鼠丼

神の言葉を鼠が語る

<698>お盆といえばお約束の

2016-09-01 12:34:08 | 日記
 毎度!ねずみだ。

 お盆休みをそれぞれの地元で過ごした同僚たちと話している中で、同僚の一人がこんな話をした。

 彼の母親がお盆休み前に近所の眼鏡店へ。新しい眼鏡を作りに行ったのだ。道で会えば挨拶する程度には見知った間柄の眼鏡屋店主がこう提案した。
「明日なら専門医が来ることになっているので、良かったら明日精密検査をしてもらってから眼鏡をつくったらどうか。」
 個人経営の眼鏡店だけあって、チェーン店の対応とは一味違う。彼の母親はそれならば明日また来ましょう、近所だからね。といったん眼鏡店を後にした。

 翌日、改めて眼鏡店に行くと店長がにこにこしながら、「ああ、あの後旦那さん(同僚の父親)も来ましたよ。検眼だけして帰りました。」と言ったという。
 勿論店長は彼の父親の顔も知っている。
 彼の母親は店長がそう言うのを聞いてから、「そうですか、あの人が来ましたか。」と何事も無いように返した。
 そのまま専門医に検眼してもらい、眼鏡を作った後に家に戻った。

 お盆で帰省した折、実家に顔を出した彼に母親が語った話だ。

 ちなみに彼の父親は三年前に亡くなっている。

 同僚にこの話をした彼の母親は「お盆も近かったし帰ってきたのかねえ。」としみじみと言ったそうだ。

 不思議だが毎年お盆の時期になると、この手の話を聞く。他人からすれば「それって幽霊?」という話だが、当事者にとってみれば家族がお盆に帰ってきたのだから当たり前といえば当たり前の話。むしろ、「そうかい、やはり帰ってきたのかい。」という反応。

 この話を聞いて私も「いい話を聞かせてもらったよ、ありがとう。」と同僚にお礼を言った。

 なんとも日本のお盆に似つかわしい話だ。


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