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α-シヌクレインはどのようにしてミトコンドリアを阻害するのか

2016-06-14 06:06:00 | 
Key to Parkinson's disease neurodegeneration found

June 8, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/06/160608154030.htm

ピッツバーグ大学医学部の研究者は、なぜパーキンソン病と関連するタンパク質のα-シヌクレインがニューロンにとって有害なのかについての主な理由を明らかにした
α-シヌクレインはパーキンソン病の病理学的な特徴hallmarkであるレヴィ小体の成分である
Science Translational Medicine誌のオンライン版で発表された今回の発見は、この破壊的な疾患の進行を遅くするか止めうる新たな治療法につながる潜在性を持つ


パーキンソン病(PD)は振戦、緩慢な動き、歩行gaitとバランスの困難さが特徴characterizedの神経変性疾患であり、アメリカ国内では約100万人が罹患している
これらの症状は脳内のニューロンが変性するか失われることによって生じ、特に動きの開始initiationと調整coordinationに重要なニューロンが影響を受ける

「我々がこの破壊的な疾患の新たな治療法を生み出すために標的にできるメカニズムを発見したことは本当にエキサイティングだ」
中心となった研究者lead investigatorのJ. Timothy Greenamyre, M.D., Ph.D.は言う
彼はピッツバーグ医学部で神経学のLove Family Professorであり、ピッツバーグ神経変性疾患研究所(PIND)のディレクターでもある
PINDの目的goalは神経変性疾患とそのメカニズムの研究に向けて統合された学際的アプローチであり、その目標aimは一変させるtransformingような最先端の科学で神経変性疾患に罹患した個々人の直接の利益となるような新たな治療法と診断法を目指すことである

「PINDの4人の研究者が共に研究したこの研究では、この協力によるアプローチの力に焦点を当てる」
Greenamyre博士はそのように付け加えた


PDの現在の治療法は症状を減らすことはできるが、疾患の悪化は不可避で進行を遅くすることはない
進行を遅くするか止めるため、科学者たちはなぜ、そしてどのようにしてニューロンが死んでいくのかを初めて特定した

変性しているニューロンにはα-シヌクレインというタンパク質が凝集した大きな塊が存在する
細胞で作られるα-シヌクレインが多過ぎるか(PARK4)、α-シヌクレインが突然変異を起こしていると(PARK1)、このタンパク質の毒性のためにPDを発症するリスクが高いことがわかっている

科学者たちはPDにおけるα-シヌクレインの蓄積が有害である理由が ミトコンドリアの正常な機能を乱すためであることも実証してきた
ミトコンドリアは細胞のエネルギーを作り出す『小さな発電所』である

今回の新しい研究でGreenamyre博士は共著者Roberto Di Maio, Ph.D.とPaul Barrett, Ph.D.が率いるPINDのチームと共に十分に確立されたPDのげっ歯類モデルを使い、α-シヌクレインがどのようにしてミトコンドリアの機能を乱すのかを正確に示した
彼らはα-シヌクレインがTOM20というミトコンドリアのタンパク質に結合してミトコンドリアが適切に機能することを妨げ、その結果としてエネルギーの産生は減少し、有害damagingな細胞の廃棄物が増加することを明らかにした
このα-シヌクレインとTOM20との相互作用は最終的に神経変性につながるのだとGreenamyre博士は説明する

次に彼らは動物実験での結果をPD患者の脳組織で確認した

「α-シヌクレインのミトコンドリアへの影響を例えると、完全に上手くいっている石炭燃料の発電所を極端に非効率的にするようなものだ
それは十分な電力を作るのに失敗するだけでなく、有害な汚染物質も大量に作り出す」


研究チームは培養した細胞を使い、α-シヌクレインによって引き起こされる毒性を防ぐための2つの方法を発見した
1つは遺伝子治療であり、ニューロンに強制的にTOM20を多く作らせることでニューロンはα-シヌクレインから保護された
もう1つはα-シヌクレインがTOM20にくっつかないように防ぐことができるタンパク質で、これもα-シヌクレインのミトコンドリアへの有害な影響を防いだ

