Modulation of brain cholesterol: New line of research in Alzheimer's disease treatment?
September 14, 2015
http://www.sciencedaily.com/releases/2015/09/150914114643.htm
アルツハイマー病の特徴の一つはアミロイドプラークで、もう一つはタウタンパク質の変性である
そしてアルツハイマーで病態生理学的に重要なのはコレステロールである
フランスの複数の研究チーム (Inserm/ CEA/ University of Lille/ University of Paris-Sud) は、脳内の過剰なコレステロールを除去する酵素の過剰発現がアルツハイマー病のタウタンパク質に対して有益な作用があり、疾患を完全に治療correctできるかもしれないことをげっ歯類を使った2つの研究で示した
脳内の過剰なコレステロールはBBBを自由に越えることはできない
このコレステロールを排出するためには
CYP46A1遺伝子がコードするコレステロール-24-ヒドロキシラーゼ/cholesterol-24-hydroxylaseという酵素によって
24-ヒドロキシコレステロール/24-hydroxycholesterol (24-OHC) に変換される必要がある
研究では初めに
ウイルスベクターのAAV-CYP46A1により
アミロイド病変amyloid pathologyのマウスモデルであるAPP23マウスを治療correctした
ゆえに、CYP46A1はアルツハイマーの治療標的であるように思われる
それとは反対に、
AAVウイルスベクターにより
マウスの海馬でCYP46A1をアンチセンスRNAで阻害したところ、
Aβペプチドの産生、
異常タウタンパク質、
神経細胞死、
海馬萎縮
の増加が誘導されて記憶障害が生じた
これらの結果は疾患におけるコレステロールの役割を実証するものであり、CYP46A1の治療標的としての関連性/妥当性relevanceを確認する
今回の研究から研究チームはアルツハイマー病への遺伝子治療アプローチ、脳内へのAAV-CYP46A1ウイルスベクター投与を提案する
http://dx.doi.org/10.1093/hmg/ddv268
Cholesterol 24-hydroxylase defect is implicated in memory impairments associated with Alzheimer-like Tau pathology.
アルツハイマー病患者では、血漿中ならびに脳脊髄液中の24-ヒドロキシコレステロール/24S-hydroxycholesterolの濃度が健康な対照群よりも低い
http://dx.doi.org/10.1093/brain/awv166
CYP46A1 inhibition, brain cholesterol accumulation and neurodegeneration pave the way for Alzheimer’s disease.
我々はshort hairpin RNA/shRNAをコードするAAVベクターを直接マウスのCyp46a1に対して使い、通常のマウスの海馬のニューロンでCyp46a1の発現を減少させた
これによりニューロンでのコレステロール濃度は増加し、その後、ニューロンの死によって認知障害と海馬萎縮が生じた
ニューロンが死ぬ前、
アミロイドタンパク質前駆体の脂質ラフトlipid rafts へのリクルートは促進され、
β-C-末端断片とAβペプチドの産生につながった
タウの異常リン酸化ならびにERストレスも観察された
アルツハイマー病のマウスモデルの一つであるAPP23マウスにおいて
Cyp46a1発現の阻害後にAβペプチドの量は増加した
そしてニューロンの死は通常のマウスよりも広範囲だった
今回の結果は
脳内でニューロンのコレステロールは
アルツハイマー病の誘発または悪化の一因である可能性を示唆する
関連サイト
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&view=article&id=4858:2014120&catid=20&Itemid=98
>コレステロール異常でアルツハイマー病リスク増大
>被験者のアミロイド値を評価した結果、空腹時のLDLコレステロール値が高く、HDLコレステロール値が低いほど、脳内のアミロイド斑の蓄積が多かった。
関連サイト
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=2878&Itemid=37
>HDLコレステロールは数値よりも機能が重要
