Effects of high-risk Parkinson's mutation are reversible, study in animal model suggests
October 15, 2014
https://www.sciencedaily.com/releases/2014/10/141015090446.htm
(A microscope image of a cultured cell.
Credit: Image courtesy of University of Sheffield)
シェフィールド大学の研究者は、パーキンソン病の遺伝的な原因としては最も一般的なLRRK2によって引き起こされる影響についての重要な証拠を新たに発見した
今回の研究結果は、そのような影響を標的として無効化する方法を明らかにする可能性がある
LRRK2という遺伝子の突然変異はパーキンソン病のリスクをもたらすことが確立well-establishedされているが、そのつながりの根本となる部分についてはわかっていなかった
シェフィールド神経科学部のKurt De Vos博士と生物医科学部のAlex Whitworth博士を中心としたチームは Parkinson's UKの出資による研究の中で、LRRK2のRoc-CORドメインにパーキンソン病と関連する突然変異を持たせたショウジョウバエで観察される運動障害movement problemsを 特定の薬剤によって完全に回復できることを明らかにした
薬剤は脱アセチル化酵素阻害剤deacetylase inhibitorsというもので、輸送システムを標的とすることによって 神経細胞内のLRRK2変異体によって引き起こされる欠陥を回復reverseした
この研究は本日(2014年10月15日)Nature Communications誌で発表された
世界有数world-leadingの研究所、シェフィールド神経科学トランスレーショナル研究所/Sheffield Institute of Translational Neuroscience (SITraN) でトランスレーショナル神経科学の講師LecturerであるDe Vos博士は言う
「我々の研究は、
神経細胞内部の輸送の欠陥defective transportと
パーキンソン病と関連するLRRK2変異体によってショウジョウバエで起きる運動障害movement problemsとの間には
直接のつながりが存在するという説得力のあるcompellingエビデンスを提供する」
共同研究者co-investigatorのAlex Whitworth博士が次のように説明する
「我々はLRRK2変異によって起きるニューロン輸送の欠陥が可逆的reversibleであることも示す
我々は薬剤で輸送系transport systemを標的とすることにより運動障害を防ぐことができただけでなく、上昇能力ならびに飛行能力が著しく低下することを特徴とする運動障害impaired movementを既に示していたショウジョウバエにおける運動能力を完全に回復した」
LRRK2遺伝子は細胞内の数多くのプロセスに影響するタンパク質を作り出す
LRRK2は細胞の輸送路transport trackである微小管microtubuleにも結合することが知られ、この輸送システムにおける欠陥はパーキンソン病に寄与することが示唆されてきた
シェフィールドの研究者たちはこの二つのつながりを調査し、LRRK2の特定の変異が神経細胞の輸送に影響してショウジョウバエの運動障害につながるという証拠を発見した
研究チームは次に、LRRK2変異体タンパク質の微小管輸送システムへの結合associationを防ぐことによって神経細胞の輸送系の欠陥を回復rescueし、ショウジョウバエの運動障害movement deficitsから解放できることをいくつかのアプローチを用いて示した
De Vos博士は言う
「我々は脱アセチル化酵素阻害剤という薬剤を使って微小管microtubuleの中でアセチル化したα-チューブリンα-tubulinを増加させることに成功した
アセチル化したα-チューブリンはLRRK2タンパク質の変異体とは結合しない
微小管のアセチル化の増加は細胞の軸索輸送axonal transportに直接影響することを我々は明らかにした」
※軸索輸送にはATPが必要
「これらは潜在的なパーキンソン病の治療を指し示す非常に有望な結果である
しかしながら、この回復効果がヒトにも当てはまるかを確かめるためにはさらなる研究が必要である」
Beckie Port博士(出資を手助けしたParkinson's UKのResearch Communications Officer)は言う
「この研究は遺伝子に特定の変異を持つ人々にとって、いつの日かパーキンソン病の進行に介入して止める治療法の開発につながるかもしれないという希望を与える
しかし研究はショウジョウバエで実施されているに過ぎず、この発見が新たな治療のアプローチにつながりうるかどうかを知るためにはもっと多くの研究が必要である」
http://dx.doi.org/10.1038/ncomms6245
Increasing microtubule acetylation rescues axonal transport and locomotor deficits caused by LRRK2 Roc-COR domain mutations.