これらのアプローチがPD患者を助けうるかどうかを確かめるためにはさらに多くの研究が必要なものの、Greenamyre博士は楽観的であり、それらの一方、または両方が最終的には現在不可避なPDの進行を遅くするか止めるためのヒトでの臨床試験につながるだろうと考えている


http://dx.doi.org/10.1126/scitranslmed.aaf3634
α-Synuclein binds to TOM20 and inhibits mitochondrial protein import in Parkinson’s disease
パーキンソン病においてα-シヌクレインはTOM20に結合し、ミトコンドリアへのタンパク質インポートを阻害する

α-シヌクレインはミトコンドリアタンパク質の『輸入業』を破綻させる
α-Synuclein disrupts the mitochondrial protein import business

α-シヌクレインの蓄積とミトコンドリアの機能障害はほとんどのタイプのパーキンソン病の病理発生にとって重要central toであって、両者は重複しているように見える
しかし、この2つがどのようにしてお互いに関連するのかはわからないままだった

今回Di Maioたちは、野生型のα-シヌクレインの特定の形態、例えばオリゴマー形態やドーパミンで修飾された形態dopamine-modified formは高い親和性でミトコンドリアのTOM20という受容体に結合するが、単一分子や繊維状の形態のα-シヌクレインはTOM20に結合しないことを報告する

※dopamine-modified alpha-synuclein: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18172548

この結果としてミトコンドリアが機能するために必要なタンパク質のインポートが損なわれ、ミトコンドリアの老化につながり、呼吸respirationの低下と活性酸素種(ROS)の増加を示す

今回の研究は、この有害な相互作用とその下流の結果を防ぐための潜在的な方法にも光を当てる


要旨
Abstract

α-シヌクレインの蓄積とミトコンドリアの機能不全はパーキンソン病(PD)の病理発生に強く関連し、そしてその2つはつながりがあるように見える
ミトコンドリアの機能不全はα-シヌクレインの蓄積とオリゴマー化につながり、増加したα-シヌクレインはミトコンドリアを損なう
しかし、この双方向の相互作用の基盤は不可解obscureなままである

今回我々は、翻訳後に修飾された特定の形態のα-シヌクレインが高い親和性でTOM20(translocase of the outer membrane 20/ミトコンドリア外膜の転送装置)に結合することを報告する
TOM20はミトコンドリアタンパク質をインポートする機構の一つで、『前駆配列presequence』の受容体である

TOM20と修飾α-シヌクレインとの結合は、TOM20とその共受容体TOM22との相互作用を妨害し、ミトコンドリアタンパク質のインポートを損なう
その結果としてミトコンドリアの呼吸に欠陥が生じ、ROSの産生が増加し、ミトコンドリアの膜電位membrane potentialが失われる

PD患者の死後の脳組織を検査したところ、黒質線条体nigrostriatalのドーパミン作動性ニューロン内のα-シヌクレインとTOM20の異常な相互作用が存在し、それがインポートされるミトコンドリアタンパク質の喪失と関連することが明らかになった
これによりヒトのパーキンソン病でもこの病原性pathogenicのプロセスを確認した

PDのin vivoモデルにおいて、内因性endogenousなα-シヌクレインの適度modestのノックダウンは、ミトコンドリアタンパク質のインポートを維持するのに十分だった

さらに、in vitro系では、TOM20の過剰発現、またはミトコンドリアを標的とするシグナルペプチドは有益な効果があり、ミトコンドリアタンパク質のインポートは保持された

この研究はPDにおける病原性のメカニズムを特徴付け、野生型αシヌクレインの有害な形態を同定し、神経を保護するための潜在的かつ新たな治療戦略を明らかにした



関連サイト
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18172548
"Dopamine-modified α-synuclein blocks chaperone-mediated autophagy"
『ドーパミン修飾α-シヌクレイン』は『シャペロンを介するオートファジー(CMA)』を阻害する

Reference 18
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15817478
Reversible inhibition of alpha-synuclein fibrillization by dopaminochrome-mediated conformational alterations.
ドーパミンが自己酸化して形成されるドーパミノクロームdopaminochromeは、α-シヌクレインの125-129残基(YEMPS)との相互作用により立体構造を変化させて微小繊維化を可逆的に阻害し、球状のオリゴマーを形成する

Reference 19
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15790526
Synuclein, dopamine and oxidative stress: co-conspirators in Parkinson’s disease?

Reference 20
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14556942
3,4-Dihydroxyphenylacetaldehyde is the toxic dopamine metabolite in vivo: implications for Parkinson’s disease pathogenesis.

※3,4-dihydroxyphenylacetaldehydeはドーパミンの代謝産物(DOPAL)

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