>HDLコレステロール値が高いことよりも、それがどのくらい機能しているか、つまり体内の過剰なコレステロールを効率よく排除できるかどうかが重要
September 14, 2015
http://www.sciencedaily.com/releases/2015/09/150914114643.htm
アルツハイマー病の特徴の一つはアミロイドプラークで、もう一つはタウタンパク質の変性である
そしてアルツハイマーで病態生理学的に重要なのはコレステロールである
フランスの複数の研究チーム (Inserm/ CEA/ University of Lille/ University of Paris-Sud) は、脳内の過剰なコレステロールを除去する酵素の過剰発現がアルツハイマー病のタウタンパク質に対して有益な作用があり、疾患を完全に治療correctできるかもしれないことをげっ歯類を使った2つの研究で示した
脳内の過剰なコレステロールはBBBを自由に越えることはできない
このコレステロールを排出するためには
CYP46A1遺伝子がコードするコレステロール-24-ヒドロキシラーゼ/cholesterol-24-hydroxylaseという酵素によって
24-ヒドロキシコレステロール/24-hydroxycholesterol (24-OHC) に変換される必要がある
研究では初めに
ウイルスベクターのAAV-CYP46A1により
アミロイド病変amyloid pathologyのマウスモデルであるAPP23マウスを治療correctした
ゆえに、CYP46A1はアルツハイマーの治療標的であるように思われる
それとは反対に、
AAVウイルスベクターにより
マウスの海馬でCYP46A1をアンチセンスRNAで阻害したところ、
Aβペプチドの産生、
異常タウタンパク質、
神経細胞死、
海馬萎縮
の増加が誘導されて記憶障害が生じた
これらの結果は疾患におけるコレステロールの役割を実証するものであり、CYP46A1の治療標的としての関連性/妥当性relevanceを確認する
今回の研究から研究チームはアルツハイマー病への遺伝子治療アプローチ、脳内へのAAV-CYP46A1ウイルスベクター投与を提案する
http://dx.doi.org/10.1093/hmg/ddv268
Cholesterol 24-hydroxylase defect is implicated in memory impairments associated with Alzheimer-like Tau pathology.
アルツハイマー病患者では、血漿中ならびに脳脊髄液中の24-ヒドロキシコレステロール/24S-hydroxycholesterolの濃度が健康な対照群よりも低い
http://dx.doi.org/10.1093/brain/awv166
CYP46A1 inhibition, brain cholesterol accumulation and neurodegeneration pave the way for Alzheimer’s disease.
我々はshort hairpin RNA/shRNAをコードするAAVベクターを直接マウスのCyp46a1に対して使い、通常のマウスの海馬のニューロンでCyp46a1の発現を減少させた
これによりニューロンでのコレステロール濃度は増加し、その後、ニューロンの死によって認知障害と海馬萎縮が生じた
ニューロンが死ぬ前、
アミロイドタンパク質前駆体の脂質ラフトlipid rafts へのリクルートは促進され、
β-C-末端断片とAβペプチドの産生につながった
タウの異常リン酸化ならびにERストレスも観察された
アルツハイマー病のマウスモデルの一つであるAPP23マウスにおいて
Cyp46a1発現の阻害後にAβペプチドの量は増加した
そしてニューロンの死は通常のマウスよりも広範囲だった
今回の結果は
脳内でニューロンのコレステロールは
アルツハイマー病の誘発または悪化の一因である可能性を示唆する
関連サイト
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&view=article&id=4858:2014120&catid=20&Itemid=98
>コレステロール異常でアルツハイマー病リスク増大
>被験者のアミロイド値を評価した結果、空腹時のLDLコレステロール値が高く、HDLコレステロール値が低いほど、脳内のアミロイド斑の蓄積が多かった。
関連サイト
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=2878&Itemid=37
>HDLコレステロールは数値よりも機能が重要
>HDLコレステロール値が高いことよりも、それがどのくらい機能しているか、つまり体内の過剰なコレステロールを効率よく排除できるかどうかが重要