Abstract
ロイシンリッチリピートキナーゼ2/Leucine-rich repeat kinase 2 (LRRK2; ラーク2) の突然変異は、パーキンソン病の最も一般的な遺伝的原因である
LRRK2は多機能なタンパク質であり、微小管にも結合することが記述されている
微小管をベースとする軸索輸送の欠陥がパーキンソン病に寄与すると仮説が立てられているが、このプロセスにLRRK2の変異が影響して病理発生pathogenesisを仲介するのかどうかは不明である
今回我々は、Roc-CORドメインに病原性の突然変異 (R1441C, Y1699C) を持つLRRK2が優先的/選択的preferentiallyに『脱アセチル化された微小管』に結合し、初代ニューロンprimary neuronならびにショウジョウバエの軸索輸送を阻害して、in vivoで運動障害locomotor deficitsを引き起こすことを示す
in vitroでは、脱アセチル化酵素阻害剤deacetylase inhibitorsを使って微小管のアセチル化を増加させるか、チューブリンアセチル化酵素αTAT1はLRRK2変異体と微小管との結合を防ぎ、
脱アセチル化酵素阻害剤deacetylase inhibitorのトリコスタチンA/trichostatin A (TSA) は軸索輸送を回復する
in vivoでの脱アセチル化酵素deacetylasesのHDAC6ならびにSirt2のノックダウン、またはTSAの投与は、軸索輸送ならびに運動的振る舞いlocomotor behaviorを両方とも回復する
したがって、この研究はパーキンソン病の病原性メカニズムpathogenic mechanismならびに潜在的な介入法を明らかにするものである
Introducion
LRRK2で同定されている優性dominantの突然変異
・Ras of complex (Roc) GTPアーゼタンパク質ドメイン (R1441C, R1441G, R1441H)
・Rocカルボキシル末端 (COR) ドメイン (Y1699C)
・キナーゼドメイン (G2019S, I2020T)
RocドメインとCORドメインの突然変異はGTPアーゼ活性を低下させるが(6, 7、G2019Sの突然変異はキナーゼ活性を上昇させる(6, 8, 9
LRRK2の突然変異がどのようにして有害になるのかは不明だが、しかしおそらくLRRK2の生理的機能の中には軸索の完全性axonal integrityの維持が含まれる
事実、LRRK2の過剰発現は神経突起neurite(軸索と樹状突起)の短縮を引き起こす一方で、マウスニューロンにおけるLRRK2の機能喪失はニューロン突起neuronal processesの伸長ならびに分岐の増加という結果になる(10, 11, 12, 13
October 15, 2014
https://www.sciencedaily.com/releases/2014/10/141015090446.htm
(A microscope image of a cultured cell.
Credit: Image courtesy of University of Sheffield)
シェフィールド大学の研究者は、パーキンソン病の遺伝的な原因としては最も一般的なLRRK2によって引き起こされる影響についての重要な証拠を新たに発見した
今回の研究結果は、そのような影響を標的として無効化する方法を明らかにする可能性がある
LRRK2という遺伝子の突然変異はパーキンソン病のリスクをもたらすことが確立well-establishedされているが、そのつながりの根本となる部分についてはわかっていなかった
シェフィールド神経科学部のKurt De Vos博士と生物医科学部のAlex Whitworth博士を中心としたチームは Parkinson's UKの出資による研究の中で、LRRK2のRoc-CORドメインにパーキンソン病と関連する突然変異を持たせたショウジョウバエで観察される運動障害movement problemsを 特定の薬剤によって完全に回復できることを明らかにした
薬剤は脱アセチル化酵素阻害剤deacetylase inhibitorsというもので、輸送システムを標的とすることによって 神経細胞内のLRRK2変異体によって引き起こされる欠陥を回復reverseした
この研究は本日(2014年10月15日)Nature Communications誌で発表された
世界有数world-leadingの研究所、シェフィールド神経科学トランスレーショナル研究所/Sheffield Institute of Translational Neuroscience (SITraN) でトランスレーショナル神経科学の講師LecturerであるDe Vos博士は言う
「我々の研究は、
神経細胞内部の輸送の欠陥defective transportと
パーキンソン病と関連するLRRK2変異体によってショウジョウバエで起きる運動障害movement problemsとの間には
直接のつながりが存在するという説得力のあるcompellingエビデンスを提供する」
共同研究者co-investigatorのAlex Whitworth博士が次のように説明する
「我々はLRRK2変異によって起きるニューロン輸送の欠陥が可逆的reversibleであることも示す
