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パーキンソン病を引き起こす新たな遺伝子が発見される

2016-06-11 06:06:33 | 
New gene shown to cause Parkinson's disease

Third gene definitely linked to disease in patients from North America, Asia

June 6, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/06/160606115903.htm


(矢印はシナプス小胞synaptic vesicleというニューロン内の小さな袋sackを指している
シナプス小胞はドーパミンのような神経伝達物質がニューロンからニューロンへと分泌される前に貯蔵される場所である

Credit: Image courtesy of Northwestern University)

ノースウェスタン大学の科学者たちはパーキンソン病の新たな原因を明らかにした
TMEM230という遺伝子の突然変異は、この最も一般的な運動障害の確認された症例と決定的に関連する三番目の遺伝子であるようだ

彼らはNature Genetics誌で発表された研究において、北アメリカとアジアのパーキンソン病患者でTMEM230の突然変異が原因である症例についてのエビデンスを提供する
また、彼らはこの遺伝子がニューロンの神経伝達物質であるドーパミンの(シナプス小胞への)詰め込みpackagingに関与するタンパク質を産生することを実証した
ドーパミン産生ニューロンの喪失はパーキンソン病の決定的な特徴である

全体的に見て今回の研究結果は脳内でパーキンソン病がどのようにして発症するのかを説明するための新たな手がかりをもたらし、それらの手がかりは将来の治療への道しるべとなるかもしれない
現在パーキンソン病には何の治療もなく、原因もほとんど知られていない

「これまでの研究でパーキンソン病は様々な環境的な要因へと関連付けられてきたが、既知の唯一直接的な原因は遺伝である」
ノースウェスタン大学ファインバーグ・メディカルスクールのTeepu Siddique博士は言う

「多くの遺伝子がパーキンソン病を引き起こすと主張されてきたが、それらは確認validatedされていなかった
我々はこの新しい遺伝子の突然変異が病理学的かつ臨床的に証明されたパーキンソン病の症例につながることを示す」

パーキンソン病の症例の約15パーセントが遺伝的性質geneticsによって起きると考えられており、それは主にSNCA(α-シヌクレインをコードする)とLRRK2という2つの遺伝子の突然変異によるものである
Siddiqueによると、他の遺伝子はパーキンソン症候群/parkinsonism(運動症状を伴う神経学的疾患)の特徴と関連付けられているに過ぎないという

※GBA遺伝子など(http://www.nejm.jp/abstract/vol361.p1651

TMEM230の突然変異がパーキンソン病につながるというノースウェスタン医学部のチームによる証明は、世界中の協力者たちと実施された20年にも及ぶ研究の成果である


この遺伝子はどのようにして発見されたのか
How they uncovered the gene

このプロジェクトは1996年、Siddiqueと筆頭著者のHan-Xiang Deng博士がパーキンソン病の典型的な症状を示す15人を含む家族の調査を開始した時から始まった
共著者のAli Rajput(カナダ・サスカチェワン大学)によって提供されたDNAサンプルを使い、SiddiqueとDengはパーキンソン病の13人を含む家族の構成員65人に対してゲノム全体の分析を実施した
この高い罹患率を説明できる共通した変異を発見することを期待してのことである

彼らは染色体20番の遺伝子141個を含む狭い領域に研究の焦点をしぼり、全エキソンの配列を決定する技術/whole exome sequencing technologyを使って遺伝子の変異variationを比較した
科学者たちはそこに9万を越える変異体variantを発見し、その中から疾患を引き起こす変異としてTMEM230遺伝子を明らかにした

Dengが説明する
「これはまったく新しい遺伝子だったため、我々はその機能を知らなかった
そのため我々は様々な研究を実施し、この遺伝子がコードするタンパク質がどの場所に存在し、何をしているのかを解明しようとした」

研究の結果、彼らはTMEM230がニューロン内のシナプス小胞という小さな袋sackの膜を貫通していることを発見した
シナプス小胞は神経伝達物質がニューロンからニューロンへと分泌される前に貯蔵される場所である

Siddiqueは言う
「現在のパーキンソン病に対する対症療法は、シナプス小胞によって分泌される神経伝達物質ドーパミンを増加させるものが中心である
ドーパミンは脳の様々な場所に投射するニューロンに分泌され、それは運動や気分、様々な器官系organ systemを制御している
つまりパーキンソン病で影響を受ける部分である」


