、そして、ホームページやフェイスブックから伝わってくる施設の様子や空気感に、訪問する前から「包まれる」という思いを感じていました。そして、伺ってみてやはり、その「包まれる」安心感、あたたかな思いが確かなものとなりました。

 この日、お話を伺ったのは、理事長の福嶋さん、そして、放課後児童ディサービスの施設長である三宅さんのお二人。そして、子ども達の育みに一役も二役もかっている可愛い動物も迎えてくれました。
 福嶋さんは仕事柄、長年、学生達と関わる中で、学生達の様子が気にかかり、子ども達の居場所としてフリースクールを作りたい、また、子ども達、お母さん達に笑顔になってもらいたいとの思いがあり、一方、三宅さんは福祉の現場で働く中で、子ども達が自分の意思で、自分の考えで「自立」して行動できるように導く、そういった支援をしたいと願われていた、その二人の思いから、「アーレの樹」は始まったそうです。 

アーレとはフィンランド語で「宝物」。子ども達は一人ひとり、その子を輝かせる「宝物」といえる才能を持っている。
その宝物が見つかるように、才能の芽が光り始めるように、子ども達を育む。そうして、子どもが変わると、子どもも家族も笑顔になる。

 そのためにアーレの樹にはたくさんの体験のプログラムが用意されています。それはそれは多種多様なプログラム!福嶋さんの長年のお付き合いの中で、縁を頂いたたくさんの人、場所、動物たちに支えられています。特に「馬」との時間で、大きく変わったお子さんのエピソードは心にぐっと響きました。平日には日常の中で、週末には時には遠出をして、様々な体験をする中で、その子に合った「何か」を見つけていこうとされているとのこと。また、子ども達にはいろいろな仕事に携わる大人にたくさん会わせてあげたいと福嶋さん。ひとつひとつの体験の中で、学校の勉強にも、人間関係の学びや体験にも、そして、将来にもつながっていくようにと考えられています。

 また、学校との連係という面では、アーレの樹の理事には長年、小学校の先生をされている方もおられ、子供達、そして、お母さん方としっかりと関わり、アドバイスをくださっていること、また、ひとりの生徒の担任の先生、校長先生がアーレの樹を訪れ、アーレの樹の願いやあり方についてお伝えする中でフリースクールの出席が学校の出席として認められる筋道が出来たこと、そうして、それが別のお子さんにもつながったことを聞かせて頂きました。

 子ども達の意思を大切に「自立」して動けるように、けれども、人として学ばなくてはならないルールや人との付き合い方を会得できるように、いつでも真剣勝負。時にはぶつかりながら、子供達が自分で解決できるように待つ。そばにいて支えながら面倒なことを体験させ、子ども達が自分で感じ取る。そうした過程を大切にされています。お話を伺いながら、子供達をみつめるスタッフの皆さんの温かな視線と、それでも、その子の成長のために何が必要なのか、客観的に冷静にみつめて、時には厳しくサポートする姿勢、そして、信じて待つ、その心持ち、そこに、子ども達、そして、家族の皆さんの安心と信頼が生まれていくんだなと思わせて頂きました。

「子ども達が笑顔になったら、お母さんも笑顔になる。アーレはただそういう居場所であればいい」という福嶋さんの言葉。
「ここで得た人とのつながりは財産になる。そうして、ここで力を得て、自分の学校、地域へと帰っていけるようにしてあげたい」という三宅さんの言葉。
 アーレの樹はただの場所でなく、建物でなく、みんなにとって大事な、けれども、いつか巣立っていくまでみんなで育みあう「家」。
 どこか居心地の悪い思いをしている子ども達、最近、疲れて笑顔になれていないお母さん、子ども達やお母さんのケアに関わる皆さんに、この空間に身を置いてもらいたい、話を聞いてみてもらいたい!と感じました。

折しも取材の日は放課後ディサービス「バロ」のスタッフさんお一人のお別れ会。
お別れ会というと寂しくなるから、がんばってねの会として、流しそうめん大会をみんなで楽しんだそうです。参加出来なかった子からも「お別れを言いに来るよ」と連絡が入っていました。
アーレの樹、そして、バロの写真から、その居心地の良い空気感、伝わるでしょうか?

「アーレの樹」今後のスケジュール

岡崎勝先生と語る会 9月のテーマ 「読書って、ほんとに大切?」 
日時:毎月第3火曜日15時~17時 場所:アーレの樹

秋の講演会 石川憲彦先生(小児精神科医)「発達障害と薬の使い方を考える」
日時:10月23日(日) 13時~15時 場所:愛知学院大学日進キャンパス

 

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