我々は薬剤で輸送系transport systemを標的とすることにより運動障害を防ぐことができただけでなく、上昇能力ならびに飛行能力が著しく低下することを特徴とする運動障害impaired movementを既に示していたショウジョウバエにおける運動能力を完全に回復した」
LRRK2遺伝子は細胞内の数多くのプロセスに影響するタンパク質を作り出す
LRRK2は細胞の輸送路transport trackである微小管microtubuleにも結合することが知られ、この輸送システムにおける欠陥はパーキンソン病に寄与することが示唆されてきた
シェフィールドの研究者たちはこの二つのつながりを調査し、LRRK2の特定の変異が神経細胞の輸送に影響してショウジョウバエの運動障害につながるという証拠を発見した
研究チームは次に、LRRK2変異体タンパク質の微小管輸送システムへの結合associationを防ぐことによって神経細胞の輸送系の欠陥を回復rescueし、ショウジョウバエの運動障害movement deficitsから解放できることをいくつかのアプローチを用いて示した
De Vos博士は言う
「我々は脱アセチル化酵素阻害剤という薬剤を使って微小管microtubuleの中でアセチル化したα-チューブリンα-tubulinを増加させることに成功した
アセチル化したα-チューブリンはLRRK2タンパク質の変異体とは結合しない
微小管のアセチル化の増加は細胞の軸索輸送axonal transportに直接影響することを我々は明らかにした」
※軸索輸送にはATPが必要
「これらは潜在的なパーキンソン病の治療を指し示す非常に有望な結果である
しかしながら、この回復効果がヒトにも当てはまるかを確かめるためにはさらなる研究が必要である」
Beckie Port博士(出資を手助けしたParkinson's UKのResearch Communications Officer)は言う
「この研究は遺伝子に特定の変異を持つ人々にとって、いつの日かパーキンソン病の進行に介入して止める治療法の開発につながるかもしれないという希望を与える
しかし研究はショウジョウバエで実施されているに過ぎず、この発見が新たな治療のアプローチにつながりうるかどうかを知るためにはもっと多くの研究が必要である」
http://dx.doi.org/10.1038/ncomms6245
Increasing microtubule acetylation rescues axonal transport and locomotor deficits caused by LRRK2 Roc-COR domain mutations.
Abstract
ロイシンリッチリピートキナーゼ2/Leucine-rich repeat kinase 2 (LRRK2; ラーク2) の突然変異は、パーキンソン病の最も一般的な遺伝的原因である
LRRK2は多機能なタンパク質であり、微小管にも結合することが記述されている
微小管をベースとする軸索輸送の欠陥がパーキンソン病に寄与すると仮説が立てられているが、このプロセスにLRRK2の変異が影響して病理発生pathogenesisを仲介するのかどうかは不明である
今回我々は、Roc-CORドメインに病原性の突然変異 (R1441C, Y1699C) を持つLRRK2が優先的/選択的preferentiallyに『脱アセチル化された微小管』に結合し、初代ニューロンprimary neuronならびにショウジョウバエの軸索輸送を阻害して、in vivoで運動障害locomotor deficitsを引き起こすことを示す
in vitroでは、脱アセチル化酵素阻害剤deacetylase inhibitorsを使って微小管のアセチル化を増加させるか、チューブリンアセチル化酵素αTAT1はLRRK2変異体と微小管との結合を防ぎ、
脱アセチル化酵素阻害剤deacetylase inhibitorのトリコスタチンA/trichostatin A (TSA) は軸索輸送を回復する
in vivoでの脱アセチル化酵素deacetylasesのHDAC6ならびにSirt2のノックダウン、またはTSAの投与は、軸索輸送ならびに運動的振る舞いlocomotor behaviorを両方とも回復する
したがって、この研究はパーキンソン病の病原性メカニズムpathogenic mechanismならびに潜在的な介入法を明らかにするものである
Introducion
LRRK2で同定されている優性dominantの突然変異
・Ras of complex (Roc) GTPアーゼタンパク質ドメイン (R1441C, R1441G, R1441H)
・Rocカルボキシル末端 (COR) ドメイン (Y1699C)
・キナーゼドメイン (G2019S, I2020T)
RocドメインとCORドメインの突然変異はGTPアーゼ活性を低下させるが(6, 7、G2019Sの突然変異はキナーゼ活性を上昇させる(6, 8, 9
LRRK2の突然変異がどのようにして有害になるのかは不明だが、しかしおそらくLRRK2の生理的機能の中には軸索の完全性axonal integrityの維持が含まれる
事実、LRRK2の過剰発現は神経突起neurite(軸索と樹状突起)の短縮を引き起こす一方で、マウスニューロンにおけるLRRK2の機能喪失はニューロン突起neuronal processesの伸長ならびに分岐の増加という結果になる(10, 11, 12, 13