衆院委員会で強行介護保険改悪案

2017年05月15日 21時12分29秒 | 日記

自民・公明の与党が4月12日衆議院厚生労働員会で強行採決した介護保険法等改悪案は重大です。

「地域包括ケアシステム強化のため」といいますが、
●一定所得以上の人の利用料を3割負担に
●「地域共生社会の実現」の名で、高齢者、障害者、障害児施策への公的責任の後退
●地域の社会保障と暮らしにマイナスの影響を与えるものです。

約30の法案を改定
 一括して改定する法案は約30に上ります。
  利用料の3割負担は、一昨年8月から2割負担に引き上げられた約45万人のうち、年金収入等340万円以上(単身者の場合)などの人(約12万人)が、来年8月から対象になります。すでに「2割」負担になって負担に耐えられず特養ホームを退所した人も生まれているのにその実態もまともに把握せず、負担増ばかり迫る政府のやり方に医療。介護の関係者、家族から怒りが広がっていいます。

介護費用を抑制したら「財政支援」
 全区市町村が介護の「自立支援・重度化防止」に取り組むことの「制度化」も大きな問題をはらんでいます。介護費用を抑制したら地方自治体に対する国の財政支援を手厚くするというものです。
 今でも介護保険から利用者を無理に「卒業」させたり介護認定を厳格化し「門前払い」している実態があり批判と怒りが上がっていますが、この手法をモデルにするような法案は、必要な介護から利用者を締め出す事態を続発させかねません。

「我が事・丸ごと」地域づくり・体制の整備?
「地域共生社会」の名目で高齢者・障害者などへの施策をひとまとめにする「我が事・丸ごと」地域づくり・体制の整備は危ういものです。
 法案では〃福祉サービスを必要とする人たちが孤立しないよう地域住民が支援する〃ことを求める条文を、社会福祉法に新設するとしています。
 これが公的な社会保障費の削減と結びつき、国や自治体が地域福祉から手を引き、地域住民の「自助・互助」に役割を押し付けることにつながるとの警告が、障害者団体などから相次いでいます。

「新しい福祉の哲学の転換」?
 塩崎泰久厚生労働大臣は「我が事・丸ごと」施策について、「新しい福祉の哲学の転換」と位置づけ〃地域の助け合い〃は「日本の原風景」に戻すものとも表明しています。
 高齢者、障害者などの施策を自主努力や助け合いに丸投げすることは今でも弱まっている地域の社会保障の仕組みをさらに不安定にする危険な方向です。

施策の一体化に不安
 高齢者と障害者の施策を一体化する方向を強めることにも障害者・家族から異論があがっています。
 地域福祉の在り方を大きく変える法案を、当事者となる障害者らの声や地域自治体からの意見を聞く機会も設けないまま、国会審議を急ぎ採決を強行するなどもってのほかです。
 住民に負担を強いる制度改悪はやめて、社会保障増進義務を定めた憲法25条にもとづき、充実させていくことこそ求められます。みなさんのご意見をお寄せください。