3-D imaging reveals unexpected arrangement of plaques in Alzheimer's-afflicted brains
July 14, 2016
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/07/160714134750.htm
(脳内の血管、グリア細胞、プラークを三重に染色した画像
Credit: Dr. Thomas Liebmann, The Rockefeller University)
ロックフェラー大学の研究者は、最近開発された『組織を透明にする』画像化技術を使ってアルツハイマー病の脳組織を可視化し、
ベータアミロイドプラークの高度に秩序立った非ランダムな構造を明らかにしたexpose
アミロイドベータプラークはアルツハイマー病の脳内で典型的に見られ、有害なタンパク質が凝集した粘着性の塊である
この研究結果は7月14日のCell Reports誌で発表された
「今まで我々は2次元のスライスを使って脳を研究してきたが、私はそれが不適切だといつも感じていた
なぜなら脳は複雑な3次元の構造体であって、相互に連結interlockした多くの要素を持つからだ」
首席著者senior authorのMarc Flajoletは言う
彼はロックフェラーの分子細胞神経科学研究室/Laboratory of Molecular and Cellular Neuroscienceの助教授assistant professorである
「スライスには時間がかかり、それを3次元に再構築するのは骨が折れる作業だというだけではなく、
たとえ間違いはなくてもそこからは限られた視点しか得られない
どうにかして3次元構造を全ての次元から (脳をスライスするような準備をすることなく) 観察する方法が我々には必要だった」
彼らは伝統的な脳の3次元画像化(PETやfMRI)を越える方法を望んでいた
それらは脳の活動を広範囲に示すものの、全体的に解像度が低い
この問題を回避するため、研究チームは最近開発された方法の『iDISCO』に着目した
この方法は脳を溶液にひたしてsoak、脳内の脂肪に染み込ませるように電荷を付加しimbue 、次に正反対の電荷を持った電場にさらす
これが磁石のように働いて、脳内の脂肪を全て脳の外へと追い出すのである
結果として脳は硬くて透明な、ほとんど『ガラス』のようになり、アミロイドのプラークを非常に詳細にそして3次元で観察することが可能になる
マウスの脳ならば半球hemisphere全体を、ヒトでは小さいながらもブロック単位を3次元で観察可能である
「マウスモデルではプラークは少々小さく、サイズと形状は均質的homogenousで、どうやってもグループ化はされない/not grouped in any specific way」とFlajoletは言う
「しかしヒトの脳では、より不均一で、より大きなプラークが見られ、今回のような新しい複雑なパターンが観察された」
彼らはこの構造をTAPs (three dimensional amyloid patterns/3次元アミロイドパターン) と呼び、TAPsが将来アルツハイマー病の治療に役立つかもしれないという
医師からの患者の症状の報告を患者の死語の脳画像と比較することによって、アルツハイマー病を異なるカテゴリーに分類できる可能性がある
「脳内がプラークでいっぱいでも、まったく認知症にならない人たちがいる」
彼は言う
「そして、プラークが存在しないのに症状の多くを示す患者がいる」
それらを考慮すると、現在の臨床試験がアルツハイマー病を一つのカテゴリーとして見なすやり方は正しくないのかもしれないと彼は言う
おそらく既存の薬剤はアルツハイマー病患者の一部のサブセットにしか有益ではないかもしれないが、現在の我々にはそれを見分ける方法はない
Flajoletが強調するのは、我々に必要なのはプラークやアルツハイマー病の特徴の全般的な理解だということである
それらの存在と疾患の重症度との間の関係はいまだに明快ではないnot clear-cut
「そのような理解はおそらく新しく、そしてより良い標的治療や、既存の薬剤の再考につながるだろう
それこそが我々の望むものだ」
http://dx.doi.org/10.1016/j.celrep.2016.06.060
Three-Dimensional Study of Alzheimer’s Disease Hallmarks Using the iDISCO Clearing Method.