科学者たちはこのTMEM230というタンパク質がシナプス小胞の動きに関与するという仮説を立てた

「我々は小胞輸送の欠陥がパーキンソン病の鍵となるメカニズムであると考えており、それはこの変異を持つ症例に関してだけでなく疾患の大部分に共通する経路である
SNCAとLRRK2、そしてTMEM230という原因として証明authenticatedされた3つの遺伝子は、全てシナプス小胞に集中する」
Dengは言う

「我々の新たな研究結果は、シナプス小胞の輸送の正常化が将来の治療を開発するための戦略となる可能性を示唆している
我々はこの決定的な経路を促進する薬剤を開発できるだろう」


様々な集団でTMEM230を立証する
Verifying the gene across populations

重要なことに、研究チームは北アメリカや遠く離れた中国の別の家族の症例でもTMEM230遺伝子の変異を発見した

彼らはこれらの患者が疾患の臨床的な特徴(振戦tremor、緩慢slownessな動き、硬直stiffness)、そして脳内の病理学的なエビデンス(ドーパミンニューロンの喪失、ニューロン内部のタンパク質の異常な蓄積)、その両方を備えていることを立証verifyした

「このパーキンソン病を引き起こす遺伝子は北アメリカの一集団に限定されるものではなく世界中に及んでおり、様々な民族や環境の状態で見られる
この変異はそれほどに強力である」


SiddiqueとDengはTMEM230の変異がどのようにして疾患を引き起こすのかをマウスモデルを使って研究しようと計画している
Siddiqueはファインバーグで神経学・細胞分子生物学の教授であり、Dengは神経学の研究教授research professorである


http://dx.doi.org/10.1038/ng.3589
Identification of TMEM230 mutations in familial Parkinson's disease.
家族性パーキンソン病におけるTMEM230突然変異の同定

Abstract
パーキンソン病は二番目に多い神経変性疾患であり、効果的な治療法は存在しない
その大部分は散発的sporadicで、病因etiologyは不明である
まれな家族性のタイプの遺伝学的な研究から典型的なパーキンソン病またはパーキンソン症候群と関連する複数の遺伝子における変異が明らかにされてきたが、パーキンソン病の病理発生pathogenesisはほとんど不明である

今回我々は、20番染色体短腕(20pter-p12)上に存在する、常染色体autosomal優性dominantの臨床的に典型的かつ病理学的にレヴィ小体で確認されたパーキンソン病に関する遺伝子座を報告し、TMEM230を疾患原因遺伝子として同定する

※pter: petite(短腕)+ terminal(末端)

我々はTMEM230がニューロン内のシナプス小胞を含めた分泌/リサイクル小胞の膜貫通タンパク質をコードすることを示す
疾患と関連するTMEM230突然変異体mutantは、シナプス小胞の輸送を損なう

我々の研究データはニューロン内シナプス小胞の膜貫通タンパク質突然変異体が病因としてパーキンソン病と関連するという遺伝学的エビデンスを提供する
それはパーキンソン病の病理発生メカニズムの理解ならびに合理的rationalな治療法の開発と密接な関係implicationsがある


http://www.nature.com/ng/journal/vaop/ncurrent/carousel/ng.3589-F1.jpg
Figure 1: パーキンソン病患者のTMEM230突然変異



(a)
様々な種において進化的に保存されたTMEM230タンパク質のアミノ酸を示す
ヒトTMEM230のアミノ酸と同一のアミノ酸は黒字で示し、同一ではないアミノ酸は赤字で示すdenoted



関連サイト
http://www.genecards.org/cgi-bin/carddisp.pl?gene=TMEM230
GeneCards Summary for TMEM230 Gene
>TMEM230 (Transmembrane Protein 230/膜貫通タンパク質230) はタンパク質をコードする遺伝子である

>以下、TMEM230遺伝子に関して利用できるデータは存在しない
>Entrez Gene Summary , UniProtKB/Swiss-Prot , Tocris Summary , Gene Wiki entry , PharmGKB "VIP" Summary , fRNAdb sequence ontologies , piRNA Summary



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/5dc8d2df5cf3c367e14b14a84eac884e
β-グルコセレブロシダーゼをコードするGBA1遺伝子の突然変異は、α-シヌクレインのリサイクルに問題を起こす



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/735d3e7de5b11b1efa84ce4c20e84d37
LRRK2キナーゼは特定のRabタンパク質(Rab3、Rab8、Rab10、Rab12)の不活化により細胞内輸送を調節する



関連サイト
http://first.lifesciencedb.jp/archives/6527
RAB7L1とLRRK2は協調してニューロンにおける細胞内輸送を制御するとともにパーキンソン病の発症リスクを決定する



関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/04/160412091004.htm
パーキンソン病のレヴィ小体型認知症を顎下腺のα-シヌクレインで診断する
 

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