※iDISCO: immunolabeling-enabled three-dimensional imaging of solvent-cleared organs/「免疫によってラベル化することが可能な、溶剤によって透明化された臓器の三次元画像化」
Figure 5
関連サイト
http://dx.doi.org/10.1016/j.cell.2014.10.010
iDISCO: A Simple, Rapid Method to Immunolabel Large Tissue Samples for Volume Imaging
関連サイト
http://tak38waki.hatenablog.com/entry/2015/09/16/100709
各透明化手法の原理と欠点
July 14, 2016
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/07/160714134750.htm
(脳内の血管、グリア細胞、プラークを三重に染色した画像
Credit: Dr. Thomas Liebmann, The Rockefeller University)
ロックフェラー大学の研究者は、最近開発された『組織を透明にする』画像化技術を使ってアルツハイマー病の脳組織を可視化し、
ベータアミロイドプラークの高度に秩序立った非ランダムな構造を明らかにしたexpose
アミロイドベータプラークはアルツハイマー病の脳内で典型的に見られ、有害なタンパク質が凝集した粘着性の塊である
この研究結果は7月14日のCell Reports誌で発表された
「今まで我々は2次元のスライスを使って脳を研究してきたが、私はそれが不適切だといつも感じていた
なぜなら脳は複雑な3次元の構造体であって、相互に連結interlockした多くの要素を持つからだ」
首席著者senior authorのMarc Flajoletは言う
彼はロックフェラーの分子細胞神経科学研究室/Laboratory of Molecular and Cellular Neuroscienceの助教授assistant professorである
「スライスには時間がかかり、それを3次元に再構築するのは骨が折れる作業だというだけではなく、
たとえ間違いはなくてもそこからは限られた視点しか得られない
どうにかして3次元構造を全ての次元から (脳をスライスするような準備をすることなく) 観察する方法が我々には必要だった」
彼らは伝統的な脳の3次元画像化(PETやfMRI)を越える方法を望んでいた
それらは脳の活動を広範囲に示すものの、全体的に解像度が低い
この問題を回避するため、研究チームは最近開発された方法の『iDISCO』に着目した
この方法は脳を溶液にひたしてsoak、脳内の脂肪に染み込ませるように電荷を付加しimbue 、次に正反対の電荷を持った電場にさらす
これが磁石のように働いて、脳内の脂肪を全て脳の外へと追い出すのである
結果として脳は硬くて透明な、ほとんど『ガラス』のようになり、アミロイドのプラークを非常に詳細にそして3次元で観察することが可能になる
マウスの脳ならば半球hemisphere全体を、ヒトでは小さいながらもブロック単位を3次元で観察可能である
「マウスモデルではプラークは少々小さく、サイズと形状は均質的homogenousで、どうやってもグループ化はされない/not grouped in any specific way」とFlajoletは言う
「しかしヒトの脳では、より不均一で、より大きなプラークが見られ、今回のような新しい複雑なパターンが観察された」
彼らはこの構造をTAPs (three dimensional amyloid patterns/3次元アミロイドパターン) と呼び、TAPsが将来アルツハイマー病の治療に役立つかもしれないという
医師からの患者の症状の報告を患者の死語の脳画像と比較することによって、アルツハイマー病を異なるカテゴリーに分類できる可能性がある
「脳内がプラークでいっぱいでも、まったく認知症にならない人たちがいる」
彼は言う
「そして、プラークが存在しないのに症状の多くを示す患者がいる」
それらを考慮すると、現在の臨床試験がアルツハイマー病を一つのカテゴリーとして見なすやり方は正しくないのかもしれないと彼は言う
おそらく既存の薬剤はアルツハイマー病患者の一部のサブセットにしか有益ではないかもしれないが、現在の我々にはそれを見分ける方法はない
Flajoletが強調するのは、我々に必要なのはプラークやアルツハイマー病の特徴の全般的な理解だということである
それらの存在と疾患の重症度との間の関係はいまだに明快ではないnot clear-cut
「そのような理解はおそらく新しく、そしてより良い標的治療や、既存の薬剤の再考につながるだろう
それこそが我々の望むものだ」
http://dx.doi.org/10.1016/j.celrep.2016.06.060
Three-Dimensional Study of Alzheimer’s Disease Hallmarks Using the iDISCO Clearing Method.
※iDISCO: immunolabeling-enabled three-dimensional imaging of solvent-cleared organs/「免疫によってラベル化することが可能な、溶剤によって透明化された臓器の三次元画像化」
Figure 5
関連サイト
http://dx.doi.org/10.1016/j.cell.2014.10.010
iDISCO: A Simple, Rapid Method to Immunolabel Large Tissue Samples for Volume Imaging
関連サイト
http://tak38waki.hatenablog.com/entry/2015/09/16/100709
各透明化手法の原理と欠点